FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安伴いリスク選好の買い優勢

前日のNYダウが約8ヵ月ぶりに過去最高値を更新したことで投資家心理が一段と上向き幅広い銘柄が買われた。米中貿易問題への警戒感が和らいでおり、海運や非鉄金属など景気敏感株に買いが向かった。米長期金利の上昇を受けた利ざや改善の期待を受け、保険や銀行株などの金融株の上昇も目立った。さらに外国為替市場で1ドル=112円台後半まで円安が進行したことも輸出関連株の買い安心感を強めた。結局、前日比195円高の2万3869円と6日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高でリスク選好の円安継続

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ一時112.70円までじり高となった。米中貿易摩擦を巡る過度な懸念が後退していることもリスク選好の円売りにつながった。午後もこの流れは続き、日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利上昇をながめてさらにドル買い・円売りが強まり112.80円まで上げた。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で方向感に乏しい展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

OECDは中国の18-19年成長率の予想値を維持

経済協力開発機構(OECD)は、最新の世界経済見通しを発表した。中国の成長率については、18年が6.7%、19年が6.4%とし、5月時点の予想を維持した。人民元安がプラスに働き、米国の中国製品に対する追加関税措置の影響を緩和するとの見方を織り込んだ。一方、世界全体の成長率について、2018年、19年ともに3.7%と予想し、5月時点の予想からそれぞれ0.1、0.2ポイント下方修正した。米国を中心とする通商摩擦の激化を背景とした世界貿易の伸び鈍化に警戒感を示し、世界経済の成長はピークは過ぎた可能性があるとの見方を示した。

 

前日の米国経済指標は雇用好調も住宅と景気関連は低調な結果に

米国の8月中古住宅販売件数は534万件となり、増加予想に反して2016年2月以降2年ぶりの低水準となった前月と並んだ。また、同時刻に発表された米コンファレンスボードが発表した8月景気先行指数も前月比+0.4%となり、伸びは市場予想の+0.5%を下回り5月来で最低となった。米国労働省が発表した週次新規失業保険申請件数は前週比3000件減の20.1万件と増加予想に反して、前回20.4万件からさらに低下し、先週に続き49年ぶりの低水準を記録した。 失業保険継続受給者数は164.5万人となり、増加予想に反し、前回170.0万人から減少し、1973年以降45年ぶり低水準を記録した。

 

日米金利差から対円で続伸する可能性も

米国は良好な経済や雇用に加え、広範な税制改革や財政刺激策を講じ、さらに成長が強まると予想されている。利上げペース加速の思惑も浮上してきた。 米国金利先物市場で、25-26日に開催される9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は100%。12月の利上げ確率は年半ば時点で50%前後だったが、78%近くに上昇している。そのため、2018年あと2回の利上げが確実視されつつある。また、2019年の最初の利上げ予想が6月から3月に前倒しされている。 日米の金利格差はさらに拡大する可能性が強い。貿易協定を交渉中の米国のトランプ政権が過剰なドル高を望まないとの見方から年末にかけて、ドル弱気の見方が強まる中、ドルは唯一対円で続伸する可能性もある。年初来の高値113円39銭を突破すると、一段高となる可能性も残されている。

 

米国の対中関税制裁の影響を受ける半数は外資系企業

中国商務部は、米国が中国からの輸入品2000億米ドル分に課す第3弾の制裁関税について、電機、軽工業、繊維・アパレル、資源化工、農産品、薬品の6分野の製品に波及し、影響を受ける企業の半数近くが外資系との見方を示した。現在、困難に直面する国内企業や、中国に進出した外資企業を支援する措置を検討している。商務部の高峰報道官が20日の定例会見で明らかにした。第3弾関税は24日に発動する。中国は報復措置として、同日付で米国から輸入する600億ドル相当の製品に追加関税をかける。高報道官は、米国の一方的な保護主義策は米国と中国の企業や消費者の利益だけでなく、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの安全を損なうと批判している。 

 

欧米イベント

○15:45   4-6月期仏国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.2%)
○16:15   9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.3)
○16:15   9月仏サービス部門PMI速報値(予想:55.2)
○16:30   9月独製造業PMI速報値(予想:55.7)
○16:30   9月独サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:54.4)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.4)
○21:30   7月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.6%)
○21:30   8月カナダCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比2.8%)
○22:45   9月米製造業PMI速報値(予想:55.0)
○22:45   9月米サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○22:45   9月米総合PMI速報値

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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