FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体中心に売りが優勢

前日の米国株式市場で半導体株指数の下げが嫌気され、半導体関連株を中心に売りが出た。前日に大きく上昇した後とあって、短期筋の株価指数先物に継続的な売りをだしたことも相場の下押しとなった。ただ、今週末のSQ算出を控えたヘッジファンド等の思惑的な買いに下げ幅を縮めた。結局、前日比60円安の2万2604円と3日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:明日にイベントを控え様子見ムード強い

ドル/円は、米中貿易摩擦が激化するとの懸念からポジション調整などのドル売り・円買いが持ち込まれ111.46円まで下落した。日経平均株価が朝高後に失速したことや上海総合株価指数が軟調だったこともリスク回避の円買いを誘った。午後はアジア株の動向をにらみながら111.50円前後で取引された。明日のトルコ金融会合やECB理事会などのイベントを控えて様子見ムードが強く、薄商いだった。ユーロ/ドルは、1.15ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

13日のトルコ中銀政策会合への楽観論は禁物

7月以降の国際金融市場ではトルコリラの急落をきっかけに『トルコ・ショック』とも呼べる混乱が続き、早期に収束出来るか否かに注目が集まっている。経済のファンダメンタルズの脆弱さに加え、対米関係悪化も重なり資金流出圧力が強まり、リラ安の進展は対外債務の負担増加を通じて経済の重石となる懸念もある。4-6月期の実質GDP成長率は内需が幅広く鈍化して減速し、先行きも一段と減速感を強める可能性は高い。 金融市場では13日に開催される次期定例会合の行方に注目が集まる。今月3日に中銀は突如『物価安定に必要な対応を取る』旨の声明を発表し、市場では利上げ観測が強まっている。ただし、声明は期待値のハードルを上げた可能性もあり、中途半端な対応は失望を招くリスクも残る。財務相が掲げる『財政政策の強化』の方向性も不透明であり、中銀が如何なる答えを提示するか、現時点で過度な楽観視は禁物である。

 

スペイン北東部のカタルーニャ州の独立気運高まる

昨年、スペインからの独立の是非を問う住民投票を行い、政府と激しく対立したカタルーニャ州で、およそ100万人が独立を訴えてデモ行進を行い、再び双方の対立が強まる懸念も出ている。スペイン北東部のカタルーニャ州では、昨年10月、独立の是非を問う住民投票の結果を受けて州議会が一方的にスペインからの独立を宣言し、これに対して中央政府は州の自治権を停止したうえで、幹部を解任し、議会も解散させた。
カタルーニャ州の中心都市バルセロナでは、11日、スペインからの独立と、国家反逆罪に問われて拘束されている州の元幹部の解放などを求めるデモ行進が行われた。

 

米国の平均賃金上昇はドル高トレンドを持続

米国では前週末の8月雇用統計が改善したほか、平均賃金は前年比+2.9%と2009年6月以来の高い伸びを記録した。米FRBによる利上げ継続と、ドルの下限切り上がりが支援されやすい。長期間の統計記録が残る『時間あたり平均賃金・名目前年比』も+2.8%となり、2009年7月以来のプラス幅になってきた。同統計では前回の悪化局面のあと、2005年7月から現在と同じ+2.8%を超えてきた。当時のドル/円は同月ドル安値の109円前後から、賃金が+4.2%と改善ピークをつけた2007年6月の124円方向までドル高トレンドが持続した実績を有している。その前では1995年6月から+2.8%を突破したが、ドル/円は同月ドル安値83円前後からドル高モメンタムが点火した。賃金上昇は1998年6月の+4.3%で天井をつけたが、その2カ月後にあたる同年8月の147円方向までドル高基調が継続されている。

 

25日の日米首脳会談までは日本への貿易圧力が強まる

米トランプ政権による貿易赤字削減に向けた対外通商攻勢の行方だ。前週末にはトランプ米大統領が中国の輸入製品に対し、2000億ドル(約22兆円)相当の関税強化の準備進展を示したほか、『私が望めば追加で2670億ドル(約29兆円)相当の関税をすぐに科す用意がある』と波状攻撃の可能性を示唆した。さらに日本に対しても、対米貿易黒字の削減に向けた威嚇圧力を始動させている。25日の首脳会談では、安倍晋三首相が米国からの農産物・シェール資源・防衛装備品の購入や米国でのインフラ整備の協力、日本企業による米国現地生産の拡充などで「最大限の努力検討」を約束。具体策や2国間協定の協議入りなどは先送りさせつつ、トランプ氏の中間選挙対策に花を持たせながら、圧力緩和を講じる可能性がある。

 

欧米イベント

○18:00   7月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   7月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.3%)
○21:00   7月インド鉱工業生産(予想:前年同月比6.6%)
○21:30   4-6月期カナダ設備稼働率(予想:86.9%)
○21:30   8月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.7%)
○22:40   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
13日01:45   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○13日02:00   米財務省、10年債入札
○13日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○英中銀金融政策委員会(MPC、13日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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