FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日米貿易摩擦と地震の影響を嫌気した売り

トランプ大統領が対日貿易赤字の削減を直迫る姿勢と伝わり、電気機器や機械などの輸出関連株が売られた。また、北海道地震の実態が明らかになるにつれ、経済活動への影響も徐々に見えてきており、半導体関連企業などに影響が出る可能性が嫌気された。そのため、一時下げ幅を300円超に広げた。結局、前日比180円安の2万2307円と6日続落で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い優勢

ドル/円は、日米貿易摩擦に対する懸念や日経平均株価の下げ幅が200円を超えたことを背景にリスク回避のドル売り・円買いが進み、110.38円まで下落した。しかし、今晩発表される8月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、下げ幅は一服した。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや上海総合株価指数が買い先行で始まったことに支えられ110.60円近辺へ値を戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら110.60円を挟んだもみ合いとなった。手掛かり材料に乏しく週末ということもあり、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.16ドル台前半で方向感の乏しい展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

スウェーデンクローナが9年ぶりの安値圏

スウェーデンの通貨クローナが9年ぶり安値権で低迷している。対ユーロは8月下旬に1ユーロ=10クローナ台後半と2009年7月以来のユーロ高・クローナ安水準を付けた後、戻りらいし戻りがない。9日投開票のスウェーデン総選挙では反移民を掲げる極右政党が躍進する可能性が高い。イタリアなどで生じたポピュリズムの波が北欧にも広がるとの警戒感から先回りしたクローナ売りが続いている。

 

今朝のトランプ大統領発言報道のニュアンスが違う

昨日NY市場引け間際に伝えられたCNBCの『トランプ砲』だったが、カナダとNAFTA再交渉が難航しているほか、中国製品2000億ドル相当への関税発動期限となっている中、『次は日本との貿易戦争だ』となれば、市場の反応は当然にリスク回避の動きとなる。ただ、実際のWSJでのコラムでは、少しニュアンスが違う。コラムこそ『日本の貿易戦争を視野に』となっているが、中身は『トランプ米大統領は日本との貿易に関して思い悩んでいるようだった。日本の指導者(安倍首相)とは友好な関係だが、いくら払えなどと言った途端にその関係が終わってしまうと心の内を明かした』という内容だった。市場が徐々に中身まで目を向け始めるにつれて、リスク回避の動きも後退する可能性がある。

 

米経済指標は予想より強くてもドル軟調推移

米供給管理協会(ISM)が発表した8月ISM非製造業総合景況指数は58.5となり、7月55.7から上昇し、市場予想56.8を上回った。 一方で、米商務省が同時刻に発表した7月製造業受注は前月比-0.8%となり、市場予想-0.6%を下回り3カ月ぶりのマイナスに落ち込んだ。さらに1月来で最低となった。 7月耐久財受注改定値は前月比-1.7%となり、市場予想に一致し、速報値から修正なしとなった。ただ、企業の設備投資の先行指標となるコア資本財の受注は+1.6%となり、速報値の+1.4%から上方修正されたほか、国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財(航空機を除く非国防資本財)の出荷は+1.0%と、速報値の+0.9%から上方修正され、7-9月期GDPの成長を押しあげる。 事前に民間マークイットが発表した8月サービス業PMI改定値は54.8となり、市場の予想外に、速報値55.2から下方修正された。8月総合PMI改定値も54.7となり、速報値55.0から下方修正された。 市場予想を上回ったISM非製造業指数にもかかわらず米長期低下に伴いドルの軟調推移が継続した。

 

米国市場では8月雇用統計が公表

非農業部門雇用者数は反動増が予想されるが、失業率は横ばいとなる見込みとなっている。市場が注目する平均時給の伸び率は、労働市場における需給ひっ迫などの理由で前年比+2.8%と予想されているが、市場予想を下回る伸び率にとどまった場合でも、賃金の上昇基調が維持されていると判断された場合、ドル買い材料となる可能性もある。

 

欧米イベント

○14:45   8月スイス失業率(季節調整前、予想:2.4%)
○15:00   7月独貿易収支(予想:195億ユーロの黒字)
○15:00   7月独経常収支(予想:200億ユーロの黒字)
○15:00   7月独鉱工業生産(予想:前月比0.2%)
○15:45   7月仏貿易収支(予想:57億ユーロの赤字)
○15:45   7月仏経常収支
○15:45   7月仏財政収支
○15:45   7月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
○18:00   4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比2.2%)
○21:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○21:30   8月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化5000人/失業率5.9%)
○21:30   8月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化19万1000人/失業率3.8%/平均時給、前月比0.2%/前年比2.7%)
○22:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:00   8月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.51%)
○23:00   8月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:61.4)
○8日01:45   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○ユーロ圏非公式財務相会合
○ブラジル(独立記念日)、休場
○9日 スウェーデン総選挙

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ