FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:午後からは円安恩恵株に買いが入り下げ幅縮小

FOMCを通過した後の米国株安を嫌気する形で日本株は朝方から軟調に推移した。下げ渋る場面もみられたが、一時350円安まで下げ幅を広げた。ただ、下げ幅がどんどん広がる動きにはならず、売り一服後は2万7000円台前半で小動きとなった。幅広い業種で売りが優勢となったが、物色動向に特段の特徴はみられなかった。午後にかけては円安恩恵株や米経済再開関連株に買いが入り、下げ幅を縮小した。日銀が大規模な金融緩和の維持を決めたことで日米の金融政策の差が改めて意識された。結局、前営業日比159円安の2万7153円と2ヵ月ぶりの安値となった。信用評価損益率は16日申し込み時点でマイナス10.56%と、前の週のマイナス9.42%からマイナス幅が1.14ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:日銀金融政策決定会合の結果後に値動きの荒い展開

ドル/円は、米FRBがインフレ警戒を強めて積極的に金融引き締めへ向かうとの思惑からドル買い・円売りが優勢となり、144円台前半から144円台半ばへ水準を切り上げた。本日は3連休前の実質的な五・十日にあたり、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常より多く観測されたこともドル/円の上昇につながった。昼前に、日銀は21~22日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を維持すると決定した。日米金融政策スタンスの違いが鮮明になったことで、海外投機筋などから仕掛け的なドル買い・円売りが持ち込まれ、一時145.37円付近まで急伸して約24年ぶりの高値をつけた。ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感から一転してドル売り・円買いが強まり、143円台半ばまで下落する荒い値動きとなった。その後、米金利先行感からドルの押し目買いが入り、144円台半ばへ反発した。ユーロ/ドルは、午前中に20年ぶりの安値0.9807ドルを付けた反動から、利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが見られ、0.9830ドル台へ値を戻した。

 

独長期金利は8年8ヵ月ぶりの高水準:南欧国債金利も上昇

20日にドイツ長期金利の指標10年債利回りが一時1.95%台まで上昇し2014年1月以来8年8カ月ぶりの高水準を付ける等欧州の長期金利の上昇が続いている。20日発表のドイツ8月生産者物価指数が前年同月比で45.8%上昇し伸び率は1949年の統計開始以来で最高となり30%台後半としていた事前予想を上回る等高インフレに対する懸念が強まり、イタリア等他のユーロ圏諸国にも金利上昇が波及した。欧州中銀(ECB)がインフレ退治で急速な利上げを進めるとの見方が強まりドイツやイタリアやスペインなど南欧国債の利回りも上昇している。

 

トルコ中銀の政策金利の発表に注目:市場予想は政策金利は据え置き

本日は日本時間20時にトルコ中銀金融政策委員会(MPC)の結果が発表され、予想は政策金利13%で据え置きである。ただ、トルコ鉱工業生産の鈍化を理由に追加利下げを見込む向きもあるが、今のところ少数派となっている。ただし、トルコの最高権力者エルドアン大統領は、利下げがインフレ抑制に繋がるとの考えを捨てていない。カブジュオール・トルコ中銀総裁をはじめとするMPCメンバーは大統領の圧力に完全に屈しており、小幅ながらも金利を動かす可能性も念頭に置いておいたほうが良いかもしれない。いずれにせよ、インフレ高騰にもかかわらず金融引き締めに舵を切れない中銀への信頼は低下する一方であり、その国への資金流入はあまり期待できない。

 

南ア中銀の金融政策委員会が開催:利上げ幅に注目集まる

本日も各国からのイベントが多く、ボラタイルなマーケットが予想されます。FOMCは通過したが、本日は南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)があるだけではなく、日本、スイス、ノルウェー、英国、トルコの各中銀が政策金利を発表する。ランド/円はドル/円とドル/ランドの綱引き相場は変わらないが、ドル/ランドは他国の動向にも連れることがあることで要注意となる。本日のSARBのMPCは、8月のCPI(+7.6%)は7月(+7.8%)よりも抑えられたが、市場予想は米連邦準備理事会(FRB)同様に0.75%の利上げが優勢になっている。これはクガニャゴSARB総裁が今月8日のインタビューで、『MPCは物価が抑制され、インフレ目標バンドの中間点(4.5%)に向かって下降軌道に乗るまで、物価の伸びを抑えるために必要なことは何でもしなければならない』と述べたことが1つの要因になっている。ただし、今後は米国や欧州と比較すると利上げペースが弱まるのではないかとの声も一部では出ている。昨日のCPIでは食料や燃料などの品目を除くコアインフレ率は、7月の4.6%から4.4%に低下した。利上げペースが減速することは、高金利通貨としてのランド買い要因は減少するが、スタグフレーション懸念の後退はポジティブ要素になる。

 

ドイツがメキシコのLNGを巡って強力を強化:ポジティブニュース

メキシコに訪問中のシュタインマイヤー独連邦大統領がロペスオブラドール・メキシコ大統領と会談し、液化天然ガス(LNG)を巡って協力を強化することについて話し合ったとのことです。最近では天然ガス需要の増加とLNG価格高騰に伴ってアジアのLNGプロジェクト開発業者を中心にメキシコへの投資プロジェクトを進める動きが目立っていますので、ドイツの参戦はメキシコにとってポジティブニュースとなる。

 

11月FOMCでも4会合連続で75bp利上げ予想強まる

連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り3会合連続で0.75%の利上げを決定し、政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を、3.00-3.25%に決定した。 注目されていたスタッフ予測では、金利予想が前回6月から大幅に引き上げられた。年末の金利は4.4%が予想されているため、あと、100BPから125BPの追加利上げが年内に実施されることが予想されている。


★FRB予測:金利「22年:4.4%、23年:4.6%、24年:3.9%、2025年:2.9%、長期2.5%」GDP「22年+0.2%(前回+1.5%‐+1.9%)、23年+0.5%-+1.5%(+1.3%-+2.0%)

インフレ抑制のためパウエル議長はFOMC後の会見で、来年FFが4.6%に達するのはほぼ確実と言及。一方で、米国債市場で逆イールドは一段と拡大。景気後退懸念も強まった。

 

欧米市場のイベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○15:45   9月仏企業景況感指数(予想:102)
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:2.25%に引き上げ)
○17:30   8月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.0%)
○20:00   英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:2.25%に引き上げ)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:13.00%で据え置き)
○21:30   4-6月期米経常収支(予想:2606億ドルの赤字)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.8万件/140.0万人)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.25%に引き上げ)
○23:00   8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲25.8)
○24:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23日01:30   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○ウクライナを巡り国連安保理閣僚会合
○豪州(女王悼む休日)、休場

 

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