FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:FOMCを控え様子見ムード強くなり上値の重い展開

前日の米国株上昇を好感して戻りに弾みを加えたものの、徐々に見送りムードが広がった。米FOMCや日銀政策決定会合を週内に控えているため、積極的な売り買いはみられなかった。市場では20-21日のFOMCでは少なくとも75bpの利上げが実施されると予想されており、100bp利上げも確率は低いながらあり得るという。そのため、FOMC結果を見極めたいとする投資家が多かった。結局、前営業日比120円高の2万7688円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買いが支え

ドル/円は、米FOMCや日銀金融政策決定会合を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが先行、143円を割り込んで142.94円付近まで下落した。米長期金利が小幅に低下したことも、ドル売り要因となった。しかし、16日のNY市場でつけた安値142.85円に接近すると下げは一服した。その後、日米金融政策スタンスの違いを意識してドル買は買い戻され、143.20円台へ値を切り返した。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて国内輸入企業のドル買い・円売りが通常より多く観測されたことも、ドル/円の底堅い動きにつながった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、143.20円台を中心とする狭いレンジで推移した。本日から始まるFOMCのイベントを前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.00ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀は黒田総裁退任まで金融政策を据え置きへ:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズは16日のリポートで、日銀が9月の金融政策会合で、期間10年の長期金利をゼロから0.25%程度までに抑える長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の金利ターゲットを据え置くと予想した。同会合で日銀の政策スタンスが大きく修正されるとは想定されなかった。また、BofAは日銀が黒田総裁の任期満了まで政策を据え置くとの見方を維持した。最近の円安による更なる物価上振れリスクと政策修正への政治的圧力が強まる可能性を挙げつつも、更なる政策正常化は時期総裁の下で実施され、その時期を2024年と予想している。

 

22日のトルコ中銀政策金利発表:一部には追加利下げの見方も

先週、一部通信社が14人のエコノミストに行ったトルコ政策金利についての聞き取り調査では、11人が据え置き予想だった。足もとのインフレ率が80%台まで加速してきており、当然の見方のように思われる。ただ、少数派ではあるが、2会合連続の利下げを見込む向きもいる。追加利下げを予想する理由としては、7月鉱工業生産が前月比で減少し、これが成長率軟化を口実とした緩和余地を中銀に与えたとしている。トルコ最大の権力者エルドアン大統領は更なる金利引き下げを望んでいるとされており、一応は利下げを念頭に置いておくべきかもしれない。もし金利を再び動かすようであれば、かなり市場の失望感を誘いそうである。

 

南アでは8月消費者物価指数が発表:利上げ幅に影響か

21日8月の消費者物価指数(CPI)が発表される。7月は2009年に8.0%を記録して以来となる7.8%まで上昇した。8月もインフレ高進が確認された場合は、翌22日に控える南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)の利上げ幅にも影響を与えそうである。 米国の利上げ幅とSARBの利上げ幅でかい離が出る可能性もあり、両中銀の動向に注目したいところである。

市場予想:前月比+0.3%(前回:1.5%)、前年比+7.6%(前回:7.8%)

 

2023年の業績予想は高すぎる:モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーは19日付リポートで、米FRBの金融引き締め政策は企業収益にも遅行性の影響を及ぼすことから、年始から急激な金融引き締めは来年にかけて成長への逆風になりえるとの見方を示した。リポートでは、S&P500株価指数の純利益を予測する上で、全米自営業者連盟(NFIB)の月次調査が有用であり、今後の業績下方修正につながりうるとの見方が示されている。また、2023年の業績予想が高すぎるとし需要破壊かマージン圧力、もしくはその両方による下押し圧力が強まっているとも指摘した。モルガンはS&P500の底打ちについて、ベースケース(50%の確率)で3400近辺、景気シナリオ(40%の確率)で3000近辺とそれぞれ見込んでいる。

 

9月FOMCではFF金利のドットは23年末に4.25~4.50%か:ゴールドマン

9月FOMCを控える中、ゴールドマン・サックスは18日付のリポートで『当社は9月FOMCで今年3回目となる75bpの利上げが行われると予想する。債券市場は100bpの利上げを4分の1の確率で織り込んでいる。11月、12月にはそれぞれ50bpの利上げが行われると予想し、22年末のFF金利は4.00~4.25%となるだろう』との見解を示し、従来予想を維持した。リポートでは、サービス・インフレは高止まりする可能性が高いが、FOMCは利上げのペースを遅らせると予想されるとも指摘。FF金利がより高い水準になること、最終的には過剰な引き締めへの懸念が高まること、および消費者のインフレ期待の低下がインフレ長期化の懸念を低下させることになるためと見込んだ。その上で、四半期経済見通し(SEP)のFF金利のドットプロットに関して22年末には4.00~4.25%、23年末には4.25~4.50%となり、24年に1度、25年には2度の利下げが行われるだろうと予想。中立金利(ロンガーラン)は2.5%で据え置きとみていた。将来の利下げを示唆するドットを示すことは市場の利下げ期待を招きかねないものの、リセッション懸念が残る中、FF金利を横ばいとする事にコンセンサスが得られるのか疑問があるとみていた。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比1.6%)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:1.50%に引き上げ)
○17:00   7月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○21:30   8月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比7.3%)
○21:30   8月米住宅着工件数(予想:145.0万件、前月比0.3%)
          建設許可件数(予想:160.4万件、前月比▲4.8%)
○21日02:00   米財務省、20年債入札
○21日02:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

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