★日経平均株価:米国株を好感したものの上値には慎重姿勢
ほぼ予想通りとなった生産者物価指数(PPI)を受けて、前日の米国株式市場が上昇したことを好感して、日本株も堅調に寄り付いた。ただ、引き続き米利上げに対する警戒感が強く、上値に慎重な様子がうかがえた。新型コロナウイルスの水際対策が緩和されるとの観測から、内需関連の一角が目立ち上げ幅は一時100円を超える場面もあった。結局、前営業日比57円高の2万7875円で終了した。9月第1週(5~9日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は213億円の売り越しとなり、売り越しは4週連続だった。個人投資家は1090億円の売り越しとなり、売り越しは3週ぶりだった。信託銀行は2650億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続だった。
★東京外国為替市場:水準切り上げ143円台半ばでもみ合い
ドル/円は、前日に日銀がレートチェックを実施したことで、為替介入を警戒したドル売り・円買いが先行し、142円台後半へ水準を切り下げた。しかし、東京市場では、本邦国内勢ドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、143.45円付近へ上昇した。米長期金利が上昇したこともドルの押し上げにつながった。午後に入り、米長期金利が一段と上昇すると、さらにドル買い・円売りが進んで143.70円付近へじり高となった。市場が警戒している日銀のレートチェックが、今のところ確認されていないことも円売り要因となった。ただ、今晩発表される8月米小売売上高や9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などの指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて143.60円前後で取引された。ユーロ/ドルは、米長期金利を眺めたユーロ売り・ドル買いが入り0.996ドル付近へ軟化した。
★8月貿易赤字は過去最大:円安などで輸入コスト増が要因
財務省が発表した本邦8月貿易統計速報は、貿易収支が2兆8173億円の赤字だった。資源価格の高騰や円安が輸入コストを押し上げ、貿易赤字は比較可能な1979年以降で最大となった。専門家は貿易赤字はしばらく続くと予想している。
・輸入は前年同月比49.9%増の10兆8792円で、原粗油や石炭、液化天然ガスなどが増加し過去最大となった。19ヵ月連続の増加。
・輸出は同22.1%増の8兆0619億円だった。自動車や鉱物性燃料、半導体等製造装置などが押し上げ、18ヵ月連増kで増加した。
★中国では広がる恒大ショックで主要銀行の『不良債権』急増
国で不動産業界向けの不良債権が急増している。香港に上場する主要銀行の2022年6月末残高は21年末に比べて27%増えた。不動産大手、中国恒大集団などのデフォルト(債務不履行)や市場悪化が響いた。銀行から不良債権を買い取って処理を進める専門会社の業績も悪化している。香港に上場する32行の22年1~6月期決算を集計した。
★トルコ政府が地域紛争の問題解決に当事国と協議
トルコの隣国アルメニアとアゼルバイジャンの武力衝突が激化している。2020年のナゴルノカラバフ紛争ではアゼルバイジャンを軍事的にも支援したトルコは、今回もアルメニアの行動は受け入れられないとの態度である。ただ地域紛争の拡大は避けたく、トルコ政府は問題解決のために両国に接触をしている。16日にはウズベキスタンでエルドアン・トルコ大統領がプーチン露大統領と会談するとされ、そこでもアルメニアとアゼルバイジャンの情勢について協議すると報じられている。ウズベキスタンでは、中露が主導する枠組みである上海協力機構(SCO)の首脳会議が本日から開かれる。トルコはSCOの対話パートナーであり、エルドアン大統領も会議に合わせてウズベキスタンを訪問する予定でる。
★南アランドは米金利の動向に左右される状況
ランドは米金利の動向に左右される状況が続きそうである。南ア国内からは来週発表される消費者物価指数(CPI)や南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)までは、動意づきにくい展開である。
★ムーディーズの2023年のメキシコ成長率は1%程度と予想
米格付け大手ムーディーズは昨日、メキシコ大蔵公債省が国会に提出した2023年度予算案において、予算の前提となる経済成長率を3.0%としていることについて『楽観的過ぎる』として懸念を示した。メキシコ大蔵公債省はこのGDP想定を基に、債務残高(GDP比)は2022年と同水準の49.4%に抑えられ、従来通りの財政規律を維持できると見込んでいるが、ムーディーズは『経済成長率が3.0%を大幅に下回れば、債務の増加を最小限に抑えようとする政府の努力にも影響が及ぶ』としている。なお、ムーディーズは2023年のメキシコ成長率を1%程度と予想している。
★投資家の『株式強気』が過去最低:米BofA
米BofAが13日公表した9月機関投資家調査(2-8日実施)によれば、世界の投資家がリスク資産保有に慎重な姿勢を強め、グローバル株式保有について『強気』と回答した割合から『弱気』と回答した割合を差し引いた値が-52ptと過去最低水準となった。なお、現金比率は6.1%長期平均4.8%を大きく上回る水準に増加した。投資家心理の悪化の主因はリセッション(景気気後退)懸念であり、今後1年間の世界経済について『上向く』とした割合から『弱まる』を引いた値は-72ptと過去最低に水準となった。今後1年に物価上昇と景気停滞が同居する『スタグフレーション』予想比率が92%と過去最高となり投資家にとり最大のテールリスク(まれに起きる甚大な被害リスク)として、①インフレ高止まり(36%)、②タカ派中銀(20%)、③地政学リスク(17%)が指摘された。
★米国のインフレ指標結果を受け9月FOMCでの75bp利上げほぼ確実
米国重要インフレ指標の結果を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月20-21日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続で75bpの利上げに踏み切ることがほぼ確実視された。
8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%と、マイナスに改善予想に反し、7月0.0%から伸びが拡大した。前年比では+8.3%と、伸びは7月+8.5%から鈍化し、4月来で最小となったが予想を上回った。FRBがインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食料を除いたコアCPI指数は前月比+0.6%と、予想外に7月+0.3%から伸びが拡大。前年比では+6.3%。伸びは7月+5.9%から予想以上に拡大し、3月来で最大となった。原油価格が6月に高値を付けたのち、下落基調であるためガソリン価格は下落したものの、サービスセクターの上昇が全体指数を押し上げた。
8月生産者物価指数(PPI)は前月比-0.1%と、予想通り7月-0.4%に続き2カ月連続のマイナスとなった。前年比では+8.7%と、7月+9.8%から予想以上に伸びが鈍化し、1年ぶりの低い伸びに改善した。PPIは原油価格の下落が奏功した形となった。一方で、変動の激しい燃料や食品を除くコアPPIは前月比+0.4%と、7月+0.3%から伸びが拡大。前年比では+7.3%と、7月+7.7%から伸び鈍化し昨年10月来で最低の伸びにとどまったが予想を上回り、コアPPIは依然インフレ高進を示す結果となった。
★米国市場では8月小売売上高が公表:予想は横ばい
7月実績は前月比横ばいだった。無店舗小売りは増加したが、自動車・同部品は減少した。8月については金利引き上げの影響があることや消費者信頼感は伸び悩んでいることから前月比横ばいか、低い伸びにとどまる見込みとなっている。
★欧米市場イベント
○15:00 8月独卸売物価指数(WPI)
○15:45 8月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比5.8%)
○18:00 7月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済320億ユーロの赤字)
○18:15 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○20:00 センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:30 9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲13.0)
○21:30 9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:2.8)
○21:30 8月米小売売上高(予想:前月比横ばい/自動車を除く前月比0.1%)
○21:30 8月米輸入物価指数(予想:前月比▲1.2%)
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.6万件/147.5万人)
○22:15 8月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
設備稼働率(予想:80.3%)
○23:00 7月米企業在庫(予想:前月比0.6%)
○中露首脳会談(サマルカンド)
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