FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:値ごろ感から押し目買い

前日の米国株式市場が上昇した。これを受けて日本株は買い優勢で始まったが、米経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)において26日に行われるパウエルFRB議長の講演が終了するまでは日米とも見送りムードが強くなる。実際、買いが一巡した後は、一進一退の展開になった。物色面では、岸田首相が次世代原発の開発加速を指示したことを手掛かりに、前日に続いて原発関連株が堅調だったのが目立つ程度だった。プライム市場で約3文の2の銘柄が上昇するなど、広く浅く買われた。結局、前営業日比165円高の2万8479円と6営業日ぶりに反発して終了した。8月第3週(15~19日)の投資部門別株式動向によると、海外投資家(外国人)は222億円売り越しとなり、売り越しは2週ぶりとなった。個人投資家は1871億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。信託銀行は51億円の買い越しとなり、買い越しは3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:内外株高でリスク選好の円売りも見られ136円台後半

ドル/円は、本邦輸出勢などからドル売り・円買いが持ち込まれ、136.60円付近へ下落した。米長期金利が小幅に低下したことも、ドル売りにつながった。ただ、今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが入り、136.80円付近へ値を切り返した。午後は、26日のジャクソンホールで行われるパウエル米FRB議長の講演を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、一時136.52円程度まで下落した。その後は、内外株高でリスク選好の円売りも見られ、136.60円台を中心に取引された。

 

8月月例経済方向では景気判断を据え置き

政府は25日、8月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を『穏やかに持ち直している』と前回から据え置いた。また、先行きについては『感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇による家計や企業への影響や供給面での制約等に十分注意する必要がある。』とした。個別では、生産の判断を7カ月ぶり、公共投資の判断を4カ月ぶりに上方修正した。

 

南アの7月CPIは市場予想よりわずかに上振れ

昨日発表された、南アの7月消費者物価指数(CPI)は市場予想よりわずかに上振れ7.8%まで上昇した。この結果は、2009年5月に8.0%を記録して以来の高水準となった。 CPIの詳細では、年間食料インフレ率は、6月の8.6%から7月に9%まで上昇した。パンとシリアルの価格は、1年前より13.7%高くなっている。6月から7月にかけて、トウモロコシ粉は4.2%、薄力粉は6.3%、マカロニは5.0%、白パンは2%上昇するなど、さまざまな製品で毎月の大幅な値上げが報告された。概ねインフレ高進は予想通りだったこともあり、市場の反応は限定的だったが、ここ最近報じられているようにエネルギー価格や食料品価格が天井を打ったか、否かを確かめる必要がある。このままインフレ高進となった場合は、金利高のランド買いよりも、英国同様に金利高の弊害によるスタグフレーション懸念によるランド売りに要警戒となりそうである。

 

メキシコの8月前半のCPIは上振れ

メキシコ国立統計地理情報院が発表した8月前半の消費者物価指数(CPI)は前年比8.62%上昇、7月の8.06%から加速した。市場予想の8.52%を上回った。変動の大きい品目を除いたコアCPIは前年比7.97%上昇と、市場予想の7.80%を上振れた。前週にはメキシコ中銀のボルハ副総裁が『メキシコ中銀は米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルから切り離すことはできない』と発言した。米金融政策の方向性に追随する可能性が高いことを示唆しましたが、次回の利上げについては『慎重に見極める必要がある』との見解を示しました。

 

ジャクソンホールが『いいとこどり』の修正を迫るリスク:野村証券

野村証券では、8月に入ってからの米株高には、債券市場との齟齬(そご)、賃金を含めたインフレリスクの軽視、世界景気悪化との逆行など、危うさが目立ち始めたと指摘している。ジャクソンホール会議は時期的に、欧米投資家が夏季休暇から戦線復帰し、新しい相場テーマの転機となりやすいことから、今年の場合は、株式市場の『いいとこどり』が修正を迫られるリスクがあるとみている。日本株の調整リスク要因として、 (1) 需給面での脆弱さ、(2) 景気・金利シナリオに対する主要国株式市場における『いいとこどり』の様相、(3) 米国家計における『超過消費』への反動―を挙げており、『米景気悪化、FOMCは来年にも利下げ』をメーンシナリオとしている。メーンシナリオにおいては『ディフェンシブ・リオープン』の観点を重視しており、セクターでは運輸、不動産、医療機器、酒類・飲料の推奨を継続している。

 

今後求人はさらに減少すると予想される:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは24日付リポートで、米企業で採用凍結の動きが相次ぐ中、求人数は未だ記録的な水準で高止まりしている点に着目して、『職位の数のさらに大きな減少を隠しているのではないかという問題を提起する』と指摘した。米リンクアップの掲載データと、企業により公表された雇用計画を照合して調査を進めたところ、『レイオフ、雇用凍結、または雇用の減速を発表した企業は、ここ数ヵ月で求人情報を40%減らしており、採用計画の変更を発表していない企業の13%減よりも大幅に減っていることが分かった。また、求人情報は通常、発表から数週間以内に減っていた』という。発表から雇用計画が修正されるまでのラグを考慮すると、最近の採用凍結の動きが今後の米雇用動態調査(JOLTS)にますます反映されることになるとも指摘した。米PWCコンサルティングが行った調査では、47%の企業が全体の人員削減を検討しているか、計画しているといい、『求人数はさらに減少すると予想される』との見解を示した。

 

米新車価格は8月は過去最高の634万円の見通し

米自動車調査会社JDパワーは24日、米国の8月の平均新車販売価格が過去最高の4万6259ドル(約634万円)に達する見通しだと発表した。旺盛な需要が寄与すると分析した。7月の平均販売価格は4万6173ドルで1年前の4万1000ドルから大幅上昇した。

 

バイデン米大統領は最大2万ドル学生ローン減免

バイデン米大統領は学生ローン負担を軽減する包括的措置を発表した。年間所得12万Ⅾ0ドル未満の独身と25万ドル未満のカップルを対象に学生ローンを1万ドル減免、一部の連邦補助受給者は最大2万ドル免除する

 

米国市場では4-6月期国内総生産改定値が公表:予想は前期比年率-0.9%

参考となる速報値は前期比年率-0.9%だった。個人消費が大幅に減速したことを、住宅投資や設備投資の減少が要因となった。改定値は設備投資や個人消費の数値が大幅に改定された場合、改定値も修正される可能性がある。個人消費は上方修正される可能性があるため、改定値は上方修正される可能性は残されている。

 

欧米市場イベント

○15:00   4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比横ばい/前年同期比1.4%)
○15:00   4-6月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比1.5%)
○15:45   8月仏企業景況感指数(予想:101)
○17:00   8月独Ifo企業景況感指数(予想:86.8)
○18:30   7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比2.0%/前年比17.6%)
○20:00   4-6月期メキシコGDP確定値(予想:前期比0.9%/前年比2.0%)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月21日分)
○21:30   4-6月期米GDP改定値(予想:前期比年率▲0.8%)
           個人消費(改定値、予想:前期比1.5%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比4.4%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:25.3万件/144.2万人)
○26日02:00   米財務省、7年債入札
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議、27日まで)

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