FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:週末・月末で見送りムードの強い展開

前日の米国株式市場の上昇を好感して、日本株も強い基調を維持したものの、時価より上値の2万8000円前後の水準は重いと意識され、買い一巡は伸び悩む動きとなった。第2四半期の米国内総生産(GDP)が2四半期連続で縮小したことを受け、FRBが一部の想定ほど積極的に利上げを行う必要はないとの観測が広がった。外国為替市場でドル/円相場が円高に振れており、これが輸出関連株を中心に株価の圧迫要因になった。また、週末・月末で新規のポジションが取りにくく見送りムードが強まった。結局、前営業日比13円安の2万7801円と3日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:午後は持ち高調整のドル売りで下値模索の展開

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、134.70円付近へ上昇した。しかし、27日に行われたパウエル米FRB議長の会見で、将来的な利上げペースが鈍化する可能性が示唆されたこともあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、週末を控えて持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、134円台前半へ押し戻された。午後に入ると、ドル/円は下値模索する展開となり、継続的にストップロスのドル売り・円買い注文を巻き込みながら一時132.78円付近まで急落して6月中旬以来の安値をつけた。前日に発表された4~6月期米国内総生産(GDP)が2四半期連続のマイナス成長となり米国のリセッション入りが警戒されていることもドルの押し下げにつながった。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、133.00円付近へ値を切り返す荒い値動きとなった。ユーロ/ドルは、米国の景気減速を警戒したドル売りが優勢となり、1.01ドル台後半から1.02ドル台前半へ水準を切り上げた。

 

欧州市場では4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値:予想は前年比+3.4%

1-3月期実績値は前年比+5.4%です。ウクライナ戦争の影響が表面化していなかったことから成長率はプラスを維持した。4-6月期については、エネルギー価格の高止まりや供給制約状態が続いていることなどが域内経済を圧迫した。ユーロ圏の製造業とサービス業PMIは伸び悩んでいることから、域内の経済成長率は鈍化する見込みとなった。

 

ドイツのインフレ率はピークに達した可能性:IFO経済研究所

ドイツのIFO経済研究所は28日、値上げを計画している国内企業の比率が7月に3カ月連続で低下したとし、インフレ率がピークに達した可能性が高いとの見方を示した。
IFOの予測部門トップ、ティモ・ボルマーショイザー氏は「『物価は今後も上昇する可能性が高いが、上昇ペースは鈍化するだろう』とし、企業の価格見通しが消費者物価に反映されるまで通常数カ月かかると述べた。『インフレ率は恐らくピークに達した。下半期は緩やかに低下するだろう』と述べた。今後3カ月で値上げを計画している企業の比率を示す指数は7月に47.4で、6月の52.9、5月の57.8から低下した。6月のドイツのインフレ率は前年比8.2%に小幅低下した。

 

トルコ中銀のインフレレポートでも金融引き締めの

トルコ中銀は四半期のインフレレポートを発表し、年末のインフレ率見通しを前回の42.8%から60.4%に大きく上方修正した。年末のインフレ予想を大幅に引き上げたトルコ中銀は、今年秋に物価上昇率は一時90%に迫ることも見込んでいる。2023年末見通しについても、従来予測の12.9%から19.2%に変更した。これまで中銀はインフレ圧力を過小評価する傾向にあった。今回出した年末見通しでも、70%付近の民間予測からはまだ開きがある。ただ、中銀が現実を受け入れる方向に変わりつつある、という期待感も出てきた。しかしながら残念なのは、レポートでは、エネルギーなどの商品価格が正常化すればインフレも緩むとの楽観的な見方も示している。加えて、金融政策の中心としている『リラ化戦略』はうまくいっているとの自己評価だった。トルコ政府も望むリラ化戦略とは、トルコに住む人々がリラで貯蓄や借入、ビジネスを行い、輸出を拡大することで同国経済が成長することだとされている。いずれにせよ、今回のレポートでも金融引き締めに転ずる雰囲気は全く感じられず、外国人投資家にとってはリラの保有しづらさは続いている。

 

南アのインフレ高進はとどまるところが無い

昨日発表された6月の南ア卸売物価指数(PPI)は前月比+2.1%で市場予想の+1.7%を上回った。しかし、先週消費者物価指数(CPI)が出たばかりということもあり、PPIでの反応は限られました。もっとも、南アのインフレ高進はとどまるところが無いともいえる。

 

4-6月2期連続マイナス成長で米景気後退

米商務省が28日発表した米4-6月期実質GDP速報値が前期比年率-0.9%と2期連続のマイナス成長となり所謂『テクニカルリセッション』(景気後退)へ陥落した。約40年半ぶり高水準のインフレ抑制でFRBが6-7月連続で0.75%の大幅利上げに踏み切り、住宅や企業の設備投資にブレーキがかかった。米1-3月GDPは貿易赤字が響き前期比年率-1.6%のマイナス成長だったが、4-6月期の事前予想は+0.3%とプラス成長に戻ると見られていたが、2期連続でマイナス成長となった。特に、長期金利の上昇を受けて住宅投資が1-3月の+0.4%から-14.0%の急減となり、6月の着工件数は年率換算で155.9万戸と2カ月続けて前月を下回った。米FRBの利上げに伴い30年固定住宅ローン金利が21年初めの2.7%から22年6月下旬に5.8%に上昇、住宅ローン金利上昇で物件の割高感が強まった。既に、米FRBの3月以降の急速な利上げが需要を冷やし過ぎる『オーバーキル』が懸念されている。

 

欧米市場イベント

○14:30   4-6月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%)
○14:30   6月仏消費支出(予想:前月比▲0.6%)
○15:00   6月独輸入物価指数(予想:前月比0.8%/前年比29.9%)
○15:30   6月スイス小売売上高
○15:45   7月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比6.0%)
○16:00   7月スイスKOF景気先行指数(予想:95.2)
○16:00   6月トルコ貿易収支(予想:82億ドルの赤字)
○16:55   7月独雇用統計(予想:失業率5.4%/失業者数変化1.50万人)
○17:00   4-6月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比0.1%/前年同期比1.7%)
○17:00   4-6月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比1.8%)
○17:30   6月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○17:30   6月英マネーサプライM4
○18:00   4-6月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比3.4%)
○18:00   7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比8.6%)
○18:00   7月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比3.8%)
○20:00   4-6月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.8%/前年比1.4%)
○21:00   6月南アフリカ貿易収支(予想:298億ランドの黒字)
○21:30   5月カナダGDP(予想:前月比▲0.2%/前年比5.4%)
○21:30   4-6月期米雇用コスト指数(予想:前期比1.2%)
○21:30   6月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.9%)
       6月米個人所得(予想:前月比0.5%)
       6月米PCEデフレーター(予想:前年比6.8%)
       6月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.5%/前年比4.7%)
○22:45   7月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:55.0)
○23:00   7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:51.1)

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