FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:心理的節目の2万8000円では利益確定売り

前日の米国株の流れを引き継いで日経平均は朝方からの堅調に推移し、一時2万8000円台を回復した。ただ、心理的節目の2万8000円台を回復した達成感から、上昇一巡後は利益確定売りに押されマイナス圏に沈んだ。また、外国為替市場で一時1ドル=135円台前半まで円高・ドル安が進んだことも輸出関連株を中心に相場の重しになった。しかし、グロース株の買い戻しが活発になり、相場を下支えした。国内企業の決算発表が本格化する中、好決算が相次ぐなど好材料が出れば、2万8000円を超えて上昇する可能性があるとの見方もある。結局、前営業日比99円高の2万7815円と続伸して終了した。7月第3週(19日~22日)の海外投資家(外国人)は1919億円の買い越しとなり、買い越しは2週ぶりになった。個人投資家は5699億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。信託銀行は829億円の買い越しとなり、買い越しは6週連続となった。

 

東京外国為替市場:心理的節目の135円が意識され下げ止まる

ドル/円は、前日に行われたパウエル米FRB議長の会見がタカ派色の後退する内容で、今後の利上げペースが加速しないとの思惑から下値を模索する展開になった。海外勢などがドル売り・円買いを持ち込んで136.40-45円から一時135.11円付近まで急落し、約3週間ぶりの安値をつけた。本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いフローも継続的に観測された。ただ、心理的節目の135円台まで値を持ち直した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、135.30円台を中心に取引された。今晩発表される4-6月期米国内総生産(GDP)速報値を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.02ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀の四半期のインフレレポートを発表

本日はトルコ中銀が四半期のインフレレポートを発表する。インフレ高騰について、トルコ中銀がどの程度まで現状を受け入れているかを読み取ることになる。前回4月に発表された同レポートでは、年末のインフレ見通しが42.8%とされた。1月から倍近くの水準に引き上げたとはいえ、足元で80%に迫る状況の今となっては非現実的な数値と言える。また前回示された2023年末見通しも12.9%と、こちらも上方修正は避けられない。たとえ大幅に年末インフレ見通しが修正されたとしても、エルドアン政権のうちは『トルコ中銀が金融引き締めに舵を切る』ことは期待できそうにない。しかしながら、金融当局がインフレの現実を見つめ直したとなれば、今後の政策スタンスについて『幾分かの期待』を持たせることになるかもしれない。もちろん、中途半端な見通し引き上げや楽観的なレポレート内容となれば、市場の失望に繋がってしまう。

 

南アでは6月のPPIが公表:予想は前年比15.8%

本日は南アの6月卸売物価指数(PPI)が発表される。市場では前年比で15.8%まで上昇するとの予想になっている。大幅な上昇だが、すでに先週消費者物価指数(CPI)が出たばかりということもあり、PPIでの反応は限られるのではないかと思われる。

 

米天然ガスは14年ぶり高値

米国の天然ガス価格が、①猛暑による冷房需要の高まり、②シェール企業の生産伸び悩みと在庫減、③ロシアの欧州向け天然ガス供給削減による欧州ガス急騰、④世界的な供給懸念の高まり—等を背景に急騰し、ヘンリーハブ先物が26日一時100万BTU(英国熱量単位)当たり9.7ドル台と前日比12%高の08年7月以来の高値を付けた。猛暑による冷房需要に加えロシア国営ガスプロムが25日にドイツと結ぶパイプライン『ノルドストリーム』供給量を8割減らすと表明し欧州天然ガスのオランダTTFが26日一時1メガワット時当たり211ユーロ台と前日比20%の大幅高となり米国ガス高に波及した。

 

パウエルFRB議長は利上げ休止を語らず

パウエルFRB議長の会見で印象深かったのは、利上げ休止までの過程について『現時点ではガイダンスはしない』と明言した点だという。これは過去に(特に3、5月会合)ややハト派的とも取れる発言をして、『市場のインフレ期待上昇を招いた経緯があるため』だと推察する。ただ、FOMC後に原油高・インフレ期待上昇で市場が反応した。この流れが明日以降も続くようならば、FRBは『再度利上げ前倒し(≒+75bp利上げ)も含め検討せねばならない』という。そして、来現の雇用統計や物価統計も見極めた上で、『下旬のジャクソンホール会合はそのコミュニケーションの機会となり得る』と述べていた。毎会合の利上げ幅よりも重要なのは、『利上げ到達点(旧志々伎)の議論』だという。市場では、年内3.5%程度で利上げ休止を織り込んでいるが、6月会合時点のドットチャートでは来年末までに上限3.75%までの利上げを明示されていた。次会合以降にこの到達点を3.5%以下へと引き下げるには、現在市場やFRBが想定していない『景気・インフレ面での下方ショックが起こる必要があり、もちろん利下げに転じるにはより大きなショックを必要とする』と述べていた。

 

米国市場では4-6月期国内総生産速報値が公表:予想は前期比年率+0.5%

参考となるアトランタ地区連銀の経済予測モデル『GDP Now』によると7月19日時点で前期年率-1.6%とマイナス成長が予想されている。5月貿易収支や6月ISM製造魚鵜景況指数はさえない内容だったことから、プラス成長でも低い伸びにとどまる可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○15:45   6月仏卸売物価指数(PPI)
○18:00   7月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:102.0)
○18:00   7月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲27.0)
○18:30   6月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.7%/前年比15.8%)
○20:00   6月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.37%)
○21:00   7月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.6%/前年比7.4%)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率0.5%)
       4-6月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率1.2%)
       4-6月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率4.5%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:25.3万件/138.0万人)
○22:00   ビスコ伊中銀総裁、講演
○29日02:00   米財務省、7年債入札

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