FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高を好感して5営業日続伸

過度なインフレ懸念が後退していることに加え、注目の米企業決算が想定よりも悪くないことなどが手掛かりにされ、全面高となった。日経平均は、チャート上の協力な節目として意識されていた6月28日と7月11日に付けた2万7062円のダブルトップを更新したことで、一気に強くへと傾斜した。また、市場では『ノルドストリームの再開をはじめ環境面では複合的に好材料が出て、株価を押し上げた』との声があり、地合いは急速に強い基調に変化した。結局、前営業日比718円高の2万7680円と5営業日続伸となり6月10日来の高値となった。

 

東京外国為替市場:138.00円を挟んだもみ合い相場

ドル/円は、FRBによる1.00%の大幅利上げ観測が後退していることで、持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、137.90円付近へ下落した。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて本邦輸入勢のドル売り・円買いも通常より多く観測された。ただ、日米金融政策スタンスの違いが意識されているため、下値を追う動きは限られた。その後は、内外株高を好感したドル買い・円売りも見られ138.10円台へ値を切り返した。午後のドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて138.00円を挟んでもみ合いとなった。翌日の日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、この後に参入してくる欧州勢待ちの様相を呈しており、1.023ドル台を中心とする狭いレンジ取引された。

 

6月の公社債投資家別動向:海外勢の売り越し13年8ヵ月ぶりの大きさ

日本証券業協会が20日に発表した6月の公社債の投資家別売買動向(短期証券を除く)によると、海外勢は国内債を3ヵ月ぶりに売り越した。売越額は2兆2433億円と、リーマン危機時の2008年10月(2兆3992億円)以来、13年8ヵ月ぶりの大きさである。日銀の金融政策修正への思惑が一部で広がり、国内債を売る動きにつながった。内訳をみると、長期国債や超長期国債の売り越しが目立った。長期国債の売越額は4兆5839億円と、5月(1489億円)から急増した。国内金融機関では、都市銀行が6ヵ月ぶりに売り越した。売越額は1兆2064億円と、売越額は21年12月以来の大きさだった。信託銀行は4ヵ月ぶりの売り越しで、売越額は1兆2689億円と16年3月以来の大きさだった。の輪形金融機関は8343億円の買い越し、生損保は3421億円の買い越しだった。

 

暗号通貨業界で広がる人員削減:米WSJ

最近まで暗号通貨(仮想通貨)業界は金融界のスターだった。機関投資家や個人投資家が大量の資金を注ぎ込む中、急成長の恩恵にあずかろうと優秀な人材が殺到していた。だが現在、暗号通貨の急落で業界の運命はほぼ一夜にして暗転し、関連企業は人員削減を余儀なくされている。コインベース・グローバルやジェミニ・トラストなどの米大手暗号通貨取引所は、リスクやコンプライアンス部門などで人員削減に踏み切っている。金融サービス機関では、景気減速局面でコンプライアンス部門における人員削減は珍しくないが、これはコンプライアンスが収益部門ではなく、コスト部門だと考えられているためだ。コンプライアンス専門家は、米国の規制当局が引き続き暗号通貨業界に監視の目を強めているため、関連企業がコンプライアンス部門の人員削減に踏み切れば、規制や風評に関するリスクを抱えることになると指摘する。

 

ECBが50bp利上げ検討との報道:JPモルガンは25bp利上げ予想を維持

21日にECB定例理事会を控える中、ロイターは19日『ECBは25bpの利上げか、50bpの利上げを検討する見通し』と報じた。ECBは当初、7月は25bpの利上げを行い、9月に利上げ幅を拡大するシナリオを描いていたというが、ラガルド総裁は6月の講演で漸進主義が不適切な状況になっていると指摘した経緯があるという。JPモリガンは19日付のリポートで『この報道は21日の決定にさらに不確実性を加えるが、我々は25bpの利上げ予想を維持する。ECBがこの種のサプライズに嫌悪感を示していることに加え、50bpの利上げを議論すべきだという少数のタカ派の意見が報道に反映されている可能性があると考える』との見解を示した。

 

トルコのインフレ率は年末に向けて緩和予想が多い

昨日は、仏大手銀行ソシエテ・ジェネラルの予想『年末までに、リラは対ドルで22リラまで下落』が市場で話題となった。インフレ高騰にもかかわらずトルコ中銀は金融政策を引き締めることができないため、リラ弱気派の勢いが増すばかりである。一部通信社のアナリスト調査では、トルコのインフレ率は第4四半期に緩和するとの予想が多い。ただそれでも前年比70%程度と見られており、トルコ経済への負担は重いままリラの買いづらさも続く。なお昨日のトルコ露首脳会談では、ウクライナの穀物輸出について話し合われたが、より重要な停戦については協議されなかった ようである。

 

南アの6月消費者物価指数に注目:市場予想は7.2%

本日のランド/円は、南アフリカの6月消費者物価指数(CPI)が注目される。5月CPIは市場予想を上回る6.5%上昇となった。この結果は2017年1月以来の高い水準だったが、当時の政策金利は6.6%だった。6月は更にインフレ高進が見込まれ、市場予想は7.2%程度となっている。もし予想を上回るようなら、明日の南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)で0.50%を超える利上げ予想に市場が傾くことも考えられる。インフレ高進による景気停滞などのリスクはあるが、対円ではSARBと日銀の金融政策の方向性の違いでランド買い円売りに動くかもしれない。

 

米住宅市場に減速の兆し

米住宅市場に減速の兆しが見られる。米住宅産業協会(NAHB)が発表した7月NAHB住宅市場指数がパンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で最低を記録したことに続き米商務省が発表した6月住宅着工件数は前月比‐2%の155.9万戸と予想158.0万戸を下回り、昨年9月来で最小となった。住宅建設許可件数は前月比-0.6%の168.5万戸と、予想を上回ったものの昨年9月来で最小。建設許可件数は2006年来の高水準に達したのち、値ごろ感の急速な悪化に伴い減少傾向にある。重要項目である一戸建ての着工件数や許可件数が大幅減少しており、住宅市場の減速の証拠となった。

 

欧米市場のイベント

○15:00   6月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比9.3%)
○15:00    CPIコア指数(予想:前年比5.8%)
○15:00   6月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.8%/前年比11.8%)
○15:00   6月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比1.3%)
○17:00   6月南アフリカCPI(予想:前月比0.8%/前年比7.2%)
○17:00   5月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   6月カナダCPI(予想:前月比0.9%/前年比8.4%)
○21:30   6月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.5%)
○21:30   6月カナダ原料価格指数
○23:00   6月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲0.9%/年率換算536万件)
○23:00   7月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲24.9)
○23:30   EIA週間在庫統計
○21日02:00   米財務省、20年債入札

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