FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外勢からの先物への買戻しが先導

米中貿易摩擦を巡る新たな悪材料が出なかったことで、半月間に空売りしていた海外ヘッジファンドなどからの先物への買戻しが広がり現物株の裁定買いを誘発して上げ幅を広げた。結局、前日比190円高の2万2601円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:パウエル米FRBの講演控えポジション調整の動き

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられて一時111.48円まで上げた。前日にジョージ・カンザスシティ連銀総裁が『トランプ大統領の利上げ批判は、金融当局の政策判断に影響しない』との見解を示したことも、引き続きドル買い要因となった。しかし、米中貿易摩擦のさらなる激化が警戒されていることから、上値では利益確定売りなども見られ、111.40円前後でもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら111.40円前後で取引された。パウエル米FRB議長の講演を控えて様子見ムードが強く、積極的な売り買いは見られなかった。ユーロ/ドルは、前日の海外市場で下落した反動から利益確定やポジション調整のユーロ買い・ドル売りが入り、1.15ドル台半ばから1.15ドル台後半へレンジを切り上げた。

 

9月の米国株相場は?

相場格言では『Sell in May,and go away;don’t come back until St Leger day』と『5月に売ってLeger day(9月第2土曜日)まで戻って来るな』とあるとおり5月から9月は弱い期間とされるが、年末高のシナリオに基づくなら押し目買いの機会となる。ただ、今年は秋に中間選挙を控えている。1950年以降、中間選挙がある都市の9月は弱いジンクスがある。NYダウは11回下げ、平均1.0%安を記録した。S&P500は9回下げて、平均0.4%安、ナスダック指数は1971以降で7回下げ、平均0.8%安となった。また、9月は歴史的な事件が多いためNYダウの下落率が大きいことも留意される。2001年は米同時テロが起きて11.1%安、2008年はリーマンショックで6.0%安、2011年には米国の債務上限問題が警戒されて6.0%安となっている。

 

パウエル米FRB議長講演の注目点

24日にパウエル米FRB議長が講演を行う。金融政策の方向性が示されることもあり、市場での注目度は高い。ただ、直近のFOMC議事要旨でも9月の利上げが示唆されていることから、当面の政策についてはサプライズはなさそうだ。講演内容では、①米国の利上げに伴う金利上昇が新興国経済や通貨に与える影響と、②米中貿易戦争の経済やインフレに与える影響で、これらについて議長がどの程度警戒を示すかが注目されている。

 

米中貿易摩擦懸念は今後も相場の重石

米中貿易摩擦の激化や長期化への懸念が引き続き相場のの重石となる。米中は23日、相互に160億ドルの輸入品に対する追加関税を発動した。トランプ米生計はさらに2000億ドル分の制裁関税を検討しており、これに中国も報復する構えを示している。一方、22日から始まった米中次官級協議は終了した。米ウォルターズ副報道官は声明で『公正で均衡の取れた、互恵的な経済関係を築く方法を意見交換した』と説明し、知財侵害や過剰な補助金政策など『中国の構造問題への対処』を話し合ったとした。ただ、具体的な成果に関する言及は見られず、今後も対話を続けるかは明らかになっていない。米中の対立緩和は依然として見通せない状況となっている。

 

米国市場では7月の耐久財受注が公表

7月分ではISM製造業景況指数の『新規受注』が60.2となり、前月の63.5から減速した。通商摩擦の不透明感や新興国など世界経済減速懸念、ドル高などで受注関連は踊り場鈍化が警戒される。参考となる6月実績は、前月比+0.8%で市場予想を下回った。輸送用機器を除く数字は+0.2%で5月実績を下回った。企業の設備投資を表す民間航空機を除く非国防/除航空機は+0.2%で市場予想を下回った。7月については輸送用機器をのぞく受注は増加すると見られているが、全的には6月実績に近い数値にとどまりそうだ。

 

欧米イベント

○15:00  4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.5%/前年同期比2.3%)
○21:30  7月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.5%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○22:00  4-6月期メキシコGDP確定値(予想:前期比▲0.1%/前年比2.7%)
○23:00  パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ジャクソンホール会議で講演
○米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議、25日まで)
○トルコ(犠牲祭)、休場

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