FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:世界的に景気後退への警戒感が強まり株価の重し

日経平均株価は寄り付きはプラス圏でスタートしたが、徐々に上げ幅を縮小してマイナス圏に沈み、下げ幅を拡大した。各主要中銀が利上げを進める中、市場では景気後退への警戒感が高まっており、株価の重しとなった。前場引け時点からドル/円の下落が一服しているほか、米株先物が小じっかり推移し、投資家心理を支えた。ただ、持ち直しの動きに勢いはなかった。結局、前営業日比191円安の2万5771円と続落して終了した。5月12日以来のおよそ1ヵ月ぶりの安値水準となった。

 

東京外国為替市場:利益確定やポジション調整のドル売りがやや優勢

ドル/円は、日欧金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが先行、135.44円付近まで上昇する場面があった。しかし、15日に付けたおよそ24年ぶりの高値135.59円が視野に入りすると上げは一服した。その後、急ピッチの上昇に対する警戒感から、利益確定やポジション調整のドル売り・円買いに押され、135円台を割り込んで134.65円付近まで下落した。日経平均株価の下げ幅拡大で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いを誘った。午後に入ると、日経平均株価の下げ幅縮小を睨みながら、値を切り返して134.90円台を中心とする狭いレンジで推移した。本日の米国市場は奴隷海保記念日(ジューンティーンス)で休場となるため、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、米FRBの金融引き締め加速で、米景気減速を警戒したユーロ買い・ドル売りが入り1.053ドル付近へじり高となった。

 

今回の選挙ではサプライズが生じる余地は極めて限定的=UBS証券

22日に参議院選挙が公示され、7月10日に投票日を迎える。USB証券は20日付のリポートで『岸田政権の支持率は高く野党の支持率は低いことから、与党が過半数を維持する可能性が高い』としながら、『市場への影響という点では少なくとも当面は、今回の選挙と政局からサプライズが生じる余地は極めて限定的』との見解を示した。与党が過半数を獲得し、その後2025円まで主要戦況はなく岸田政権があと3年間続くことになるとみていたが、内閣改造や選挙後への経済政策への関心は示していいなかった。

 

トルコのポジティブなニュースを見つけるのが難しい状況

23日のトルコ中銀金融政策委員会(MPC)の結果発表を待つことになる。トルコにとってポジティブなニュースを見つけるのが難しい状況は続いており、上値の伸びは先週同様に限られてしまう。トルコの足もとの公式インフレ率は73%を超えているが、米ゴールドマン・サックスは先週、80%程度まで加速するとの予測を示した。経済学者などで運営されている民間の調査機関が実際のインフレ率は150%超えと訴えているなかで、ゴールドマンの予想はそれほど驚きではないと言えるかもしれない。その他に注目されるのが、サウジアラビアの事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子のトルコ訪問である。中東・アラブの雄サウジとの関係改善がもし急速に進むようであれば、豊富なオイルマネーのトルコ流入も期待できまる。サウジとしても、リラ安の時期に労働水準が高いトルコへの投資はチャンスだと捉えるかもししれない。ムハンマド皇太子の訪トルコは22日に予定されている。

 

南アの5月CPIに注目集まる:予想上回れば利上げ幅拡大予想も

南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)は7月まで予定されていないが、市場ではすでに0.5%の利上げは織り込み済みとなっている。その中で注目されるのが、22日に発表予定の5月消費者物価指数(CPI)である。4月は5.9%となり、コア指数も2019年11月以来となる3.9%になった。米連邦準備理事会(FRB)や他の中央銀行が利上げ幅を拡大していることもあり、CPIが予想を上回った場合は、7月に向けてSARBの利上げ幅拡大予想も高まり、ランド/円の支えとなる。

 

メキシコ大統領がサマータイム廃止法案を提出

メキシコのロペスオブラドール大統領は16日、議会にサマータイム廃止法案を提出した。背景としては、サマータイムによる節約効果はわずかであり、それよりも変更に伴う健康への害が大きいと述べている。内務省が先日行った電話調査では市民の71%がサマータイム廃止に賛成しているとのことである。来週中にもこの調査の詳細を明らかにする。サマータイム廃止による株式市場やインフレへの影響は小さいとされており、市民調査の結果にも出ているように国民は年に2回時計の時間を変更する作業を煩わしく感じており、廃止を望んでいると大統領は自信を示している。

 

米経済のリセッション入り確率を引き上げ:WSJ

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が実施した調査によると、エコノミストらは米経済が今後12カ月の間にリセッション(景気後退)入りする確率を44%へと大幅に引き上げた。これは通常、リセッション入り直前もしくはリセッション中でなけれな見られない水準だ。WSJが2005年に同様の質問を開始して以来、リセッション入り予想が44%に達したことは実際の景気後退期以外ではほぼない。2007年から09年まで続いたリセッションが始まった07年12月の時点では38%だった。また直近の景気後退期が始まった20年2月も26%にとどまっていた。エコノミストらはリセッションの確率を引き上げた要因として、借り入れコストの上昇や猛烈な物価上昇のペース、サプライチェーン(供給網)の問題、そしてウクライナでの戦争によるコモディティー(商品)価格への影響などを挙げている。

 

FRBが金融政策報告書発表:無条件に物価安定を

FRBは半期ごとに議会に提出する金融政策報告書を公表した。物価安定化の取り組みに『条件はない』と明記し、記録的なインフレの抑制に必要なあらゆる手段を講じる考えを示している。報告書は『力強い労働市場の維持には物価安定を取り戻すのが必要』と強調した。高インフレが『生活必需品の価格上昇への対応がもっとも難しい人々にとりわけ著しい困難をもたらしている』としていた。

 

欧米市場イベント

○未定   6月月例経済報告
○15:00   5月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比1.5%)
○16:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○16:30   ビスコ伊中銀総裁、講演
○17:00   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○17:15   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○18:00   4月ユーロ圏建設支出
○22:00   マン英MPC委員、講演
○22:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21日01:45   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○21日04:30   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
米国(ジューンティーンス独立記念日の振替休日)、休場

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