FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安で輸出関連株がけん引となり買い優勢

前日のNYダウは反落したが、ナスダックが5日続伸しハイテク株が堅調推移したことが投資家心理を支えた。また、1ドル=110.80円近辺への円安を受けて輸出企業の採算悪化懸念が和らぎ主力株中心に買いが優勢となった。上海総合株価指数もプラス圏に回復したことも買い安心感につながった。結局、前日比48円高の2万2410円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:総じてドル買い優勢も111.00円が意識される

ドル/円は、ターンブル豪首相に反発する閣僚の辞任が相次いだことを嫌気した豪ドル売り・ドル買いが波及しじり高となった。日経平均株価の上げ幅が一時100円を超えたことも、円売りを誘った。午後もこの流れは続き、110.93円近辺まで小幅に値を上げた。ただ、心理的節目となる111.00円が意識されると、利益確定売りもみあられ、110.90円を挟んでもみ合い相場となった。トランプ政権は13時過ぎに、予定通り160億ドル相当の中国製品に対して25%の制裁関税第2弾を発動した。これに対して中国も対米へ報復関税を発動するなど、貿易摩擦は激化しているが、為替相場への影響は限定的だった。ユーロ/ドルは、短期筋による利益確定などのユーロ売り・ドル買いが午前で一巡したこともあり、1.15ドル台半ばで方向感の乏しい展開となった。

 

欧州市場ではマークイット8月ユーロ圏製造業PMIが公表

7月の改定値は55.1だった。新規受注指数は6月と同水準となった。将来の算出を示す指数は62.4で6月の60.7から上昇したが、景気拡大を示唆する数値ではないと見られている。8月については、7月改定値をやや上回る可能性があるものの、製造業の各種指数の先行観は後退しつつある。

 

7月31-8月1日分のFOMCが議事録を公表について

この中で、多くの高官が『もし、指標が見通しを後押しする結果となった場合、比較的すぐに追加利上げが適切となる可能性が強い』と見ており、FOMCが9月に追加利上げに踏み切る用意があることを明らかにした。同時に、貿易、住宅、新興諸国市場を下方リスクとして挙げた。全般的に持続的な経済活動の拡大、強い労働状況、インフレが目標である2%に近づいたことに連動し、政策金利をさらに緩やかに引き上げると見込んでいる。少数のメンバーが2%のインフレが持続すると自身をより強めたことも明らかにした。他の数人は、経済が過熱し、インフレを加速させ、金融不均衡または、結果として景気後退をまねくとの懸念を表明した。『金政策は指標次第』とするFRBは、9月、おそらく12月にも利上げを実施する可能性が強い。また、FRBは緩やかに政策金利を引き上げており、近く『金融政策は依然緩和的』との文言を声明から咲く上する意向を示した。

 

中国向け追加関税は共和党『マザーの反乱』に配慮する必要性も

米中『貿易戦争』激化への懸念材料は第3弾としての2000億ドル25%の追加関税の是非であり、トランプ大統領の発言などを受けて懸念が強まったり、弱まったりしている。22-23日の米中通商交渉の事務レベルの協議再掲を控え、米中『貿易戦争』が緩和するとの期待からリスク選好ムードも高まっている。トランプ政権は8月中の議会公聴会の結果を受け9月にも2000億ドル25%の追加関税の発動を検討していたが、米中『貿易戦争』のエスカレートによる生活必需品の値上げに怒る共和党『マザーの反落』に配慮し、発動の是非を中間選挙後に先送りする可能性が出てきた。

 

米中間選挙次第でトランプ大統領の弾劾の可能性も

2016年の大統領選挙でのロシア疑惑が再燃したため、ドルの上値を引き続き抑制することになる。トランプ大統領の個人弁護士マイケル・コーエン氏や大統領のマナフォード元選対部長に有罪判決が下されたことは、2016年米大統領選のロシア関与疑惑を総裁するロバート・ムラー特別警察官の勝利と見られている。11月に実施される中間選挙で、民主党が下院の議席を勝ち取った場合、トランプ大統領の弾劾を求める可能性も除外できない。そうなった際、トランプ大統領が掲げてきた経済政策が滞ることになり、経済の成長も停滞に転じると考えられる。

 

欧米イベント

○15:00   4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○15:45   8月仏企業景況感指数(予想:107)
○16:15   8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.4)
○16:15   8月仏サービス部門PMI速報値(予想:55.1)
○16:15   4-6月期スイス鉱工業生産指数(予想:前年同期比7.5%)
○16:30   7月スウェーデン失業率(予想:5.8%)
○16:30   8月独製造業PMI速報値(予想:56.5)
○16:30   8月独サービス部門PMI速報値(予想:54.3)
○16:30   バイトマン独連銀総裁、講演
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:55.0)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.4)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月26日分)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万5000件)
○22:00   6月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
       4-6月期米住宅価格指数
○22:45   8月米製造業PMI速報値(予想:55.0)
○22:45   8月米サービス部門PMI速報値(予想:55.9)
○22:45   8月米総合PMI速報値
○23:00   7月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.2%/64万5000件)
○23:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲0.7)
○米中事務次官級通商協議(最終日)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「変化する市場構造と金融政策への影響」(ワイオミング州ジャクソンホール、25日まで)
○トルコ(犠牲祭)、休場

 

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