FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:2万8000円を意識して上値の重い展開

日本株は軟調なスタートだったが、売りが一巡した後は上値追いに転じた。外国市場で円安が進んだことが、輸出関連株や国内回帰の読みからの設備投資関連株などの買いにつながった。また、週末にメジャーSQ算出を控えるため、需給の思惑も生じやすいほか、2万8000円は重いというイメージがあるとの声が聞かれる中、堅調な地合いを維持した。約2ヵ月ぶりに節目の2万8000円を上回る場面もあったが、次第に利益確定売りなども出て上値が抑えられた。結局、前営業日比28円高の2万7943円と3営業日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金融政策の違いを意識した円売り優勢

ドル/円は、米長期金利上昇や日経平均株価の上げ幅拡大を眺めて132.75円まで値を上げた。黒田日銀総裁が参院財政金融員会で『イールドカーブ・コントロールを軸とする強力な金融緩和を続ける』と発言したことも円売りにつながった。その後、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、132.60円付近へ緩んだ。午後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが再燃、一時132.95円付近まで上昇して2002年4月以来の高値を更新した。ユーロ/ドルは、1.06ドル台後半で小動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となった。

 

トルコ大統領は利上げの可能性を否定

トルコのエルドアン大統領は6日、激しいインフレ高進に見舞われる中でも利下げを継続する方針を明確に示した。大統領はアンカラでの閣議後、『現政府が利上げすることはない。引き続き利下げしていく』と言明した。ネバティ財務相もまた、インフレ抑制のために金利引き上げ措置を講じるよりも、経済成長の促進を優先すると発言した。インフレ高騰やリラ安は見逃す方針を示している。なお一部通信社は昨日、トルコ中銀が市中銀行に対し、スワップ取引の担保の45%以上をリラ建てにすることを要求したと報じている。正式には発表されていないが、リラ建て資産の比重を高める措置は24日から行われる。どの程度の効果があるか、今後見極める必要がある。

 

南アでは1-3月期の国内総生産の発表:反応は限定的

本日は1‐3月期の南ア国内総生産(GDP)が発表される。本来ならば市場が動意づく指標だが、ここ最近発表された他国のGDPでの市場の反応は非常に限定的だった。1‐3月期と4-6月期では各国の経済情勢が大幅に変わってきていることで、遅行指標への反応は限られてしまうことになる。

・18:30 1-3月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比1.2%/前年同期比1.7%)

 

インフレ指標次第ではメキシコ中銀による金融引き締め強化の思惑

今週はペソ高の背景として最も主軸の材料となるインフレ、その最新指標が9日に発表される。先週のメキシコ中銀による四半期インフレリポートではインフレのピーク値が上方修正され、中銀目標に戻ってくる時期を後ずれさせるなど、インフレ見通しを変更したことでよりタカ派的な措置を取るのではとの期待感が高まっている。今週発表のCPIは先月とほぼ変わらない前年比+7.60%台での予想となっているが、中銀のインフレピーク予測値が+7.6%であるため、この水準よりも超えてくるような結果だったとすると、中銀の予測が甘く、さらなる金融引き締め措置への思惑も高まる。原油相場にしても、欧州連合がロシア産石油の輸入禁止を年内には実行することで話は進んでおり、ロシアが生産しなくなった場合にサウジアラビアが増産するなどの報道が伝わっているが、これで現在の異常な需給ひっ迫懸念を後退させるには弱く、まだまだ原油高を見込む声が多いこともペソの追い風となる。

 

米長短期金利差縮小一服でドル高・円安を支援

米国債市場の中長期スパンでは昨年末以降、先行きの米景気後退懸念などから長短金利差(10年債-2年債)が急縮小してきたが、ここに来て縮小が一服となってきた。
前週は米ISM製造業景況指数や雇用統計などが改善となったが、短期の2年債金利は「当座の利上げ織り込み進捗」などもあって上げ渋りとなっている。かたや10年債金利は米国経済の打たれ強さや根強いインフレ上昇圧力などが意識され、小幅ながらも上昇となった。結果、10年債-2年債の長短金利差は僅かながらも10年債優位へと拡大し、同金利差の13週移動平均は方向角度が上向き化へと向かい始めた(金利差拡大方向)。まだ定着を見極める必要があるが、過去に長短金利差の縮小が一服となった局面では、先行きの米景気回復期待や米10年債金利の上昇余力などが意識され、ドル/円はドル高・円安が支援されている。

 

米国では価値観を巡る大きな分断があるとの見方:WSJ

米国民の間で国内経済について悲観的ムードが強まっているほか、最も重要な価値観を巡り大きな分断があるとの見方が広がっていることが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とシカゴ大学全国世論調査センター(NORC)が共同で実施した調査で明らかになった。調査では、経済に対する不満感がこれまでになく高まっていることや、経済の現状だけでなく、米国の政治システムや世界のリーダーとしての役割、アメリカンドリームの実現を手助けする能力などについても悲観的な見方が広がっていることが判明した。調査では83%が景気の現状を『悪い』あるいは『あまり良くない』と回答した。自身の経済状況に関する質問では、『全く満足していない』と回答が35%に達し、NORC1972年に総合的社会調査(GSS)の一環としてこの質問を始めてから最も高い水準となった。今回の調査の誤差率はプラスマイナス4ポイント。

 

米国市場では4月貿易収支が発表:予想は▲887億ドル

3月実績は、▲1098億ドルと赤字はばは過去最大を記録した。輸入が過去最高の伸びになったことが要因となった。4月については、輸入品に対する一定の需要が存在していること、輸入品で在庫を補填している企業はまだ多いことから、貿易赤字は3月実績との比較で縮小する可能性が高いが、高水準の赤字が当面続くとみられる。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月独製造業新規受注(予想:前月比0.3%/前年同月比▲4.1%)
○17:30   5月英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:51.8)
○18:30   1-3月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比1.2%/前年同期比1.7%
○21:30   4月カナダ貿易収支(予想:29.0億カナダドルの黒字)
○21:30   4月米貿易収支(予想:895億ドルの赤字)
○23:00   5月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:00   ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○8日02:00   米財務省、3年債入札
○8日04:00   4月米消費者信用残高(予想:350億ドル)

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