FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米株先物の下落につれて下げ幅拡大

23日の米国株は大幅高となったが、下方修正を発表した写真・動画共有アプリを展開するスナップが時間外で急落し、米株先物にもネガティブな影響が及んだことから、強弱材料が相殺して寄り付きは一桁の上昇した。しかし、すぐに下げに転じると、そこからはマイナス圏での推移が続いた。26900円近辺でいったん切り返した後、改めて売り込まれて下げ幅を拡大した。26800円は割り込まずに戻りを試しに行ったが、26900円より上が重く、3桁の下落で前場の取引を終えた。米スナップの時間外の急落が今晩のナスダックの大幅安を連想させたことから、グロースコア指数が大幅下落した。結局、前営業日比253円安の2万6748円と3営業日ぶりに反落した。

 

東京外国為替市場:日本株下げ幅拡大で全般リスク回避の円買い優勢に

ドル/円は、米株価指数先物や日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いが先行し、127.65円付近へ値を下げた。その後、本邦輸入勢のドル買い・円売りや低下していた米長期金利が持ち直したことに支えられ、128.08円付近まで上昇する場面があった。しかし、米景気の減速に対する根強い懸念から、次第に利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押される展開となり、127.70円付近へ下落した。午後に入っても軟調地合いは続き、日経平均株価が下げ幅を拡大すると、さらにドル売り・円買いが進んで127.54円付近までじり安となった。ただ、今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、127.60円前後で取引された。ユーロ/ドルは、1.0660ドル台で方向感を欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ヘッジファンドが米国株を大幅売り越し:BofA

BofAセキュリティーズの24日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は16~20日の1週間に米国株を13億9300万ドル買い越し、5週連増の買い越しとなった。この週は、ウォルマートやターゲットなど米小売企業の弱い決算が嫌気され、S&P500指数が週間で3.04%安となって7週連続で下げた時だった。主体別動向では、ヘッジファンド(HF)が21億6600万ドルの売り越しで4週ぶりの大幅売り越した。機関投資家は3億2700万ドルの小幅買い越しで、3週ぶりに買い越しに転じた。個人投資家は10億9700万ドルの買い越しで、2週ぶりの買い越しとなった。企業の自社株買いは21億3600万ドルで4週移動平均線(18億7200万ドル)を上回って好調だった。下げ相場が続く中、HFが大幅売り越しとなったほかは押し目買い意欲が示唆された。全体としては個別株・上昇投資信託(ETF)共に買い越しで、5週連続の買い越しとなったが、企業の自社株買いの要因を除けば個別株は売り越しだった。

 

欧州市場ではユーロ圏5月S&Pグローバル製造業PMIが公表:予想は55.0

参考となる4月実績は55.5だった。原材料の調達に苦慮したほか、物価の急騰と景気見通しへの懸念から需要が鈍化したことが要因。5月については、ロシアのウクライナ侵攻や中国の都市部などにおける都市封鎖措置の影響が残されており、数値の改善は期待できない。

 

トルコの5月市場参加者調査:インフレは高止まりの見通し

トルコ中銀は昨日、5月の市場参加者調査を発表した。経済団体や金融機関などへの聞き取り調査で注目の『インフレ見通しの中心値』は、年末が57.92%と前回46.44%から大きく上振れた。また1年後は33.8%(前回28.41%)のインフレ率が見込まれている。さすがに足もとの約70%からは物価上昇は緩むと期待されているが、実質金利の大幅マイナスからの脱却には程遠い状況である。

 

南アでは公務員労使交渉に注目

南ア公務員組合の労使交渉では、政府は組合の要求(10%の給与引き上げ)を拒否し、月額1000ランドの手当てを2023年3月まで継続して支払うという代替案を提出している。この回答期限は5月末となっていることで、今後の労使交渉に注目が集まる。

 

今週のメキシコの注目は26日の金融政策決定会合議事要旨

今週は先週と違ってメキシコ国内のイベントは複数ありますが、重要なのは26日の金融政策決定会合議事要旨である。先日の会合でサプライズだったことは声明でさらなる強力な金融引き締めについて示唆したこと、そしてエスピノーサ副総裁が0.75%の利上げを主張していたことである。議事要旨では、この強力な金融引き締めについて具体的な言及があるかどうかを確認したいところである。また、エスピノーサ副総裁の詳細な見解も明らかになるため、内容を吟味しておく必要がある。

 

米国株は一段安でも底入れままだ見えず:WSJ

米ウォールストリート・ジャーナル紙は、米国株、一段安でも底入れはまだ見えず、『状況は良くなるどころか悪化の一途をたどるだろう』と、あるポートフォリオマネジャーは話す、と伝えた。米国株は過去数十年で最長の売り相場の真っただ中にある。株価が底入れに近づいているかどうかは誰にも分からない。売り相場は、それがいつ終わりに近づくかを予測しようとするストラテジストたちを長年悩ませてきた。パニック的な売りが広がった後だったこともあれば、1973~74年の下落局面のように薄商いが数日続いた後だったこともあった。過去の下落局面を振り返っている投資家やアナリストの多くは、S&P500種指数を弱気相場入り寸前まで押し下げている足元の売りがまだしばらく続くとみている。

 

米国市場では5月S&Pグローバルサービス業PMIが公表:予想は56.0

参考となる4月実績は55.6で3月実績を下回った。活動指数と新規受注は低下した。インフレ高止まりの影響などが指数の低下につながったとみられている。5月については活動指数と新規受注は4月実績を若干上回る可能性があるため、インフレ圧力は低下していないものの、全体の数値は4月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:45   5月仏企業景況感指数(予想:105)
○16:15   5月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:55.0)
○16:15   5月仏サービス部門PMI速報値(予想:58.6)
○16:30   5月独製造業PMI速報値(予想:54.0)
○16:30   5月独サービス部門PMI速報値(予想:57.2)
○17:00   5月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:55.0)
○17:00   5月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:57.5)
○17:30   5月英製造業PMI速報値(予想:55.0)
○17:30   5月英サービス部門PMI速報値(予想:57.0)
○19:45   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:45   5月米製造業PMI速報値(予想:57.5)
○22:45   5月米サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○22:45   5月米総合PMI速報値(予想:55.7)
○23:00   5月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:10)
○23:00   4月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.7%/75.0万件)
○25日01:20   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、あいさつ
○25日02:00   米財務省、2年債入札
○日米豪印首脳会議
○世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議、26日まで)

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