FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好決算物色が下支え

決算発表の一巡で新たな材料を欠くものの、好決算物色が下支えとなって好地合いを継続した。ただ、上値の重さが意識され徐々に伸び悩んだ。市場では『企業決算の結果は予想したよりも良かった印象があり、下値には買いが入るものの、投資家は上値に対しては引き続き慎重となっていると』との声が聞かられた。結局、前営業日比112円高の2万6659円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:上下に振れた後は129.30円台を中心にもみ合い

ドル/円は、前日に発表されたNY連銀製造業景気指数の予想外に低調な数字で、米国の景気減速を警戒したドル売りが先行し、128.80円台へ下落する場面があった。しかし、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常よりも多く持ち込まれると、129.30円近辺へ上昇した。低下していた米長期金利が上昇に転じたことも、ドルの押し上げ要因となった。午後に入っても堅調地合いは続き、129.45円付近までじり高となった。ただ、前日の海外市場でつけた高値129.61円が視野入りすると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて129.30円台を中心とする狭いレンジで取引された。今晩の4月米小売売上高やパウエル米FRB議長の発言内容を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.04ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ち様相となっている。

 

日本の米国債保有が20年1月以来の低水準

米財務省が16日発表した3月の対米証券投資統計によると、日本の米国債保有が2年以上ぶりの低水準に落ち込んだ。対ドルで円安が急激に進んだことから、日本の投資家の間で年度末に向けて米国資産を売却して利益を確定する動きが広がった。日本の米国債保有は740億ドル減の1兆2320億ドルと、2020年1月以来の低水準となった。ただ、海外勢の保有額で首位を維持した。

 

3月の中国スマホ出荷台数は40%減少:中国信通院

中国信息通信研究院(中国信通院)が16日に発表した統計によると、2022年3月の中国の携帯電話出荷台数は前年同月比40.5%減の2146万台だった。うち、スマートフォンが40.4%減の2102万8000台。1-3月累計では、携帯電話出荷台数が前年同期比29.2%減の6934万6000台でうちスマートフォンが29.2%減の6808万4000台となった。3月の5G対応機種の出荷台数は前年同月比41.1%減の1618万5000台で、携帯電話全体の76.4%を占めた。同月に投入された携帯電話新機種44もドエル(スマホ35モデルを含む)のうち27モデルが5G対応だった。国産ブランドの携帯電話出荷台数は42.4%減の1921万5000台だった。

 

トルコ5年物CDSは年初来高値を更新

昨日はドイツの大手銀行が、トルコ中銀が政策金利を引き上げない場合、インフレは更に加速するとの見解を示した。しかしながら中銀が気にしているのはエルドアン大統領であり、その大統領は、インフレ高騰にもかかわらず金融引き締めの必要性を理解していない。『物価の番人』が不在とも言えるなかでは、その国の通貨の魅力は高まりづらい。信用リスクを示す国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も、昨日はトルコ5年物CDSが710ベーシスポイント(bp)を超えて年初来高値を更新した。

 

南アのネガティブな要因がランドの頭を抑える

南アからはネガティブなニュースが出ている。1つ目は連日行われている、南アでの電力負荷制限がステージ4まで上昇した。今年の負荷制限が昨年よりも頻繁に行われていることで、南アの製造業などへの影響が懸念される。2つ目は南ア自動車協会が6月のガソリン価格が『これまでに見られなかった価格』まで引き上げられるとの予想を立てた。4月中旬から対ドルでのランド安が続いていることが、エネルギー価格高騰の大きな一因になっていると発表している。これらの国内のネガティブな要因がランドの頭を抑えそうである。

 

メキシコでは金利先高観からペソ高期待も続く

メキシコ中銀が政策金利を予想通り0.50%引き上げ7.00%とすることを決めたが、驚いたのは5名のメンバーのうち、エスピノサ副総裁が0.75%の大幅利上げを支持していたことである。そして、声明で『目標達成に向けて一段と強力な措置が検討される可能性がある』という文言を追加して、さらなる金融引き締めを示唆した。インフレが収まらないなかで、すでに8会合連続で利上げを実施しているにも関わらず、より強めのタカ派的な姿勢を示したことで依然として金利先高観からのペソ高期待も根強く残り続ける。

 

米5月NY連銀製造業景気指数が予想外のマイナス:FRBの利上げペースに影響も

米5月NY連銀製造業景気指数も予想外のマイナスに落ち込み世界経済の成長減速懸念にリスク回避の動きが優勢となっている。米5月NY連銀製造業景気指数は‐11.6と、4月24.6から再び予想外のマイナスに落ち込んだ。中国のロックダウンによるサプライチェーン混乱などが影響した可能性が懸念される。連邦準備制度理事会(FRB)の年内の引き締めペースも計画通りすすまない可能性もありドルの上値を抑制する。 

 

米国市場では4月小売売上高が公表:予想は前月比+1.0%

3月実績は前月比+0.7%だった。原油高の影響でガソリンの販売額は増加し、全体を押し上げた。4月については、ガソリン販売の伸びはやや鈍化すること、食品・飲料の販売額は小幅な増加に留まる可能性があるため、全体的には、伸び悩む可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移▲4.25万件/失業率なし)
○15:00   1-3月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○18:00   1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.2%/前年比5.0%)
○18:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:05   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○21:30   3月対カナダ証券投資
○21:30   4月米小売売上高(予想:前月比0.9%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:15   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○22:15   4月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
       設備稼働率(予想:78.6%)
○23:00   3月米企業在庫(予想:前月比1.9%)
○23:00   5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:75)
○18日01:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、討議に参加
○18日02:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18日03:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、イベントに参加
○18日03:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○ノルウェー(憲法記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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