FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強くこう着相場

前日の米国株式市場が不安定な値動きとなり、日経平均株価もプラス圏とマイナス圏を行き来する方向感を欠く展開になった。朝方は売りが先行したものの、徐々に買い戻しが優勢となった。午後にかけて4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前にした様子見ムードが強まり、こう着感の強い展開になった。結局、前営業日比46円高の2万62313円で終了した。

 

東京外国為替市場:内外株高を好感した円売りが下支え

ドル/円は、米長期金利の低下を眺めたドル売りが先行して130.23円付近まで下落した。しかし、日米金融政策スタンスの違いが鮮明になっていることもあり、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、130.40円付近へ値を戻した。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じ、過度なリスク回避姿勢が後退したことも円売りを支えた。午後は、内外株高を好感したドル買い・円売り、130.49円付近まで上昇する場面もあった。しかし、前日につけた高値130.57円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて130.30円台を中心とする狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、このところECB当局者から早期の利上げに前向きな発言が相次いでいることで、持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り1.055ドル付近へ値を上げた。

 

4月の中国乗用車販売は2年ぶり大幅減少

中国の乗用車販売は先月、2年ぶりの大幅減少となった。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が自動車産業集積地の上海市や吉林省で講じられた結果、生産は落ち込み、購入者の足も遠のいた。全国乗用車市場情報連合会(乗連会)が10日発表した4月の乗用車販売台数(小売りベース)は前年同月比35.7%減の106万台と、2020年3月以来の大幅な減少だった。電気自動車(EV)メーカー、米テスラは4月に上海工場からわずか1512台を出荷するにとどまった。輸出はゼロだった。

 

トルコ銀行規制当局が流動性の高い時間帯での取引要請

トルコのインフレ率は70%近くまで上昇しており、物価高騰が同国経済成長を大きく減速させるとの警戒感が強まっている。米投資銀行がドル買いリラ売りを推奨との話も出ており、ドル/リラの上値への警戒感が高まっている。一方でドル円の上昇スピードは緩んでおり、そうなるとリラ/円はどうしても買いづらくなってしまう。昨日はトルコ銀行規制当局が金融機関に対し、法人向けの為替取引を現地時間10時から16時までに行うよう要請したことが報じられた。流動性が高い時間帯での取引に限定することで、変動幅を抑えることが目的と見られている。当局はかなりリラ安水準を気にしているが、この措置がどの程度効果があるかは未知数である。逆に、指定時間外での投機筋による売り仕掛けに繋がってしまうかもしれない。 

 

南ア航空が政府の財政負担増懸念

南アフリカのメディアによれば、同国政府が保有していた南ア航空(SAA)株式の51%を売却したにもかかわらず、依然としてSAAが国庫の負担になっているとの財務省報告を伝えています。パンデミックによる打撃も大きく、SAAは2011年からの赤字体質を脱却する見通しが立っていない。今後の市場では、財政負担増を嫌気した動きが見られるかもしれない。

 

メキシコではインフレを抑制できるか注目

9日に発表された4月メキシコ消費者物価指数(CPI)は前年比で7.68%の上昇となった。市場予想の同7.73%を下回ったものの、前月の同7.45%からは伸びが加速しており、21年ぶりの高水準になった。先週には政府がインフレ抑制政策を発表したほか、13日(金)にはメキシコ銀行(中央銀行)の金利引き上げが予想されているが、インフレを抑制できるか今後の推移が注目される。

 

米ガソリン小売価格が最高値更新:精製能力低下で価格を押し上げ

米国のガソリン小売価格が10日、3月に付けた最高値を更新した。世界的な精製能力低下で、夏のドライブシーズンを前に価格が高騰している。全米自動車協会(AAA)によると、10日の早い時間にガソリン平均小売価格は1ガロン=4.374ドルを付け、それまでの最高値(4.331ドル)を上回った。3月30日以降、北海ブレント原油先物は7%下落しているが、ガソリン先物は9.4%上昇し、6日には最高値の1ガロン=3.7590ドルを付けた。米国内の製油所が定期点検や障害のため操業停止していることが背景となった。

 

米国市場では4月消費者物価コア指数:予想は前年比+6.1%

参考となる3月実績は前年比+6.5%だった。住居費、航空運賃などの上昇が目立った。4月については、下落が予想される項目が少ないこと、住居費の上昇は続いていることから、物価上昇率は3月実績に近い水準となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○15:00   4月独CPI改定値(予想:前月比0.8%/前年比7.4%)
○16:15   ナーゲル独連銀総裁、講演
○17:00   ラガルドECB総裁、講演
○17:30   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○17:50   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○21:00   4月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比12.07%)
○21:20   シュナーベルECB専務理事、講演
○21:30   4月米CPI(予想:前月比0.2%/前年比8.1%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.4%/前年比6.0%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○12日02:00   米財務省、10年債入札
○12日03:00   4月米月次財政収支(予想:2260億ドルの黒字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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