FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:為替や米株先物の値動きに反応しやすい展開

前日の米国株高の流れを受けて買いが先行した。円安も日本株にはプラスに作用している。一時上げ幅404円付近まで切り上げていたが、決まった利回りで国債を無制限に買い入れる指し値オペを日銀が通告したことが分かると、ドル/円は一時128円台半ばまで下落した。為替が円高に振れる場面で日経平均も上げ幅を縮める動きがみられた。大型連休中に米FOMCが予定されているほか、来週から企業決算の本格化を控え様子見ムードが強まりやすいだけに、為替の動向や米株先物の値動きに反応しやすい。結局、前営業日比232円高の2万7217円と続伸して終了した。信用評価損益率は15日申し込み時点でマイナス12.49%と、前の週のマイナス12.7%からマイナス幅が0.21ポイント縮小した。改善は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:急ピッチの上昇に対する警戒感からドル売り優勢に

ドル/円は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが先行、129円台前半から一時129.43円付近まで値を上げて約20年ぶりの高値を更新した。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りの通常より多く観測された。仲値発表後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、129円を割り込んで一時128.55円付近へ値を下げる荒い値動きとなった。磯崎官房福長官が『為替の安定は重要で急速な変動は好ましくない』『米国などの通貨当局と緊密な意思疎通を図りながら適切に対応したい』などと発言したことも円買いを誘った。午後に入っても軟調地合いは続き、米長期金利が小幅に低下すると、さらにドル売り・円買いが進んで128.06円付近まで下落した。その後、米FRBの禁輸引き締めペースが加速するとの思惑からドルの押し目買いが入り、128.70円付近へ値を持ち直した。ただ、今晩予定されているG20財務相・中央銀行総裁会議やFRB当局者の講演を前に、積極的な上値追いは手控えられた。ユーロ/ドルは、米長期金利低下を眺めたドル売りが一巡すると、1.0815ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。

 

IMFは世界経済成長率見通しを引き下げ

国際通貨基金(IMF)は、ロシアのウクライナ侵攻や中国のコロナ都市封鎖が影響し、世界経済成長率見通しを引き下げた。2022年世界経済成長率を1月の4.4%から3.6%へ引き下げ、2023年を3.6%と、3.8%から引き下げた。また、ユーロ圏は戦争や燃料価格上昇で成長の下方リスクに直面していると警告。市場では金融引き締めにより、景気後退入りが警戒されている。

 

22年中国成長率見通しを外銀が下方修正

UBSのエコノミストは18日の顧客向けリポートで、『経済への強い下押し圧力を考慮』し、国内総生産(GDP)成長率予想を5%から4.2%に引き下げた。バークレイズも同日、『コロナを巡る混乱が長期化するとの想定』で、成長率予測を0.2ポイント下方修正し4.3%に変更した。BofAは18日のリポートで、4.8%から4.2%に下方修正。スタンダードチャータードもロックダウン(都市封鎖)の悪影響が強まるとして5.3%から5%に引き下げた。

 

仏大統領選の決選投票ではマクロン大統領が優勢:各種世論調査

各種世論調査によると、フランス大統領選の決選投票で現職のマクロン大統領がマリーヌ・ルペン氏との差を広げているもよう。イプソスの世論調査によると、マクロン氏の得票率は56.5%と、第1回投票の2日前(4月8日)の53%を上回った。オピニオンウェイの世論調査では、マクロン氏の得票率は56%、仏世論研究所の世論調査ではマクロン氏の得票率は55%。

 

ロシアマネーがトルコに向かっている可能性も

ロシアマネーがトルコに向かっている可能性もあり、リラ相場の支えとなっているのかもしれない。トルコ当局は先週末、欧米から制裁を受けたオルガルヒ(ロシア新興財閥)の所有する豪華ヨットを、同国南西部の沿岸に停泊させることを許可した。トルコは、西側諸国が強化する経済制裁に参加していない。オルガルヒの投資を歓迎すると述べた政府高官もおり、ロシア資産の避難先としてトルコが選択の1つとなっている可能性もある。ただ、トルコ国内のインフレ高騰はリラの上値の追いづらさとして意識され続ける。エルドアン大統領は先日、物価高は全世界に共通する問題と述べ、『トルコは、生産力と物流の優位性から、最も影響を受けていない国の1つ』との見解を示した。これまで政権が講じたインフレ抑制策はあまり効果が出ておらず、大統領は批判をかわすことに精一杯のようである。

 

南アの3月CPIが注目:予想上回るなら利上げ幅拡大の思惑も

南アの消費者物価指数(CPI)が発表されるため、ランドも指標結果次第で動く可能性が高い。ロシアによるウクライナ侵攻後の数値のため、市場予想では前年比で6.0%上昇となっている。南アフリカ準備銀行(SARB)のインフレ目標とする3.0-6.0%のレンジ上限であり、予想を上回る結果が出た場合は来月SARBの利上げ幅が拡大する可能性もある。ところで、南アフリカにおける小麦価格の上昇率は、世界平均と比較すると低い水準にとどまっている。2月25日から3月7日までの間に、シカゴの小麦先物(7月)は34%上昇した。一方の、南アの小麦価格は14%上昇だった。この原因は複数あるが、一つは南アもある程度の規模の小麦を生産しているため供給不安には現時点ではなっていないこと、そして二つ目はランド高の恩恵がある。

・17:00 3月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.0%/前年比6.0%)

 

メキシコ政府による電力市場の独裁は後退

ロペスオブラドール大統領が推し進める電力改正法案だが、昨日下院にて採決され、過半数の賛成票を獲得したが、可決に必要な3分の2を獲得することはできなかった。この結果に対して大統領は“反逆行為だ”と激怒した。ひとまず、市場が恐れていた政府による電力市場の独裁はひとまず後退した模様である。

 

米国住宅市場は予想外に強い内容

米商務省が発表した3月住宅着工件数は前月比+0.3%の179.3万戸と、2月178.8万戸から減少予想に反し増加し住宅ブームの2006年6月以降16年ぶり高水準となった。3月住宅建設許可件数も+0.4%の187.3万戸と、2月186.5万戸から減少予想に反し増加し1月来で最高となり、今後の着工件数の増加を示唆した。住宅ローン金利の上昇や建築材料、人件費などのコストの上昇という逆風で、パンデミック期間中、米国経済の回復をけん引してきた住宅市場が今年は鈍化すると警戒されているが、予想外に強い結果となった。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比2.6%)
○17:00   3月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.0%/前年比6.0%)
○18:00   2月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年比1.5%)
○18:00   2月ユーロ圏貿易収支
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:15   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:30   ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:30   3月カナダCPI(予想:前月比1.0%/前年比6.1%)
○23:00   3月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲4.0%/年率換算580万件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:30   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○21日00:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○21日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)

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