FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株式の下落やさえないアジア株動きを嫌気

米国株式市場の下落を受けたほか、ロシアへの追加制裁に対する懸念などから市場センチメントが悪化した。日経平均は、下値の目安として意識されていた3月22日と同23日に開けた窓の下限値(2万7284.47円)を下回り、テクニカル面でも下値リスクを大きくした。また、休日明けのアジア株もさえない動きで、日経平均の重石となった。市場では、押し目買いで指数は下げ止まったが、米金融引き締め懸念やウクライナ情勢に対する警戒感が再び高まっており、上値は追えないとの声が聞かれた。前日比437円安の2万7350円と反落して終了した。信用評価損益率は1日申し込み時点でマイナス11.94%と、前の週のマイナス11.36%からマイナス幅が0.58ポイント悪化し、悪化は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米金利先高観からドル押し目買い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、124.05円付近までじり高となった。前日にブレイナード米FRB理事からタカ派的な発言が伝わり、米国の金融引き締めペースが加速するとの思惑が浮上していることも、ドルの押し上げ要因となった。しかし、このところ政府要人から円安けん制発言が相次いでいることもあり、上げは一服した。その後、大口のドル売り・円買いフローが持ち込まれ、123.65円付近へ急速に値を下げる場面があった。午後は、米金利先高観からドルの押し目買いが入り、123.95円付近へ上昇した。ただ、7日未明に発表される米FOMC議事要旨を前に、積極的な上値追いは手控えられている。ユーロ/ドルは、1.0895ドル前後で小動きに終始した。

 

中国の22年経済成長率を5%に下方修正:世界銀行

世界銀行はこのほど、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や米国の利上げ、中国の成長鈍化などの影響を考慮し、2022年の東アジアと太平洋地域の経済成長率を5%に下方修正した。昨年10月時点での予想は5.4%だった。『信報』が5日、外電を引用して伝えた。うち、中国については、基本シナリオで成長率が5%になると予想。前回予想は5.4%だった。悲観シナリオでは、4%まで減速する可能性があるとした。

 

3月は新興国市場から資金が流出:国際金融協会

国際金融協会(IIF)が5日公表した非居住者資金動向によると、3月は新興国市場から98億ドルの資金が流出した。流出は1年ぶりとなった。中国からの資金流出が目立った。2月は133億ドルの流入だった。3月は株式から67億ドル、債券から31億ドル流出した。中国からは債券で112億ドル、株式で63億ドルが流出した。中国株式からの資金流出は2020年9月以来となった。中国を除く新興国市場では、債券に82億ドルが流入した。株式は4億ドル弱の流出だった。3月の動向にはロシアの数値は含まれていない。
中南米には108億ドルが流入。流入額は7月以降で最大だった。

 

トルコはインフレ高進でAKPの支持基盤も揺らぐ

トルコメディアは昨日、イスタンブール経済研究所が行った調査「トルコ・レポート」の結果を報じている。3月に実施された調査では、人々が収入のどの程度で出費を賄っているかを質問した。それによれば、調査に参加した人の60%近くが自分の収入だけでは支出をカバーするには不十分と答え、27%がやっとのことで賄えていると答えた。「収入が支出を上回っている」と答えた人はわずか7%で、6%が「余裕がある」と回答した。また今回の調査では、エルドアン大統領が率いる与党・公正発展党(AKP)の支持者にも経済的な苦境が及んでいることがハッキリとした。AKP支持者の約4割が「収入が支出をカバーできていない」と回答している。大統領選も行われる次の総選挙まで約1年となった。2018年6月選挙では全国で42%超の得票率だったAKPが、どの程度まで率を落とすかが次回の焦点となるかもしれない。 

 

南アでは本日から燃料価格の引き上げ:貧困層を中心に大きな痛手

本日6日から南アでは燃料価格が引き上げられる。今回はガソリンの上げ幅はリッターあたり28-36セント程度で抑えられるが、これはゴドンワナ財務相が、5月末まで一般燃料税を1リットル当たり1.5ランド引き下げると発表したことによる。価格を急激に上げると、貧困層を中心に南ア経済にとって大きな痛手となるため、ダメージ軽減の対策である。しかしながら財政的にそれほど余裕があるわけでもなく、5月末以後もこの減税が続くのかは分からない。

 

ブレイナード理事のタカ派発言に市場はサプライズ

連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、インフレを押し下げることが最重要で、一連の利上げで、系統的に引き締めを継続するFRBの方針を再表明した。さらに、バランスシート縮小を17-19年に比べてかなり速やかに実施していく方針も再表明した。早くて5月連邦公開市場委員会(FOMC)に速やかにバランスシート縮小する可能性が強いと言及した。同総裁は通常ハト派、または中立として知られることから、タカ派発言はサプライズととらえられている。また、同時に、FRBの中でも議長と同じく影響力が強い副議長候補でもあるため、市場は同氏の発言を重要視している。ブレイナード理事は『バランスシート縮小は3月の見通しに示された以上に引き締め効果がある』としている。FRBは利上げとバランスシートの縮小の効力は同じとしており、利上げ幅を25ベーシスポイントに抑え、保有資産の縮小を加速させていく選択肢もある。どちらにしても、金利上昇に伴うドル買いが継続すると見られる。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表

3月15-16日に開催された米FOMCでは0.25%の利上げを決定したほか、年内は毎回の利上げ実施の見通しが示された。想定以上にタカ派色の強い内容なら金利高・ドル高要因となりやすい。

 

欧米市場イベント

○15:00   2月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.2%/前年同月比5.4%)
○16:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   3月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:57.8)
○18:00   2月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.3%/前年比31.5%)
○19:45   レーンECB専務理事兼主任エコノミスト、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:4.00%に引き上げ)
○22:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:00   3月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:60.0)
○23:30   EIA週間在庫統計
○7日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月15日-16日分)
○北大西洋条約機構(NATO)外相理事会(ブリュッセル、7日まで)

 

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