FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ハイテク株が指数を押し上げに寄与

米国株高を受けて高く寄り付いた後も、企業決算を手掛かりとした物色がみられ、堅調に推移した。半導体関連や電子部品といったハイテク株が買われて指数の押し上げに寄与したほか、米長期金利が上昇する中、銀行株もしっかりとなった。ただ、米消費者物価指数(CPI)の発表や国内の連休を前に、上値追いには慎重だった。結局、前営業日比295円高の2万7579円と続伸して終了した。信用評価損益率は4日申し込み時点でマイナス12.18%と、前週のマイナス15.75%からマイナス幅が3.57ポイント縮小した。改善は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:株価からリスク選好の円売りやや強まる

ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売りに押され、115.32円付近まで下落した。仲値発表後に、本邦輸出勢のドル売り・円買いフローも断続的に観測された。ただ、前日の欧州市場でつけた安値115.24円が視野入りすると下げは一服した。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大がリスク選好の円売りを誘い、115.50円付近まで値を持ち直した。しかし、今晩の米国株価動向や米FRB当局者の講演内容を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な上値追いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.1420ドル台を中心とする狭いレンジで取引された。

 

英BPは21年利益は8年ぶりに高水準

英石油大手BPが8日発表した2021年決算は、利益が128億5000万ドルで8年ぶりの高水準となった。天然ガスと原油の価格高騰と、世界経済の新型コロナウイルス禍からの回復を受けた。前年は57億ドルの赤字を計上していた。バーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)は発表文で『21年はわれわれの言った通り、BPが変革しながら業績を上げていることを示している』とした。21年第4・四半期の純利益に相当する『アンダーライイング・リプレースメント・コスト利益』は41億ドルに達し、アナリストの予想39億3000万ドルを上回った。

 

トルコ財務相が金をリラに転換を促す新たなスキーム発表

ロンドンで投資家や経営者との会合に臨んだネバティ・トルコ財務相が、個人が保有する金をリラに転換を促す新たなスキームを週末にも発動すると述べたことが伝わった。一部報道によれば、トルコ家計が保有しているとされる2500億ドルから3500億ドル相当の金のうち、新たな促進策で1000億ドル以上がリラ預金に移されると政権は見込んでいる。なお、ネバティ財務相は昨日の会合で、トルコのダイナミックな生産能力や力強い成長実績、健全な財政と堅固な銀行部門などが同国の大きな可能性に繋がると訴えた。インフレ高進については一時的とし、これまでの考えを繰り返した。海外投資家向けの国債発行にも言及しており、どの程度の需要があるかが注目される。

 

10日にラマポーザ南ア大統領は国家演説を実施予定

今週10日(日本時間では11日2時)にラマポーザ南ア大統領は国家演説(通称SONA)を行うことが決定した。SONAは幅広い政治、経済および社会問題を考察し、政府の役割について国民に向けて説明する。そして来年の政府の行動計画を設定することになっている。市場がこのSONAで大きく動くことはあまり記憶にないが、念のために注意はしておきたい。

 

メキシコでは利上げが確実視されるなかペソは底堅い展開

最新の消費者物価(CPI)、そして週後半にはメキシコ中銀の金融政策決定会合など、重要イベントを控えて積極的な動きにはなりづらいが、基本的には6会合連続の利上げが確実視される中で、金融引き締め期待感からのペソ買いは継続する見込みとなっている。

 

富裕層は米利上げ見込みから現金を積み上げ:UBSこ顧客調査


UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの調査によると、相場下落を深く懸念しているという回答は世界の富裕層のほぼ半数と、1年前の45%から増加した。調査は1月4-24日に実施された。S&P500種株価指数は同期間中の下落率が取引時間中の最大で12.4%に達する場面もあり、史上最悪の年明けとなっていた。連邦準備制度の3月利上げが想定されている米国では、61%が資産の10%超を現金相当資産にしていると回答。2021年初頭は59%だった。80%超がバイデン政権はインフレ抑制を最優先課題とすべきだとの考えを示した。UBSのリポートは「インフレと利上げという背景の中で、投資家はヘルスケアやテクノロジーなどのセクターに投資する『適切な機会』を待っている」と解説した。UBSは資産100万ドル以上の個人3000人と年商100万ドル以上の事業主1200人を対象に調査した。UBSによると、米国の富裕層は新規の住宅ローン借り入れや既存ローンの借り換えで金利上昇可能性に備えている。

 

21年米家計の負債総額は1兆ドル増加:07年以降で最大

ニューヨーク連銀が8日に発表した米国の家計債務と信用に関する報告書によると、家計の負債総額が2021年に1兆ドル増加した。増加額は07年以降で最大となった。価格が一段と高騰している住宅や自動車などの購入増加が背景という。21年に組成された住宅ローンは4兆5000ドルを超え、1999年以降のデータベースで最高を記録した。住宅ローン残高は第4・四半期に2580億ドル増加し、昨年末時点で10兆9300億ドルとなった。自動車ローンの組成はパンデミック(世界的大流行)前のトレンドに戻ったものの、自動車価格の上昇を受けて融資額は増加した。『自動車価格が高騰したため、購入者は追加費用を調達するためにより多く借り入れた』という。また、住宅ローンの借り換えが増加しているとし、金利上昇を予想した一部の借り手が低い借り入れコストを利用している可能性もあるとした。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独貿易収支(予想:110億ユーロの黒字)
○16:00   12月独経常収支(予想:200億ユーロの黒字)
○18:30   1月南アフリカSACCI企業信頼感指数(予想:92.5)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   1月メキシコCPI(予想:前年比7.02%)
○21:00   1月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比10.39%)
○21:00   12月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比▲3.3%)
○22:10   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○24:00   12月米卸売売上高(予想:前月比1.2%)
○10日00:30   EIA週間在庫統計
○10日00:30   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○10日01:00   12月ロシア失業率(予想:4.3%)
○10日01:00   1月ロシアCPI(予想:前月比1.1%)
○10日02:00   マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○10日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○10日03:00   米財務省、10年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ