FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:グロース(グロース)株の下落が目立った

前日の米国株式市場では主要3指数がそろった上昇したが、引け後に決算を発表した米IT大手メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が時間外取引で大幅安となって、米主要株価3指数の先物は時間外でさえない動きが続いた。とりわけ、ハイテク株比率の高いナスダック先物は2%超安となって投資家心理の重さとなり、日本株株もグロース(成長)株の弱い動きが目立った。新興株市場では、マザーズ総合は4%超安となった。前日までの4営業日で日経平均株価が1300円あまり上昇した後とあって、幅広い銘柄に戻り待ちの売りが出た。結局、前営業日比292円安の2万241円と5営業日ぶりに反落した。1月第4週(24日~28日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は2009億円売り越し、売り越しは3週連続となった。

 

東京外国為替市場:輸入勢のドル買いで114円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、114.50円付近へ上昇した。しかし、前日に発表された1月ADP全米雇用リポートが予想外に低調な数字だったこともあり、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いも見られ、114.40円を挟んでもみ合いとなった。午後は、明日発表される1月米雇用統計を控えた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、114.53円付近までじり高となった。低下していた米長期金利が小幅に持ち直したことも、ドル買い戻しにつながった。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会後に行われるラガルド総裁の会見内容を見極めたいとのムードが広がり、1.1300ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。

 

1月トルコ消費者物価指数に注目集まる

本日は欧州序盤に発表される1月トルコ消費者物価指数(CPI)が注目される。前回は前年比で約36%まで伸び率が上昇していたが、今回は46-48%台まで上振れすると予想されている。トルコ最大の都市イスタンブールの物価指標が足もとで悪化したことから、市場では想定以上のインフレ加速もあり得ると身構えている。一方でエルドアン大統領は、以前よりは口調は和らげているが、金利を低下させるという従来の考えに固執している。トルコ中銀も『独立性を放棄した』とみられるような緩和的な金融政策を実施しており、インフレ高騰による通貨価値の下落圧力は強まったままである。なお本日は、英国や欧州の中央銀行が金融政策を発表する。もしインフレ抑制のためにタカ派姿勢が顕著となるようであれば、ポンドやユーロ買いが対リラでも進むと見込まれ、リラ/円も影響を受ける。

 

1月ユーロ圏CPIは1997年以降で過去最高

欧州連合(EU)統計局が2日発表した1月CPI(消費者物価指数)は前年比+5.1%と事前予想の4%台半ばを大幅に上回り1997年以降で過去最高を更新した。物価を押し上げてきたドイツ付加価値減税の反動の剝落要因もあり1月以降は物価上昇の勢いが鈍るとの見方が強かっただけに前月の5.0%を上回るサプライズとなった。インフレの強さを示し3日に理事会を開く欧州中銀(ECB)に緩和縮小を促す圧力となる。なお、物価を押し上げたのは前年比+28.6%の大幅上昇となったエネルギーであり、エネルギー以外は小幅な上昇にとどまった。

 

欧州では英中央銀行金融政策を発表:予想は0.25%の利上げ

英中央銀行は12月16日、物価圧力が一段と持続的となっている兆候が見られるとの見方を表明している。新型コロナウイルスの感染再拡大は短期的な経済活動を圧迫する可能性はあるものの、インフレ率は今年前半にかけてさらに上昇する可能性があることから、小幅な追加利上げで対応するとみられる。

 

欧州中央銀行理事会で金融政策を発表:予想は現状維持

欧州中央銀行(ECB)は前回開催の理事会『パンデミック緊急購入プログラム(DEPP)』を通じた資産購入を2022年3月末に終了することを決めている。ただし、保有する債券・国債の償還後に再投資期間は2024年末まで延長される。また、ECBのラガルド総裁は金利引き上げを急がない姿勢を表明しており、今回の理事会でも一定レベルの金融緩和を維持するとの認識が共有されるとみられる。

 

南アの個別要因はないため英・欧州の金融政策に影響

本日も南アからは市場を動意づけるような経済指標等の発表予定はない。よって、引き続き株式市場の動きや、本日予定されている欧州中央銀行(ECB)理事会、イングランド銀行(BOE)金融政策委員会(MPC)の結果や総裁発言などにより上下すると予想される。なお、国営電力会社エスコムの負荷制限は、来週月曜までステージ2の水準で行われることが決定した。

 

4日に米国労働省は1月雇用統計を発表:予想は大きくかい離

先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の1月分は前月比-30.1万人と、予想外に2020年12月来のマイナスとなった。パンデミックが発生した直後の20年4月来で最低。オミクロン流行拡大で、自身や家族の感染により労働が困難になったり、店舗の営業時間短縮などが雇用の減少につながった可能性が指摘されている。雇用統計の雇用者数の平均予想は依然15万人増とプラスが予想されている。しかし、パンデミックを巡る調整が困難で、エコノミスト予想は大きく乖離している。25万人増から40万人減のレンジ。ゴールドマンは25万人の減少を予想している。インフレ高進の中、FRBが金融緩和正常化に向けた手を大きく緩める可能性は少ないと見る。ただ、短期的に雇用停滞懸念に過剰な利上げ観測の思惑は緩和し、ドルの上昇ペースも鈍る可能性がある。

 

■市場エコノミスト予想失業率:3.9%(12月3.9%)非農業部門雇用者数:前月比+15万人(12月+19.9 万人)民間部門雇用者数:前月比+10万人(+21.1万人)平均時給:予想:前月比+0.5%、前年比+5.2%(+0.6%、+4.7%)

 

欧米市場イベント

○16:00   1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月9.80%/前年比46.68%)
○17:50   1月仏サービス部門PMI改定値(予想:53.1)
○17:55   1月独サービス部門PMI改定値(予想:52.2)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○18:30   1月英サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比2.8%/前年比26.1%)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○21:00   英中銀MPC議事要旨
○21:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、会見
○21:30   1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比3.2%)
○22:30   10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比1.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.5万件/162.0万人)
○23:45   1月米サービス部門PMI改定値(予想:50.9)
○23:45   1月米総合PMI改定値(予想:50.8)
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:59.5)
○24:00   12月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.2%)
○香港、中国(旧正月)、休場
○トルコ・ウクライナ首脳会談(キエフ)
〇中露外相会談(北京)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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