FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好決算銘柄物色が活発化

前日の米国株式市場で主要3指数が続伸した流れを引き継いだほか、米ナスダック先物の底堅い値動きも支援した。個別では、引き続き好決算銘柄の物色が活発化した。前営業日比455円高の2万7533円と4日続伸した。信用評価損益率は1月28日申し込み時点でマイナス15.75%と、前の週のマイナス12.93%からマイナス幅が2.82ポイント悪化した。悪化は2週連続となる。

 

東京外国為替市場:上値を追う動きは限定的で114.70円前後でのレンジ相場

ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたリスク選好の円売りが先行し114.80円付近へ値を上げた。しかし、このところ米FRB当局者から0.50%の大幅利上げに否定的な発言が相次いでいることもあり、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定などのドル売り・円買いに押され、114.65円付近まで下落する場面があった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、114.70円台を中心とする狭いレンジで取引された。4日に発表される1月米雇用統計を前に、ポジションを積極的に傾けにくくなっている。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で小動きに終始した。

 

ユーロ圏1月インフレ率速報値には注意:金融政策変更の可能性も

ドイツの1月のインフレ率は前年比+5.1%、フランスのインフレ率は前年比+2.9%だった。1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+4.4%、HICPコア速報値は前年比+1.9%と予想され、12月のHICP+5.0%、HICPコア+2.6%からの低下が見込まれている。予想通りに低下していた場合、ECBが予想している年内のインフレ率低下の可能性がやや高まることになる。予想を上回る上昇幅だった場合は、短期金融市場が織り込んでいる10月までに10ベーシスポイントの利上げの可能性が高まることで、明日のECB理事会でタカ派の勢いが強まることになる。ハト派のレーンECB専務理事兼主任エコノミストは、『インフレ率は今年幾分低下に転じると予想している』と述べつつも、インフレ率が目標2%を上回る水準にとどまれば、ECBは金融引き締めに踏み切ると述べていた。

 

明日発表の1月トルコCPIへの警戒感が強まる

明日発表される1月トルコ消費者物価指数(CPI)への警戒感が強まっている。前回は前年比で約36%だったCPIは、1月には46-48%台まで上昇すると見られている。しかしながら、更なるインフレ悪化を予想する向きも出てきた。というのも、昨日発表されたトルコ最大の都市イスタンブールの物価指標が大きく上振れしたからである。1月小売物価指数は前年比50%を超え、前回の34%台から加速した。トルコ中銀は1月インフレ率の50%接近を既に予想しているが、同水準を今年早々に上回るようだと、5月の55%前後でピークアウトという予測も怪しくなる。エルドアン・トルコ大統領に睨まれて金融引き締めができないため、インフレ高騰は通貨価値下落への懸念をより強める。

 

トルコの野党はまだ23年の総選挙に向けては厳しい状況

トルコではエルドアン大統領率いる公正発展党(AKP)政権が20年近く続き、政治の硬直化、民主主義の停滞などが懸念されている。また、高インフレを放置したことでリラ暴落に陥り、国内の経済格差も広がった。人々の政権に対する不信感は高まり、エルドアン大統領の支持率低下は顕著である。それにもかかわらず、現在の野党は国を率いる準備はできていないと見ている人々がまだ多い。世論調査会社メトロポールの調査によれば、調査対象の47%が現在の野党には政権を任せられないと答えた。これは野党に希望を持つという46%の人々を1%だけ上回った。僅差とも言えるが、エルドアン大統領に対する悪材料が多いように見えるなか、野党が国民の信頼を得ていないのは、2023年の総選挙に向けて厳しい状況とも言える。

 

南アでの電力の頻繁な負荷制限はネガティブ要因

国営電力会社エスコムは『週末に多数の発電ユニットが故障したことで、発電能力がさらに失われた場合は、急な通知で負荷制限を実施する必要がある』と昨日発表した、余りに頻繁に負荷制限が行われていることで、市場はかつてのように反応をすることはないが、南ア経済にはネガティブなことは確かである。

 

米国の積極的な金融引き締め観測後退:利上げ慎重論も

昨日は複数の米連邦準備理事会(FRB)高官から、積極的な金融引き締めが確実という風潮に『待った』をかけるような発言が相次いだ。一部通信社によれば、タカ派とされるジョージ米カンザスティ連銀総裁は『緩和策の解除開始の判断において慎重に行動する必要がある』と述べた。週末の英FT紙とのインタビューで『3月0.5%利上げも受け入れる』としたボスティック米アトランタ連銀総裁も、週明けには『0.5%は好む設定ではない』とあっさりと軌道を修正した。『2022年は全7会合での利上げも排除しない』とした前回のパウエルFRB議長の定例記者会見を受け、米債券市場では売りポジションが溜まっている。急ピッチな利上げに対する慎重論がこのまま広まるようであれば、債券買い戻し(金利は低下)が進む場面もある。そうなると、ドルも上がりづらくなる。

 

欧米市場イベント

○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比4.4%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.9%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   1月ADP全米雇用報告(予想:20.7万人)
○22:30   12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.5%)
○24:00   グラベル・カナダ銀行(BOC、中央銀行)副総裁、講演
○3日00:30   EIA週間在庫統計
○3日05:00   マックレムBOC総裁、議会証言
○3日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:10.75%に引き上げ)
○石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚級会合(オンライン)
○英中銀金融政策委員会(MPC、3日まで)
○韓国、香港、シンガポール、中国(旧正月)、休場

 

 

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