FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い一巡後は戻り待ちの売り

前日の米国株式市場で主要3指数が続伸した流れを引き継いだほか、決算発表を手掛かりとした個別物色も指数を下支えした。ただ、買い一巡後は戻り待ちの売りに押される展開となった。日経平均は先週27日の安値から本日の高値まで1200円以上上昇したため、急ピッチの上昇から警戒感も高まった。上げ幅は一時400円を超えたが、上値では利益確定売りが出て急速に伸び悩んだ。結局、前日比76円高の2万7089円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:円安けん制や米長期金利の低下からドル売り

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、115.19円付近まで上昇した。しかし、前日に複数の米連邦準備理事会(FRB)当局者が急激な金融引き締めに慎重な姿勢を見せたこともあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後、神田財務官から円安けん制ともとれる発言が伝わると、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて115.00円付近へ下落した。米長期金利が小幅に低下したこともドル売りにつながった。午後には入っても軟調地合いは続き、日経平均株価が上げ幅を縮小すると、さらにドル売り・円買いが進んで114.89円付近まで下落した。ただ、今晩発表される1月米ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドル買い戻す動きも見られ、115.00円付近へ切り返した。ユーロ/ドルは、米長期金利低下を眺めたユーロ買い・ドル売りが入り、1.1245ドル付近へじり高となった。

 

米国株を1週間で2008年以降で最大の買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの1日の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は1月24~28日の1週間に米国株を56億4400万ドル買い越した。2週ぶりに大幅買い越しに転じたことになる。この週は主力ハイテク株が弱い流れが週末にかけて一服し、S&P500指数が週間で0.77%高となり4週ぶりに上昇して終了した時だった。主体別動向では、ヘッジファンド(HF)が7900万ドルの小幅売り越しで、3週連続の売り越しとなった。機関投資家は9億5800万ドルの買い越しで、5週ぶりの買い越しだった。個人投資家は19億6500万ドルの買い越しで、4週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは28億ドルで4週移動平均線(30億9400万ドル)をやや下回った。傾向としては下げ相場の中で個人投資家の逆張り的な買いに加え、自社株買いが下支えになった格好だった。週間の買い越し規模としては21年11月(55億ドル)に匹敵し、同社が2008年から集計を初めて以降で過去最大を記録した。1月の自社株買いは21年1月の2倍で、新型コロナウイルスの感染拡大前の19年1月の水準をやや上回っているといい、企業の活発な自社株買いが続けば相場の支援材料となる。

 

英国中銀は2月3日は追加利上げの可能性:政策正常化の本格化へ

昨年12月の利上げ開始後、英国では物価の上振れや雇用改善が続いており、英イングランド銀行(BOE)は2月3日に追加利上げに踏み切る公算が大きい。これにより政策金利は0.5%に達し、BOEが量的緩和を通じて保有する資産の再投資を停止する条件が整う。BOEは利上げに続き、近くバランスシートの縮小に着手する可能性が高まる。物価の大幅上振れが続くとみられることから、BOEはその後も5月と8月に利上げを継続し、政策金利は保有資産の売却を開始する条件を満たす1.0%に達すると予想する。物価の上振れとコロナとの共生模索が続くなか、政策正常化が本格化する。

 

トルコ統計局の局長が更迭:インフレ指標の

3日にトルコの1月インフレ指標の発表を控えているのにもかかわらず、エルドアン大統領が同国統計局のディンサー局長を更迭したことが話題となっている。1年足らずで統計局トップが交代させられた理由は明らかにされていない。ただこのタイミングでの人事変更は、今回も大幅上昇が予想されるインフレデータに対する政治圧力(数値を大統領の望むように変えさせる?)ではないか、という懐疑的な見方も出ている。公式データ改ざんが危惧されるようでは、その国の通貨は保有しづらいままである。 なお、トルコ政府は国営テレビやソーシャルメディアを通じて、昨年末に打ち出した『為替リンクのリラ建て的預金』の推奨キャンペーンを展開し始めた。この政府の宣伝効果を暫く見極めることにもなる。

 

南アのインフレ加速要因の1つがガソリン価格の上昇

先週は南ア準備銀行(SARB)が南アのインフレ高進を受け、政策金利を4.00%まで引き上げた。インフレが加速した要因の1つが、ガソリン価格の上昇にある。南アでは、国内の一部ガソリン価格が1リットル20ランドまで上昇し、これまでの最高値を更新した。南アではガソリン価格の決定方法は複数に分かれている。1つ目は原油の輸入価格。2つ目はガソリン販売に際して、卸売・小売・輸送などで決められたマージンの上乗せ。そして、3番目は交通事故の犠牲者に支払う保険金のための道路事故基金税などの税金、で構成されている。1つ目の原油輸入価格は、ドルランドの為替レートの変化にも影響をうけ、毎月変更される。一方で、2つ目のマージンと、3つ目の税金の変更は1年に1回である。最近の上昇はこの1つ目の輸入価格の影響が大きく、国民の中では抗議の声が高まっているが、簡単には価格上昇は抑えられそうもない。南アの次期インフレ指標(CPI)の発表は2月16日になるが、おそらく再び最高値更新の可能性が高そい。このような影響から逃れるために、南アでは電気自動車への変更促進が進んでいるが、現状ではまだまだ変更には追い付いていないようである。

 

米国の雇用統計とISM製造業指数に注目が集まる

今週予定されている雇用統計、ISM製造業指数などの重要指標の発表を控え、国債相場の動向を睨む展開になる。連邦準備制度理事会(FRB)の速やかな利上げの思惑を受けてドルは引き続き底堅い展開が予想される。ボスティック米アトランタ連銀総裁は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での50BP利上げも選択肢になると述べている。エコノミストは年内の成長見通しを引き下げると同時に、市場はすでに年内5回の利上げを織り込んだ。ECI雇用コスト指数の伸びが過去最大となったため、FRBは12月のFOMCでタカ派に転じたが、雇用統計はFRBの金融政策決定に重要指標となる。特に平均賃金動向にも注目が集まる。

 

米国市場では1月ISM製造業景況指数:予想は58.0

12月実績は58.8だった。供給制約が続いていることや、国内における新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて企業投資はある程度抑制されている。支払い価格はていあしつつあることを考慮すると、全体の景況指数は12月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00   12月独小売売上高(予想:前月比▲1.4%/前年比3.4%)
○16:00   1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.6%)
○16:30   12月スイス小売売上高
○16:45   1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.5%)
○17:00   1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:3.0)
○17:30   1月スイス製造業PMI(予想:64.0)
○17:50   1月仏製造業PMI改定値(予想:55.5)
○17:55   1月独製造業PMI改定値(予想:60.5)
○17:55   1月独雇用統計(予想:失業率5.2%/失業者数変化▲6000人)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:59.0)
○18:30   1月英製造業PMI改定値(予想:56.9)
○18:30   12月英消費者信用残高(予想:4億ポンド)
○18:30   12月英マネーサプライM4
○19:00   12月ユーロ圏失業率(予想:7.1%)
○22:30   11月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.4%/前年比3.6%)
○23:45   1月米製造業PMI改定値(予想:55.0)
○24:00   12月米建設支出(予想:前月比0.6%)
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:57.5)
○2日00:30   1月メキシコ製造業PMI
○2日03:00   1月ブラジル貿易収支(予想:1.67億ドルの赤字)
○韓国、香港、シンガポール、中国(旧正月)、休場

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