FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米FOMCのタカ派姿勢を警戒した売り優勢

朝方はプラス圏での推移となっていたものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派姿勢が警戒され、NYダウ先物やアジア株の軟調な値動きに連れ安した。市場では、FOMCの結果はサプライズとはならなかったものの、FRBのパウエル議長が利上げ回数に関してあいまいな表現をしたことで警戒感がより高まったとの見方があった。結局、前営業日比841円安と2万6170円と3日続落となり、連日で昨年来安値を更新した。1月第3週(17日~21日)の海外投資家(外国人)は3046億円の売り越しとなり、2週連続となった。個人投資家は3194億円の買い越しとなり、2週連続となった。信託銀行は445億円の売り越しとなり、4週連続となった。

 

東京外国為替市場:方向感乏しく113円台後半でもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたリスク回避のドル売り・円買いが先行し、113.78円付近まで下落した。しかし、前日の東京市場でつけた安値113.67円が視界に入ると下げは一服した。その後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いも見られ、113.80円台を中心とする狭いレンジで取引された。午後に入っても、113.90円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは1.1305ドルを挟んでこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ウクライナ情勢緊迫化から予想される3つの影響:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは26日付リポートでウクライナ情勢の緊迫化についてこれ以上の悪化は想定していないとしつつ、予想される影響を3点挙げた。まず、2014年のロシアによるウクライナへの侵攻から、現在のロシアのエネルギー輸出を制限する制裁はありそうにないことを示唆している。ヨーロッパにおける報復的なガス不足のリスクとともに世界的な石油価格の上昇という代償からロシアの石油収入へのマイナスの影響は制限されるとみている。次に、今後パイプラインなどの物理的な破壊が起こる可能性もあるが、ロシアがウクライナからのルートを変更できることを考えると、ガスや石油のパイプラインが停止した場合の影響は小さいと予想される。最後に、より長期的なエネルギー制裁の可能性があるのは、独露を結ぶガスパイプライン『ノルドストリーム2』や、ロシアのシェールや北極圏の上流活動への関与に対する14年の制限の拡大などで、石油やガス市場の投資不足を引き続き悪化させるとみている。仮にウクライナ情勢がさらなる緊迫化を抑えた場合、原油は1バレルあたり2ドル上昇すると予想した。『過去数十年間で最も厳しい在庫水準、低い代替能力、はるかに弾力性の低いシェール・セクターを背景に、これはエネルギー価格の上昇傾向が上向きにシフトしていることを示しており、ポートフォーリオのコモディティーへの配分が増加していることを裏付けている』との見解を示した。

 

トルコでは天然ガス供給問題で輸出規模の縮小懸念

トルコにとって主要な天然ガス輸入先の1つであるイランが供給を一時的ながらも止めたことを受け、トルコ政府が大口利用者への電力供給を停止した影響が広がっている。一部の製造業は工場の稼働ストップに追い込まれ、それに伴う輸出規模の縮小が懸念され始めた。友好国アゼルバイジャンがトルコへのガス輸出量を拡大させるとの報道もあり、経済活動の支えとなるかが注目される。

 

トルコでは行員にノルマ設定:外貨建て預金をリラに交換

一部通信社によれば、トルコの主要国営銀行が行員に対し、顧客に外貨建て預金をリラに交換させるノルマを設定したと報じている。エルドアン政権が自信を持って打ち出した『為替リンクのリラ建て定期預金』は、これまで約1310億リラが集まったとされているが、外貨預金からの流入は新預金全体の15%に留まっている。思ったほどの効果が得られず、焦った政権が国営銀行に圧力をかけている。

 

南ア準備銀行の政策金利発表待ちの様相:予想は0.25%の利上げ

南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)の結果発表待ちとなる。市場ではMPCが0.25%引き上げを決定し、政策金利を3.75%から4.00%に変更するとの予想が現時点では優勢となっている。SARB声明やクガニャゴ総裁の発言などにも注目が集まっており、内容に対し市場は素直な反応を示すと思われる。通常発表される日本時間の22時過ぎから、神経質な値動きとなりそうである。

 

IMFではメキシコの22年の経済成長率を下方修正

国際通貨基金(IMF)が2022年の経済成長率見通しを発表し、メキシコは前回の+4.0%から+2.8%へ下方修正された。理由としては、米経済の成長率引き下げに伴って外需が低迷するとの指摘があったほか、メキシコ中銀による連続利上げや高止まりするインフレが国内景気に影響を与えるのではとの見解が示された。

 

米FOMCの声明文とパウエルFRB議長発言内容

FRBは今日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明文で『政策金利をまもなく引き上げるのが適切』と表明し、3月会合での利上げを示唆した。『FRBのバランスシートの規模縮小に関する原則』では利上げ開始後に資産圧縮を実施する方針を示した。 また、パウエルFRB議長は会合後の会見でインフレ加速に加えて労働市場の強さを強調し、金融引き締めに前向きな姿勢を示した。さらに、3月以降全ての会合で利上げが行われる可能性があるか否かについて明言を避け、『労働市場を損ねない範囲で利上げ余地は大きい』との考えを示した。バランスシートの縮小については『前回より早期で急速となる可能性』『かなりの量を縮小する必要』などと語った。

 

米国市場では10-12月期国内総生産速報値:予想は前期比年率+6.0%

参考となるアトランタ地区連銀の経済予測モデル『GDPNow』の1月19日時点の予測によると、前期比年率+5.1%だった。12月小売売上高と鉱工業生産が低調だったことから、成長率の予測値は7%台から5%程度まで低下した。インフレ率は、供給制約の緩和などに伴い、2022年後半にかけて低下に向かうと予想されているが、昨年10-12月期の時点では経済成長を抑える要因だったとみられる。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲7.8)
○18:30   12月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.7%/前年比10.2%)
○21:00   12月メキシコ貿易収支(予想:11.00億ドルの黒字)
○未定    南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:4.00%に引き上げ)
○22:30   シクルナ・マルタ中銀総裁、講演
○22:30   10-12月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率5.5%)
       10-12月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率3.3%)
       10-12月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率4.9%)
○22:30   12月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.5%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:26.0万件/165.0万人)
○24:00   12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.5%/前年比▲4.0%)
○28日03:00   米財務省、7年債入札

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