FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米株先物の持ち直しを好感して下落幅縮小

日経平均株価は安く寄り付いた後、いったんプラスに転じた。しかし、上昇の勢いは続かず、短時間でマイナスに押し返された。米FOMCの結果発表や米FRB議長会見を控えて不安定な値動きが続き一時2020年12月以来、約1年1ヵ月ぶりの安値をつける場面もあった。ただ、軟調だったNYダウがプラスに転じたことを受け、日経平均株価も下げ幅を縮小した。結局、前営業日比120円安の2万7011円と続落して終了した。信用評価損益率は21日申し込み時点でマイナス12.93%と、前の週のマイナス10.61%からマイナス幅が2.32ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米FOMC結果を控え方向感の乏しい展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたリスク回避のドル売り・円買いが先行し、113.78円付近まで下落した。しかし、前日の東京市場でつけた安値113.67円が視界に入ると下げは一服した。その後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いも見られ、113.80円台を中心とする狭いレンジで取引された。午後に入っても、113.90円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。今晩の米FOMCやパウエル米FRB議長の記者会見を控えて、様子見ムードが強まった。ユーロ/ドルは、1.1305ドルを挟んでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ガソリン価格が13年ぶりに170円超え:ウクライナ緊迫で一段高も

資源エネルギー庁は26日、レギュラーガソリンの店頭価格が1リットル170.2円(全国平均、24日時点)だったと発表した。170円超えは約13年ぶりとなった。せいふは石油元売りなどに補助金を支給する『激変緩和措置』で価格高騰の影響を和らげたい考えだが、ウクライナを巡る地政学リスクも原油市場の火種となっている。

 

ヘッジファンドと機関投資家の売り越し基調が続く:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの25日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は17~21日の1週間に米株を6億500万ドル売り越した。3週ぶりに売り越しに転じたことになる。この週は20日夕に21年10~12月期(4Q)決算を発表したネットフリックスが加入者の鈍化を受けて急落し、主力ハイテク株が弱い中でS&P500指数が週間で5.68%安となって3週連続で大きく下げて終えた時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が24億1400万ドルの大幅売り越しで、2週連続の売り越しとなった。機関投資家は13億6700万ドルの売り越しで、4週連続の売り越しだった。個人投資家は7億8900万ドルの買い越しで、3週連続の小幅買い越しとなった。企業の自社株買いは23億8600万ドルで4週移動平均(29億7300万ドル)をやや下回って低調だった。
 傾向としては下げ相場の中、前週に続いてHFと機関投資家の売り越し基調が続く中、個別株売り・上場投資信託(ETF)買いの動きとなった。個人投資家は下げ相場で逆張りで、中小型株を買ったという。一部の顧客でではエネルギー株を売ってテクノロジー株を買う動きもみられたが、同社はまだテクノロジーを買う局面ではないとの見方を示していた。

 

荒れる株式市場で金ETF残高は5ヵ月ぶり高水準

米連邦準備理事会(FRB)の金融政策運営を巡る不透明感に加え、ウクライナ情勢の緊迫化で世界の株式市場は大荒れとなっている。投資家リスク回避の姿勢を強める中、資金の逃避場所となっているのが金市場となっている。金価格に連動する上場投資信託(ETF)の代表的存在である『SPDRゴールド・シャア』の残高は25日時点で1013.1トン。前週後半から増加傾向にあり、2021年8月19日以来、およそ5ヵ月ぶりの高水準になった。NY市場の金先物(中心限月2月物)は25日終値で1トロイオンス1852.5ドルと昨年末に比べ1.3%ほど高い。

 

トルコでは大口利用者への電力供給を一時停止:輸出の失速懸念

トルコ政府は、今週3日間の大口利用者への電力供給停止を決定した。電力需要が高まる冬の時期にもかかわらず、主要な天然ガス供給国の1つイランからの輸入が止まっているからである。これにより工場の稼働を停止せざるを得ない自動車メーカーもでてきており、重要な外貨獲得手段である輸出の失速も懸念される。

 

27日の南ア準備銀行の金融政策委員会に注目:0.25%の利上げ予想

27日には南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)も開かれ、大きなイベントを確認するまでは一方的な動きを期待するのが難しい状況である。SARBに関しては、昨年11月に続いての利上げ予想が徐々に優勢になっている。利上げ幅は0.25%と、現行3.75%から4.00%にするとの予想が大半になっている。今後のインフレ高進の予想から0.25%超の利上げを予想する声もあるが、米国のような完全雇用に近い国とは違い、南アは高失業率のため、金融引き締めを急ぐことはなかなかできない。このままスタグフレーションに進む可能性や、高失業下の中での南アの生活費の高騰による国民の混乱など、ネガティブな材料は豊富だが、短期的には金利高のランド買いに動きやすい相場になるのではないかと思われる。

 

米FOMCでは市場の警戒しているほどタカ派色強まらない可能性も

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日から26日の2日間、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。FRBは今会合で、政策金利を据え置くと同時に、今後の引き締め計画を発表すると見られている。サプライチェーンの混乱が長引き高インフレが想定通り弱まらず、一部ではFRBがこの会合で、資産購入の縮小を前倒しで直ちに終了することを発表し、3月の利上げに備えるとの見方も浮上している。また、FRBの金融政策が立ち遅れており、取り返すために3月の最初の利上げで50ベーシスポイント引き上げが必要とFRBが超タカ派に転じる可能性を予想する意見も見られる。ただ、世界の株式相場はFOMCの積極的な引き締めを恐れ年初から調整局面にある。同時に、オミクロン変異株が拡大した昨年11月ごろから景気回復も一時停滞している兆候が見られる。製造業とともに消費にも影響が出始めている。そのため、市場が警戒しているほど、タカ派色が強まらない可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:45   1月仏消費者信頼感指数(予想:98)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   12月米卸売在庫(予想:前月比1.2%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○24:00   12月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.2%/76.0万件)
○27日00:30   EIA週間在庫統計
○27日01:00   マックレムBOC総裁、記者会見
○27日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○27日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○豪州(建国記念日)、インド(共和国記念日)、休場

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