FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:自立反発狙いの買いも上値の重い展開

日経平均株価は、前週の下落からの自立反発狙いの買いが先行して高く寄り付いた。しかし、28,500円を回復する勢いも見られず利益確定売りが強まり、前引けにかけて次第に上げ幅を縮小した。午後になると、17日の米国株式市場はキング牧師誕生日の祝日で休場となるため、次第に様子見ムードが強まる展開になった。結局、前営業日比209円高の2万8333円と3営業日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:114円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、114.51円付近まで上昇した。先週末のNYで米長期金利が1.79%台へ上昇し、日米金利差が拡大したこともドルの押し下げ要因となった。ただ、明日発表される日銀金融政策決定会合の結果や黒田日銀総裁の記者会見を見極めたいとの雰囲気もあり、上昇も一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、114.40円付近へ緩んだ。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向を睨みながら、114.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。本日は米国市場がキング牧師の誕生日で休場のため、積極的にポジションを傾けにくくなっている。

 

前週のFX概況ではドル買いは1年ぶり高水準

QUICKが17日に算出した店頭のFX5社合計(週間)の建玉状況によると、14日時点で円に対するドル買い比率は前の週末から13.6ポイント高の67.7%だった。集計者数の変更で単純比較はできないものの、ドル買い比率は2021年1月下旬以来およそ1年ぶりの高水準となった。前週は日米の株安や日銀による政策修正の思惑から円が14日に一時1ドル=113円台半ばに上昇し、3週ぶりの高値をつけた。円高・ドル安が進んだ場面で、相場の流れに逆らう「逆張り」傾向の強い個人投資家は円売り・ドル買いの持ち高を増やしたとみられる。

 

トルコのインフレ見通しは希望的観測:市場ではインフレ加速を予測

ネバティ・トルコ財務相は先週末、インフレは1月にピークを迎え、(1年半後となる)2023年6月までには一桁台に低下するだろうと述べた。もっとも効果的なインフレ抑制策を打てないなかで、財務相の見通しは選挙時期を意識した希望的観測と言える。一部の米金融機関は5月までに50%超えのインフレ加速を予測しており、トルコ中銀の市場参加者調査でも22年末のインフレ見通しの中心値は約30%とされた。ネバティ財務相はまた、政権が鳴り物入りで導入した『為替リンクの個人用リラ建て定期預金』に1260億リラが集まったことを明らかにした。そのうち、15%が外貨建て口座からの移し替えのようである。しかしながら、外貨建てを含めた国内の総預金額(12月時点で4兆8700億リラ)の約2.6%であり、エルドアン大統領の目論見通りとはなっていない。

 

南アの12月消費者物価指数と11月小売売上高の結果に注目

今週の経済指標では、19日に発表予定の12月消費者物価指数(CPI)と11月小売売上高に要注目である。CPIは11月には5.5%まで上昇し、昨年5月から連続で南ア準備銀行(SARB)の目標中心値(3-6%バンドの間の4.5%)を上回っている。昨年最後の11月金融政策委員会(MPC)で利上げを行ったこともあり、CPIの低下が期待されているが、南ア国内のエネルギー価格がいまだに高いことを考えると、大きくCPIが下がることは難しい。もし、高いCPIが継続した場合は、来週27日に予定されているSARBのMPCで利上げ期待が台頭する可能性もある。

 

メキシコでは自動車メーカーの操業停止相次ぐ:ペソにとっての重石

日本の自動車メーカーであるマツダはメキシコ工場の操業を今月2日間停止すると発表した。メキシコでは半導体不足によって自動車メーカーの操業停止が相次いでおり、自動車生産台数は直近で6カ月連続での減産となっている。メキシコの主要産業の先行き懸念が高まることはペソにとっても重石になる。

 

米小売売上高は5ヵ月ぶりにマイナス

14日に発表された2021年12月の米小売売上高(季節調整済み)は前月比1.9%減少の6268億ドル(約71兆円)と市場予想を下回った。前月比でマイナスとなるのは5ヵ月ぶりとなった。新型固陋なウイルス変異株『オミクロン株』の感染者拡大で店舗の集客が低下したことが主因とされる。一方、米アマゾンなどが年末商戦のセールを前倒しした影響も指摘された。また、米メディアは12月の販売機会の損失分が1月以降にずれ込むとの見方も伝え、消費支出に陰りが生じたという兆しではないと楽観的な見方が残っている。

 

1月SQ週にNYダウは平均0.08%上昇:明確な傾向は伺えず

21日に米国市場でオプションの満期日を迎える。いわゆる米国の1月SQ週となるが、相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば、1999年以降でNYダウは1月SQ週に平均で0.08%上昇した。ただ、上昇が12回、下落11回あり、明確な傾向は伺えない。一応、2018年以降は4年連続で1月SQ週は上昇していたが、21年10~12月期(4Q)の米決算シーズンが2週目に突入する中、5年連続の上昇となるか?注目される。

 

投資家はグロースとバリューのエクスポージャーのバランスを取るべき:GS

米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げや量的引き締め(QT)への警戒感から米国株が不安定な展開になっているが、ゴールドマン・サックスは14日付のリポートで、株式はFRBの引き締めサイクルの開始前後から回復力があり、歴史的には将来の利上げへの期待の高まりと歩調を合わせて好調だったとの見解を示した。リポートでは、同社が3月米連邦公開市場委員会(FOMC)から今年4回、23年には3回の利上げを見込んでいるとしながら、『5年先のFF金利の期待値が上昇すると、通常、株式は平均を上回るリターンを示し、景気敏感株とバリュー株が最良のパフォーマンスを示す傾向がある』と指摘した。その上で『投資家はグロース株のエクスポージャーのバランスを取るべきだ』とみていた。ファクター・レベルでは、バリュー株は最初の利上げ前後の数ヵ月でパフォーマンスを上回る傾向があるほか、ハイクオリティ・ファクター(例:高利ザヤ、強固なバランスシート)は景気上昇前の力強い経済環境の下では下振れし、利上げ後の数ヵ月では上振れするという。グロース・ファクターは最初の利上げ前後の6ヵ月で最悪のパフォーマンスを記録した。

 

欧米市場のポイント

○22:30   11月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.6%)
○22:30   11月対カナダ証券投資
○ユーロ圏財務相会合
○世界経済フォーラムのオンライン会議(「ダボス会議」延期に伴う代替イベント、21日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ