FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク回避の売りが広がった

米金融政策の正常化加速や新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感、為替の円高が相場の重石となった。前日の米国株式市場でハイテク株安を背景に主要株価指数が下落した流れを受け、東京市場でも運用リスクを回避する売りが広がった。下げ幅は一時600円に迫った。日銀による株ETF買いの基準との思惑がある前場のTPIXが2%超安となったことで、買入の可能性が意識された。結局、前営業日比364円安の2万8124円と続落して終了した。1月第1週(4日~7日)の海外投資家(外国人)は2988億円買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。個人投資家は3億円売り越しとなり、売り越しは5週連続となった。信託銀行は572億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。

 

東京外国為替市場:日銀の利上げ観測記事で円買い強まる

ドル/円は、日経平均株価の大はbあ安がリスク回避のドル売り・円買いを誘い113.75円付近へ軟化した。一部メディアが『日銀は金融政策の正常化に向けて議論しており、インフレ目標2%達成を前に利上げに踏み切る可能性がある』との観測記事を報じたことで、日本国債利回りが急上昇したことも円買いにつながった。午後に入っても、ドル売り・円買い基調は続き、113.64円付近まで値を下げて昨年12月21日以来となる安値をつける場面があった。ただ、今晩米国で発表される12月米小売売上高などの経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、日経平均株価の下げ幅縮小を眺めたドル買い・円売りも見られ、113.70円台へ値を切り返した。ユーロ/ドルは、米国市場の3連休を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1480ドル台へじり高となった。

 

英ジョンソン首相に辞任求める声:首相周辺で感染予防措置違反

英国ではジョンソン首相周辺で感染予防措置に違反する事例が相次いで報道され、党内からも首相の責任追及や辞任を求める声が出始めている。党首解任の鍵を握る非閣僚議員には、強硬離脱派やロックダウン反対派が多い。ジョンソン首相は政権延命に向けて、膠着する北アイルランド運営規則の見直し協議での強硬姿勢継続や、感染予防よりも経済活動を重視する公算が大きい。新たに発覚した官邸主催パーティーで首相の集会制限違反が確定したり、さらなる感染拡大で行動制限の再強化を迫られたり、5月の統一地方選挙で保守党の苦戦が続く場合、ジョンソン首相の党首解任と首相交代が現実味を帯びることになる。

 

商品価格高やオミクロン株が今年の世界の成長圧迫:ECB経済報告

欧州中央銀行(ECB)は13日公表した経済報告(Economic Bulletin)で、商品価格の上昇や、新型コロナウイルスのオミクロン株の出現、中銀による迅速な引き締め政策などが今年の世界経済の成長を圧迫する恐れがあるとの見解を示した。『持続的な供給ボトルネック、商品価格の上昇、オミクロン株の出現が引き続き短期的な成長見通しを圧迫する』とし、『主要先進国がより早くより急速に金融政策を引き締めた場合、新興国の金融環境に波及する可能性があり、成長の下振れリスクとなる』と指摘した。オミクロン株によって世界の成長はボラティリティーが高まる公算が大きいが、長期的な影響を予想する段階ではないとした。

 

トルコ中銀金融政策会合を控えリラを手放す動き

緩和サイクルの継続が確実視されるトルコ中銀金融政策決定会合を1週間後に控え、リラを手放す動きが強まった。中銀の週間データで、ネットの外貨準備高が2002年以来の低水準まで落ち込んだことが明らかになったことも重石に繋がった。来週の中銀会合では政策金利の据え置きが見込まれているが、今年5月頃までトルコのインフレ高進が続くと見る向きが増えるなか、実質金利マイナス幅拡大への警戒感は高まるばかりである。低金利信奉のエルドアン大統領の言いなりとなる中銀・金融政策委員会(MPC)に対する市場の信頼感はほぼ失われており、その国の通貨価値が高まらないのも頷ける。なお一部通信社によればエルドアン大統領は昨日、移民対策で意味のある支援をしていないと欧州連合(EU)を批判。トルコは関係強化を望んでいるものの、EUの引き延ばし戦術にあっていると述べた。EU側の言い分は伝わってきていないが、トルコ大統領の強気な態度で両者の溝が広がる危険性はある。

 

複数のファンドが新興国株は資金シフト:南アランドも下支えされる

市場では複数のファンドは、昨年の12月のドル買いがほぼピークとみなし、積極的に新興国株に資金をシフトしているとの話が出ています。ここ最近の値動きを見ても南ア株は堅調に推移していますし、昨日も米国の株安にもかかわらずヨハネスブルグ40指数はほぼ横ばいで取引を終えた。このような資金シフトが今後も続くと、ランド/円も底堅さを維持できる。また、市場では南ア準部銀行(SARB)が『1月か3月の会合で利上げするだろう』との声も出ている。このような声が高まっていることで、来週19日に発表される消費者物価指数(CPI)への注目がより高まる。なお、SARBの金融政策委員会(MPC)は27日に行われる予定になっている。

 

米10年債利回り上昇は限定的で成長株へのリスクは小さい:GS

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらは、2022年末までに10年物米国債利回りが2%になると予想し、現水準からの上昇は限られるとの見通しを示した。従って、将来利益の『割引率による成長株のバリュエーションへのリスクも限られる』と、ベン・スナイダー氏らがリポートで分析した。また、米連邦準備制度による金融引き締めが経済成長を損なうとの懸念は成長株よりも、シクリカルなバリュー株により大きな打撃を与えるだろうとも指摘した。ゴールドマンのストラテジストらは『2022年の成長減速の可能性が高いことが成長株を支持する論拠になる』と主張した。『金利環境で調整した成長株のバリュエーションは2000年に比べはるかに無理がないと思われる』とも説明した。

 

米国市場では12月小売売上高が公表:予想は前月比-0.1%

11月実績は前月比+0.3%だった。衣料品の売上高が減少し、食品・飲料は増加した。12月については、新型コロナウイルス感染の再拡大やインフレ高進が個人消費を抑制したとみられており、前月比マイナスとなる可能性がある。

 

米国市場では12月鉱工業生産が公表:予想は前月比+0.3%

11月実績は前月比+0.5%だった。製造業の増加が目立った。供給制約は緩和されつつある。12月もこの傾向は変わらないとみられており、製造業と鉱業の増加が予想されることから、前月比プラスとなる見込みとなっている。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.4%)
○16:00   11月英鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比0.5%)
○16:00   11月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○16:00   11月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:142.00億ポンドの赤字/25.00億ポンドの赤字)
○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比2.8%)
○17:30   12月スウェーデンCPI(予想:前月比1.2%/前年比3.9%)
        コア指数(予想:前月比1.2%/前年比4.0%)
○19:00   11月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済15億ユーロの黒字)
○21:00   11月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比▲6.5%)
○22:30   12月米小売売上高(予想:前月比横ばい/自動車を除く前月比0.2%)
○22:30   12月米輸入物価指数(予想:前月比0.3%)
○22:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:15   12月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
          設備稼働率(予想:77.0%)
○24:00   1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:70.0)
○24:00   11月米企業在庫(予想:前月比1.3%)
○15日01:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

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