FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ハイテク株を中心に買いが先行

前日の米国株式市場の流れを引き継ぎ、ハイテク株を中心に買いが先行した。香港ハンセン指数などのアジア株の上昇も支えになり、日経平均株価は上値追いの展開となった。一方、午後になると金利先行観もくすぶり、上昇の勢いはやや一服した。グロース(成長)株を中心に買い戻す動きは概ね一巡し、市場の目線は本日NY時間で発表される消費者物価指数(CPI)に向かったため、様子見ムードが広がった。結局、前営業日比543円高の2万8765円と4営業日ぶりに反発した。

 

東京外国為替市場:リスク選好も115円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売りが先行し、115.23円付近まで下落した。しかし、前日につけた115.13円が下値の目処として意識されると下げは一服した。その後は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の大幅反発に支えられ、115.40円付近へじり高となった。午後は、日経平均株価や米長期金利睨みながら、115.30円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。今晩は市場の注目を集めている12月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

海外勢は日本株を2ヵ月連続売り越し

財務省が12日に発表した対外及び対内証券売買契約などの状況(月次、指定報告機関ベース)によると、海外投資家は2021年12月に日本株を2ヵ月連続で売り越した。売越額は1兆3242億円だった。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン型』の感染拡大などにより欧米株式が軟調に推移した流れを受け、日本株にも売りが優勢になった。海外投資による中長期債への投資は2ヵ月連続で買い越した。買越額は3兆68億円だった。国債の償還があったものの、先物に絡む現物買いなどがみられた。短期債は3ヵ月ぶりの売り越しで、売越額は1兆5007億円だった。国内投資家は海外株式を2ヵ月ぶりに買い越した。買越額は1兆4601億円だった。オミクロン型の感染拡大などにより欧米株式が下落した局面で、年金など信託銀行(信託勘定)による買いが入った。海外の中長期債は2ヵ月連続で売り越し、売越額は2兆3809億円だった。

 

中国のロックダウンで世界供給網に再び打撃:米WSJ

中国全土で新型コロナウイルス感染が広がっていることを受け、主要メーカーの工場閉鎖や港湾施設での滞留、労働者の不足といった問題が相次いでいる。当局がこの2年近くでは見られなかった大掛かりなロックダウン(都市封鎖)や大量検査を導入しているためである。こうした中、世界第二位の経済規模を誇る中国で混乱が続けば、世界経済への影響は避けられないとの懸念が高まっている。半導体メーカーの韓国サムスン電子や独自動車メーカー大手フォルクス・ワーゲン(VW)、スポーツ用品大手の米ナイキや独アディダスを顧客に抱える繊維企業ではすでに生産に支障が生じている。東部の港湾都市、天津や中部の西安、南部のテクノロジー拠点・深センといった複数の都市では12月下旬以降、厳しいコロナ対策が導入された。コンテナ取扱量で世界第三位の寧波・舟山港では、周辺地域で二十数件の新規感染が確認されたことを受けて、トラック輸送や倉庫作業に制限が課されており、目詰まりがさらに悪化する恐れがある。

 

トルコ大統領は失敗を財務相に押し付け解任の可能性も

エルドアン大統領が自信を持って打ち出した『為替リンク個人向けリラ建て定期預金』が不発となり、大統領はかなりイライラしているようである。自身への支持低下を防ぐために、失敗をネバティ財務相に押し付けようとしているとの噂もトルコでは出ている。直近の世論調査では2015年以来で最低の政権支持率となったことが報じられており、財務相に就任したばかりのネバティ氏でも、追い詰められている大統領が解任に踏み切る可能性は否定できない。ただ、もし金融危機と言える状況下で財務省のトップを簡単に入れ替えるようであれば、海外投資家のトルコ離れは顕著になることが予想される。政権や中銀、そしてトルコ経済への信頼を取り戻すために今やるべきことは、低金利政策から正統的な金融政策に戻すことだが、大統領の考え方が改められるなどと期待するのは無理りである。やはり、リラの下値警戒感は高まったままとなる。

 

南ア企業による豪州企業買収でランド売りの可能性も

南アフリカのシーハーベスト社が豪州の海産食品会社MGカリス社を7000万豪ドル(約7億8530万ランド)で買収することが昨日発表された。豪州の規制当局に承認されれば、4月に買収が完了する可能性が高いともシーハーベスト社が発表していることで、豪ドル買い・ランド売りのフローがどこかのステージで出てくる可能性がある。

 

2022年が金融正常化を実施する1年:パウエル米FRB議長

米上院銀行委員会の再任承認公聴会で、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、経済にもはや大規模緩和は必要なく、現状が維持できれば2022年が金融正常化を実施する1年になると確認した。新型コロナ、オミクロン変異株による影響も今のところ回復軌道が損なわれる恐れが少ないと見ている。現状で、3月には資産購入を終了する。その後、利上げを開始し、おそらく年後半に9兆ドル規模に膨れ上がったバランスシート縮小を開始することになるだろうとの計画を明らかにした。バランスシート縮小に関しては、前回のバランスシート縮小に比べ、速やかなものになると言及した。期限を迎えた債券の再投資をしないことで、前回はB/Sの縮小を行ったが、経済が十分に強く、資産を売却する選択肢も除外しないとした。ただ、タイミングに関しては、決定していないと指摘した。インフレ抑制に積極的な利上げもいとわない姿勢を表明する一方、金融政策はあくまでも経済の状況の変化に対応していくとした。利上げの回数はデータ次第で、インフレ動向や供給問題を見極めていく方針を明らかにした。議長は加えて、金融政策正常化の道のりは長いと、完全な正常化には時間を要する可能性を示唆した。また、バランスシート縮小着手の時期も年後半と慎重だった。

 

米国市場では12月消費者物価コア指数:市場予想は前年比+5.4%

11月実績は前年比+4.9%だった。中古車、住居費の上昇が目立った。こうした状況は12月も変わらないと予想されており、物価上昇率は前年比5%超となる可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独卸売物価指数(WPI)
○19:00   11月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年比0.6%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比3.0%)
○21:00   12月インドCPI(予想:前年比5.8%)
○22:30   12月米CPI(予想:前月比0.4%/前年比7.0%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比5.4%)
○23:15   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○13日00:30   EIA週間在庫統計
○13日01:00   12月ロシアCPI確報値(予想:前月比0.7%)
○13日03:00   米財務省、10年債入札
○13日03:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○13日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○13日04:00   12月米月次財政収支(予想:250億ドルの赤字)
○北大西洋条約機構(NATO)・ロシア理事会(ブリュッセル)

 

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