FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く行って来い相場

朝方は前日の大幅安を受けた自立反発狙いの買いが相場を支えたが、買い一巡後はマイナス圏に転落した。今晩の米12月雇用統計の発表を控えているほか、国内では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、明日から3連休入りとなるため、手仕舞い売りが優勢になった。結局、前営業日比9円安の2万8478円と小幅に続落して終了した。12月第5週(27日~30日)の海外投資家は1022億円の買い越しとなり、2週連続となった。個人投資家は1174億円の売り越しとなり、4週連続となった。信託銀行は455億円の売り越しとなり、11週ぶりの売り越しになった。

 

東京外国為替市場:全般様子見ムード強く115円台後半でもみ合い

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入企業などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、116.05円付近まで上昇した。しかし、東京市場の3連休を前に、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いに115.80円台へ押し戻された。米長期金利が小幅に低下したことも、ドル売りにつながった。一部メディアが『沖縄で新型コロナウイルスの新規感染者数が1400人を超え、2日連続で過去最多を更新する見通し』と報じたものの、影響は限定的だった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、115.90円前後で推移した。今晩発表される12月米雇用統計を前に、様子見を決め込む市場参加者が多かった。ユーロ/ドルは、1.1300ドルを挟んで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀のネット外貨準備高は2002年以来の低水準

一部通信社は昨日、トルコ中銀のネット外貨準備高が2002年以来の低水準となったことを報じた。同銀の週間データから割り出した数値は、前週から1.9億ドル減少し83.4億ドルだった。中銀の準備高不足は深刻であり、他国との通貨スワップ協定の行方が重要となる。複数のメディアが報じているが、トルコ中銀が昨年末に1日で大きな利益を計上したことが話題となっている。12月30日時点での年間損益は約700億リラの『赤字』としていたところから、翌31日には約600億リラの『黒字』に転換した。中銀の利益の多くは財務省に配当されるため、中銀の無理やりとも言える黒字転換には政治の力が働いたのではないかとの憶測も流れている。なおトルコ政府が輸出企業に要求している『外貨建て収入の25%をリラに交換』との件では、やはり企業側からは不安の声が続出している。政府と経済界の溝が広まるようであれば、トルコへの投資を躊躇する雰囲気が強まってしまう。

 

メキシコへの送金40億ドル超えは9ヵ月連続

メキシコ銀行(中央銀行)が3日に発表した11月の国外労働者によるメキシコへの送金額は46億6500万ドルとなった。10月に記録した過去最高額(48億1800ドル)には及ばなかったものの、40億ドル超えはこれで9カ月連続になった。前年同月比でも38%増と好調な伸びを示している。要因として挙げられるのが米国経済の回復である。メキシコ人にとって最大の移住先である米国の景気はこの統計とも密接な関係を持っており、送金額の増加は米国経済の好調具合を示しているとも言える。特に米政府が失業給付金の上乗せ措置(新型コロナ対応策)を終了させた9月以降も送金額が伸びていることはポジティブな材料として捉えてもよさそうである。

 

メキシコのコロナ前の自動車販売台数への回復は長い道のり

メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)が昨日発表した昨年の自動車販売台数は101万4680台となり、一昨年の99万63台からは6.8%増えたものの、コロナ前の2019年の130万台には遠く及ばない結果となった。メキシコ自動車工業会の事務局長はコロナ前の水準に戻るのは2023年か2024年と予想しているが、最近ではオミクロン変異株の感染拡大が広がっていることで半導体はさらに不足し、工場稼働も休止し減産している状況にあるなかで、回復まではまだまだ長い道のりとなりそうである。

 

米30年住宅ローン金利が高水準に上昇

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は6日、米国で最も利用されている期間30年の住宅ローンの平均金利が2020年5月以来の高水準に上昇したと発表した。フレディマックの市場調査によると、1月6日までの週の30年住宅ローン金利は3.22%で、前週の3.11%から上昇した。米住宅市場では、旺盛な需要に対し限定的な供給という構図が続くと予想される上、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が浮上していることが背景にある。

 

米10年債利回り3%に備えよ:みずほ銀行

予想よりタカ派色の強い内容だった米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が市場にとって何を意味するのか、トレーダーは戦略見直しに忙しい。みずほ銀行は米10年債利回りが最高3%に上昇するリスクがあるとして、膨張した米債券ポートフォリオを売るよう投資家に促している。

 

米国市場では12月雇用統計が公表

先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の12月分は前月比+80.7万人と、11月から予想外に伸びが拡大しただけでなく、予想のほぼ2倍100万人近くとなった。このため、雇用統計の強い結果に期待が集まる。全米の製造業活動状況を占めすISM製造業景況指数の雇用は54.2と、4カ月連続の50台で活動の拡大が継続し、4月来で最高となった。米国経済の7割を消費が占めるため注目のISM非製造業景況指数の雇用は54.9と、56.5から低下したものの、6カ月連続で50を上回り活動の拡大を示した。

◇市場予想

失業率:4.1%(11月4.2%)非農業部門雇用者数:前月比+44万人(+21 万人)民間部門雇用者数:前月比+52.5万人(+60.4万人)平均時給:予想:前月比+0.4%、前年比+4.2%(+0.3%、+4.8%)

 

欧米市場のポイント

○15:45   12月スイス失業率(季節調整前、予想:2.7%)
○16:00   11月独鉱工業生産(予想:前月比1.0%/前年同月比▲0.8%)
○16:00   11月独貿易収支(予想:128億ユーロの黒字)
○16:00   11月独経常収支(予想:170億ユーロの黒字)
○16:30   11月スイス小売売上高
○16:45   11月仏消費支出(予想:前月比0.5%)
○16:45   11月仏鉱工業生産(予想:前月比0.5%)
○16:45   11月仏貿易収支(予想:72.30億ユーロの赤字)
○16:45   11月仏経常収支
○18:30   12月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.0)
○19:00   12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比4.7%)
○19:00   12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.6%)
○19:00   12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:116.0)
○19:00   12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲8.3)
○19:00   11月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.5%/前年比5.6%)
○21:00   12月メキシコCPI(予想:前年比7.51%)
○22:30   12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.75万人/失業率6.0%)
○22:30   12月米雇用統計
○24:00   12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○8日01:00   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○8日02:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、米経済学会の年次会合に参加
○8日05:00   11月米消費者信用残高(予想:195.0億ドル)

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