FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高と円安基調を好感した買い優勢

前日に米国株式市場で主要3指数が上昇した流れを受けて、東京市場でも主力株を中心とした幅広い業種で買いが先行した。堅調な中国の経済指標なども支えとなった。ドル/円が2017円1月以来の高水準の115円台後半まで上昇しており、円安メリット期待で自動車など輸出株が一段高となった。結局、昨年末の前営業日比510円高の2万9301円と3営業日ぶりに反発して終了した。2021年11月25日以来の高値となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇でストップ巻き込みながらドル買い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅反発に支えられ、115.45円付近へじり高となった。その後も、低下していた米長期金利が持ち直すと、継続的にストップロスのドル買い・円売りオーダーを巻き込みながら115.60円台へ上昇した。午後に入ってもドル買い・円売りの流れは止まらず、一時115.81円付近まで上昇しておよそ5年ぶりとなる高値を付けた。原油先物相場の上昇を眺めて資源国通貨高・円安が波及した面もあった。ユーロ/ドルは、休場明けとなる欧州勢の動向を見極めたいとの雰囲気から、1.1305ドルを挟んで小幅な値動きに終始した。

 

ドル買い比率は約2ヵ月半ぶりの低水準:前週のFX概況

QUICKが4日に算出した2021年12月30日時点のFX5社合計(週足)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率は47.2%だった。前の週末から5.9ポイント低下し昨年10月中旬以来、約2ヵ月半ぶりの低水準となった。マーケットが世界的に運用リスクを積極的にとる『リスクオン』に傾き、円は対ドルで約1ヵ月ぶりの安値を付けた。個人は相場の流れに逆らう「逆張り」の円買い・ドル売りを増やした。

「ユーロ/円」取引のユーロ買い比率は24.5%と4.7ポイント低下し10月下旬以来の低水準となった。「ポンド/円」取引のポンド買い比率も7.5ポイント低い41.0%だった。

 

トルコ最大都市でのインフレ率は少なくとも過去10年間で最高

トルコ政府は1日、電力・天然ガス価格の引き上げを発表した。最大都市イスタンブールのインフレ率は、少なくとも過去10年間で最高を記録した。エネルギー市場監督当局は、世界的なエネルギー価格高騰を理由に、2022年の電力価格を引き上げると発表した。法人などの大口需要家向けは最大125%引き上げ、一般世帯向けは50%程度引き上げる。ガス配給会社BOTASによると、家庭向けの天然ガス価格は25%引き上げ、産業向けは50%引き上げる。電力会社向けは15%の引き上げになる。イスタンブール商工会議所が1日発表した12月のイスタンブールの小売価格は前月比9.65%上昇、前年比34.18%上昇だった。家電価格が20%以上上昇し、食品も15%近く値上がりした。イスタンブールの卸売価格は前月比11.96%上昇、前年比47.10%上昇した。

 

南アランドは材料難から落ち着きのない動きになりやすい

南アランドを動かすような経済指標の発表も1月第1週はほぼない。また、1月19日に12月の消費者物価指数(CPI)が発表され、27日に南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が開かれることもあり、1月中旬に入るまではランド/円市場は落ち着きのない動きを繰り返すことになりやすい。昨年も1月の最初の6営業日だけで7.8円台から7.45円までの間で激しく上下した。なお、週末に南アの国会議事堂が放火されたが、すでに2日には49歳の男性が逮捕された。犯人とみられる男性は本日にも、住居侵入、窃盗、放火の件数だけでなく、国家キーポイント法に基づく容疑(国家に対する反逆)で起訴されると予想されている。 この火災に対する市場の反応はほぼなかった。

 

メキシコ国内での石油の自給自足:財政面のでの不安が膨らむ

メキシコの国営石油会社ぺメックスは28日、政府がかねてから掲げてきた自国での100%石油精製を実現するために、来年の原油輸出を大幅に削減する計画を発表した。ロメロCEOが明らかにしたところによると、来年は現在の日量101.9万バレルから日量43.5万バレルとおよそ半分以下まで減らす見込みである。今年7月には英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと共同運営してきた米テキサス州のディアパーク製油所の権益について、持ち分を全て買い取ることを発表し、来月には支払いが完了し、ディアパーク製油所を単独保有することで精製能力が一段と上がる見通しとなっている。また、南部タバスコ州のドスボカスで建設中の新たな製油所は2023年、遅くても2024年には完成されていると見られており、これによりメキシコ国内での石油の自給自足が可能であるとロメロ氏は自信を示している。ただ、これまで輸出での収入に頼っていた面もあることから国内外では『財政面での不安を膨らませることになる』と警告する声も浮上している。

 

米国では強い回復が続くとの楽観的な見解:労働市場の改善が鍵

新型コロナ、オミクロン変異株感染が短期で終了し、強い回復が続くとの楽観的な見解に基づき、米連邦準備制度理事会(FRB)も金融緩和解除の軌道にあるとの見方が強まっている。米国では新型コロナ、オミクロン変異株感染が急増しているものの、専門家によると、他の変異株に比べて短期間に流行が収束する見通しを示している。東部のピークも今後2、3週間と見ている。加えて、ワクチンや追加接種の普及や治療薬などの開発も進んでおり、連邦、州政府は、2020年のような経済活動の封鎖は計画していない。そして、直近では今週後半に米雇用統計が発表されるが、FRBが金融政策を決定する上の鍵となる。労働市場の改善が一段と確認されると利上げ観測がさらに強まる。

 

米国市場では12月ISM製造業景況指数が公表:予想は60.0

11月実績は61.1で10月実績を上回った。新規受注の加速や、生産と雇用の改善が寄与した。企業投資は堅調に推移している。12月については、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の感染拡大が警戒されており、11月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月独小売売上高(予想:前月比▲0.3%/前年比▲3.1%)
○16:30   12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:45   12月仏CPI速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
○17:55   12月独雇用統計(予想:失業率5.3%/失業者数変化▲1.50万人)
○18:30   12月英製造業PMI改定値(予想:57.6)
○18:30   11月英消費者信用残高(予想:8億ポンド)
○18:30   11月英マネーサプライM4
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:2.25%に引き上げ)
○22:30  11月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.8%)
○22:30  11月カナダ原料価格指数(予想:前月比横ばい)
○24:00  12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:60.0)
○石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」閣僚級会合
○ロシア(新年休暇)、休場

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