FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高を好感した買い優勢

クリスマス休暇明けの米国株式市場は主要3株価指数が4日続伸した流れを引き継いだほか、朝方に経済産業省が発表した11月鉱工業生産指数速報値は、市場予想を上回った。また、部品不足で減産していた自動車の生産回復などにより、今年7月以来の水準を回復し、基調判断も上昇修正したこことを好感した買いが入った。結局、前営業日比392円高の2万9069円と3営業日ぶりに反発した。11月25日(2万9499円)以来およそ1ヵ月ぶりの高値を回復した。

 

東京外国為替市場:心理的な節目の115円が上値目処として意識

ドル/円は、仲値に向けて国内輸入企業などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、一時114.95円付近まで上昇し、約1ヵ月ぶりの高値をつけた。日経平均株価の大幅高でリスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、心理的節目の115.00円に接すると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、114.90円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、114.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。月末・年末に絡む本邦実需筋の売買が午前中で終了したこともあり、午後は閑散相場となった。ユーロ/ドルは、クリスマス休暇入りで市場参加者が通常よりも少なく、1.13ドル台前半でもみ合う展開になった。

 

円転と本国送金の減少で年度末決算にかけて円高抑制

為替相場では日本企業による円転が減少傾向にあり、3月の決算対策に向けて円高が制御される。経常収支は輸出減と輸入増、海外拠点の売上減など黒字が減少しており、今年度4-10月時点の黒字累計は昨年に続いて2014年以来の低水準になってきた。昨年、14年とも翌年1-3月はドル高・円安が進行している。さらに海外での供給網再構築や環境対策などでの現地再投資、企業の現預金急増と余裕資金増、来年の米利上げに向けた保有ドル資金の重み、米国債の価格底堅さによる外債投資の差損回避などが、国内への円転回帰を抑制させる。

 

中国恒大集団は12月に開発物件3万9000戸の引き渡し

債務危機に揺れている中国不動産大手の中国恒大集団は26日に開いた会議で、建設を中断していた全国の開発プロジェクトのうち、同日時点で91.7%が工事を再開したことを明らかにした。工事再開の割合は9月初めに比べ40ポイント上昇した。従業員8万9000人が業務に復帰している。『証券時報』が26日伝えた。中国恒大集団の許家印会長は、従業員の業務復帰を引き続き推進し、12月に開発物件3万9000戸の引き渡しを実施できるよう全力を尽くすとしている。同社の9-11月の月間引き渡し戸数はいずれも1万戸を下回ったが、建設の再開に伴い12月は115件のプロジェクトで引き渡しを予定している。

 

ロシアは年明けに米国と安全保障協議へ

ロシアのラブロフ外相は27日、ロシアの外交・防衛担当当局者が来月、米国と安全保障関連協議を行う見通しだと述べた。ロシア外務省のウェブサイトでライブ配信されたインタビューで述べた。ラブロフ外相は、協議はロシアの新年の連休明けに行われる見込みだと述べた。ロシアの来年の仕事始めは1月10日。タス通信は26日、ロシア外務省筋の話として、安全保障の問題に関して北大西洋条約機構(NATO)から来年1月12日に協議を開始する提案を受け取り、検討していると伝えた。

 

トルコ政府の預金の保護策で融資金利も上昇

報道によると、トルコ政府がリラ建て預金の保護策(国民は預金金利の収入の享受しながら、財務省が補てんする形で外貨換算ベースの損失を回避し、なおかつ非課税)を12月20日に発表したことを受けて、国内銀行はリラ建て預金を集めるため、預金金利を引き上げている。関係筋によると、預金金利は18%程度から20%を超える水準まで上昇している。預金金利が上昇していることから、中小企業向け融資の金利は上昇しており、一部で30%近辺のローン金利も提示されている。 トルコ中央銀行よると、国民の貯蓄の半分以上は外貨と金で構成されているが、12月20日以降、外貨をリラに換える動きが広がっており、エルドアン大統領は24日、『国民が保有するトルコリラ建ての預金は12月20日以降、230億リラ増加した』、『新たに導入したプログラムは予算に貢献し、重荷にならない』、『価格を操作する者は法的措置に直面する』、『リラ支援策は憲法に沿っている』との見方を伝えている。

 

トルコ中銀による為替介入:分かりやすい相場に

トルコ中央銀行のリラ防衛介入は、概ね13リラ以上でドル売り・リラ買いが行われており、12月27日のドル/トルコリラのニューヨーク市場終値11.5205リラで評価した場合、『勝った介入』となっている。

1)12月1日の介入:10億ドル(13.6831リラ)
2)12月3日の介入:5.04億ドル(13.7030リラ)
3)12月10日の介入:13億ドル(13.8783リラ)
4)12月13日の介入:15億ドル(13.8239リラ)
5)12月17日の介入:20億ドル(高値17.1452・終値16.4100リラ)
6)12月20日の介入:20億ドル(高値18.3633・終値13.3274リラ)
7)12月21日の介入:20億ドル(高値14.3729・終値12.4883リラ)

 

2020年のS&P500は市場では上昇率低下を予想:WSJ

2021年の米株価は、前年に続いて再び特大サイズの上げ幅で終わりそうだ。しかし多くの投資家は2022年にこれが繰り返されるとは考えていない。2021年のS&P500種株価指数は23日までに年初来26%上昇している。2020年の同指数の上昇率は16%だった。企業利益の急増と緩和的な金融政策が、株価上昇を促した。来年は企業利益の伸びが鈍化するとみられるほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げの準備を進めているため、株価上昇の主要因は徐々に弱まる見込みだ。低金利の状況では、投資家は利益確保のため、株式などリスク資産への投資を拡大する傾向がある。インフレが高進し、当局が利上げに動くと、企業の将来利益の評価が下がり、投資家にとっては株式以外に利益を確保する投資先の選択肢が増える。

 

欧米市場イベント

○23:00   10月米住宅価格指数(予想:前月比0.9%)
○23:00   10月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比18.5%)
○24:00   12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:11)
○29日03:00   米財務省、5年債入札
〇ニュージーランド(NZ)、豪州、英国、カナダ(以上ボクシングデーの振替休日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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