★日経平均株価:閑散相場に売りなし
前日の米国株式の底堅い基調が引き継いだ。クリスマス・年末休暇前で手掛かり材料に欠けるなか、値動きも限定的だった。米国株価主要3指数の先物や中国株、香港株はいずれも小幅ながらプラスで推移したことが、投資家に安心感を与えた。クリスマス前で薄商いのなか、買い手も乏しいが、売り手もいない状況だった。午後にはアジア株高を背景に買い安心感も広がり引けにかけては上げ幅を広げた。結局、236円高の2万8798円と3日続伸して終了した。12月第3週(13日~17日)の海外投資家は4660億円の売り越しとなり、2週連続となった。個人投資家は1799億円の売り越しとなり、2週連続となった。信託銀行は3691億円の買い越しとなり、9週連続となった。
★東京外国為替市場:114.15円前後での小幅もみ合い相場が継続
ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、114.22円まで上昇した。しかし、今晩発表される米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、短期筋による利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、小幅に下げて114.15円前後でのもみ合い相場となった。午後に入っても、クリスマスを前に様子見ムードが強く114.15円前後で方向感を欠いた展開になった。ユーロ/ドルは、1.1340ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★中国恒大集団は政権者との協議を本格的に始める見通し
経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団は22日、債務再編に向け『債権者との意思疎通を積極的に保っていく』との声明を発表した。社債の利払いができずデフォルト(債務不履行)の瀬戸際にある中、債権者との協議を本格的に始める見通しである。恒大集団は今月、地元の広東省から経営監督チームを受け入れ、創業者の許家印氏と広東省の政府系企業幹部が共同議長を務めるリスク管理委員会を社内に設置した。実質的に公的管理下で債務再編を進めるとみられている。恒大は声明で『リスク軽減に取り組み、各方面の権利と利益を守る』と強調した。債権者や投資家、住宅購入者らに配慮しつつ、関連業界の連鎖破綻といった混乱の回避を目指す考えを示した。
★世界的に週末に向け閑散市場が続く
今年は25日のクリスマス当日が土曜日となっていることから、市場も変則的な日程となっているが、その関係上、本日は米国債券市場が短縮取引となる。明日24日のクリスマスイブでは、オセアニア市場とアジアの香港、シンガポールが短縮取引。欧州では、英国やフランスが短縮取引となる予定。スイス、ドイツは休場となる。米国は完全な休場。市場では『海外勢は既に本日から休暇を取っている向きも多い』との声も聞かれるなか、アジア市場では『何もない相場』が続いているといったところである。
★新たなリラ支援策が成功なら総選挙に踏み切ると予想:格付け会社フィッチ
格付け会社フィッチは昨日、新たなリラ支援策はトルコ財政にとって潜在的なコストになるとの見解を示した。ただもし、ドル化を阻止する計画が上手くいくようであれば、トルコの財政収支が大幅に改善する可能性にも言及した。いずれにせよ、リラの信用に与える影響を確かめる必要があるとしている。ところで一部通信社は、今回のリラ建て預金保護策で政権への信用度が回復するようであれば、2023年予定の大統領・議会選挙が前倒しされる可能性を報じている。政策による負の側面が表面化するのは先であり、その前に短期的な成果が得られるとし、エルドアン大統領はその機を逃がさず総選挙に踏み切ると予想している。
★プラチナ価格の上昇が南アランドにも波及:オミクロン株騒動も後退
NY入り後に、南アが世界最大の生産量を誇るプラチナ価格が急騰したことが支えになり、ランドも上昇した。なお、プラチナ価格も11月30日以来の水準までじり高になっている。この数日、コモディティ通貨が堅調に推移したが、反応が鈍かったランドにもようやく買いが入った。プラチナなどのコモディティの上昇も支えになっているが、新型コロナウイルス・オミクロン株がデルタ株よりも重症化の可能性が低いという研究結果が出ていることもランドにとっては好材料である。オミクロン株騒動によるランドの下押し相場は、いったんは終わった可能性もある。
★2022年は米国株の調整リスクが懸念される:米バロンズ誌
『12月17日の米S&P500指数4620に対し弱気派は2022年に4400(12月17日比4.8%安)への下落調整を予想、楽観派でも5100(同10.4%高)にとどめ21年のような大幅高を見込んでいない』(米バロンズ誌12月18日号『Stocks Could Remain Under Pressure Owning To Institutional Portfolio Rebalancing In The Year End(機関投資家のポートフォリオ・リバランスが米株の重石)』)-。2021年の増益見通し50%超に対し2022年はベース効果や供給制約、FRB利上げ観測などにウォール街の予想は9%程度しか見込まれず、米国株の調整リスクが懸念される。既に、年初来の上昇率が23.0%に達した米S&P500指数等にとりテーパリングに利上げ、QT(量的引き締め)のFRB正常化が茨の路となりそうである。
★マンチン米上院議員の反対理由:業界から再考の要請で賛成の可能性も
米民主党のマンチン上院議員の地盤であるウエストバージニア州は、石炭生産で全米2位であり、マンチン上院議員も石炭取引仲介業の創業者であり、現在は息子が社長をしており、気候変動対策とは相容れない立場にある。しかし、米最大の米鉱山労働者組合(UMWA)のロバーツ委員長は、税制・支出法案には炭鉱労働者にプラスとなる条項が複数含まれているため、法案への反対姿勢を再考するようにマンチン上院議員に要請した。マンチン上院議員は、地盤のウエストバージニア州の石炭生産業界を守るために反対していたが、石炭生産業界から再考を要請されていることで、賛成する可能性が高まりつつある。バイデン米大統領は、『マンチン上院議員と合意できるチャンスは残っている、マンチン上院議員と私は何らかの成果を残す』と述べている。
★米国市場では11月PCEコア価格指数が公表:予想は前年比+4.5%
10月実績は前年比+4.1%の高い伸びとなった。サプライチェーン問題が長期化し、人手不足の解消も困難なことから、インフレはこの先さらに上昇すると予想されている。直近の消費者物価は高い伸びを記録しており、11月のコアPCEは10月実績を上回る可能性が高い。
★米国市場では11月耐久財受注が公表:予想は前月比+1.7%
10月実績は前月比-0.4%だった。非民間航空機・同部品と軍用機・同部品が大きく落ち込み全体を押し下げた。自動車・同部品は増加した。11月については、非民間航空機・同部品の受注が増加する可能性があること、10月から反動増も予想されるため、全体的には増加する見込みとなっている。
★欧米市場イベント
○16:00 11月独輸入物価指数(予想:前月比1.1%/前年比22.3%)
○21:00 11月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.74%)
○22:30 10月カナダGDP(予想:前月比0.8%/前年比3.6%)
○22:30 11月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.6%)
11月米個人所得(予想:前月比0.4%)
11月米PCEデフレーター(予想:前年比5.7%)
11月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.4%/前年比4.5%)
○22:30 11月米耐久財受注額(予想:前月比1.6%/輸送用機器を除く前月比0.6%)
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.5万件/182.0万人)
○24:00 11月米新築住宅販売件数(予想:前月比3.4%/77.0万件)
○24:00 12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:70.4)
○米債券市場は短縮取引
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