FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米FOMC控え様子見ムード強くもみ合い相場

日経平均株価は前日終値を挟んで一進一退の動きに終始した。市場で注目されている米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして、引き続きポジション調整に伴う売買が続いた。米国株などと比べた際の割安感が根強く、安値圏では主力銘柄の一角に押し目買いが入りやすかった。結局、前営業日比27円高の2万8459円と小幅反発して終了した。信用評価損率は10日申し込み時点でマイナス10.87%と、前の週のマイナス10.83%からマイナス幅が0.04ポイント悪化した。悪化は7週連続となる。

 

東京外国為替市場:113.70円を挟んでもみ合い相場に終始

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りに支えられ、113.80円付近まで上昇した。日経平均株価が下げ幅を縮小したことも、リスク回避姿勢を和らげて円売りを誘った。しかし、8日の海外市場でつけた高値113.95円が視野に入ると上げは一服した。その後は、利益確定のドル売り・円買いも見られ、113.70円付近へ下落した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、113.70円台を中心とした狭いレンジで取引された。全般米FOMC結果発表を控え様子見ムードが強かった。ユーロ/ドルは、米FOMCやECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが優勢になり、1.1270ドル付近へ上昇した。

 

世界の石油市場が供給過多に:IEA

国際エネルギー機関(IEA)は14日、世界の石油市場が供給過多に戻っており、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が旅客需要を損ねるため、来年の早い時期に供給過剰が一段と進むとの見方を示した。IEAは最新月報で、 石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する『OPECプラス』の生産引き上げ計画継続や戦略的石油備蓄の放出、来年想定される米国とカナダ、ブラジルでの記録的生産などを背景に世界中で供給が回復していると指摘した。その上で、オミクロン株出現に伴いジェット燃料需要が減りつつある中で、世界の石油在庫が2022年序盤の数カ月間に日量170万バレルのペースで膨らむ可能性があると予想した。『今月から世界の石油供給が需要を上回る方向で、タイトな市場に対する待望の救済が進行中だ』とし、『着実な供給増加が需要緩和に重なり、バランスをかなり緩めた』とコメントした。その上で『コロナの新規感染急増は今進んでいる石油需要回復を一時的に遅らせるが、反転させることにはならないと見込まれる』との見方を示した。

 

トルコでは金融緩和サイクルの強化が確実視:リラの重石

前日に開かれたトルコの大統領、財務相、中銀総裁の緊急会談の内容は何ら伝わってこず、一部で広まった『16日の中銀会合で据え置き』への期待感が後退し、リラの重石となった。明日のトルコ中銀金融政策委員会(MPC)の会合では『政策金利1%引き下げ』が市場予想の中心値である。ただし一部では、2%の利下げを見込む向きもある。いずれにせよ、インフレ高進にもかかわらず金融緩和サイクルの強化が確実視されており、リラの買いづらさを高めてしまっている。また、昨日は11月トルコ住宅販売戸数が発表され、前年比では59%と高い伸び率となった。リラ安を背景に外国人の住宅購入も目立っている。しかしながら、旺盛過ぎる需要を受けて住宅資材価格の高騰も懸念されており、インフレは抑制されるどころか益々上昇してしまう可能性は高い 。

 

南アでは11月インフレ指標を受けた動きに注目

南アフリカでは、日本時間17時に発表される消費者物価指数(CPI)は、前年比予想が+5.4%と前回+5.0%から伸び率加速が見込まれている。予想に沿った結果となれば2017年3月以来の高い水準となり、南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)のインフレターゲット(3-6%)の上限に更に迫ることになる。18時30分には卸売物価指数(PPI)が発表され、こちらも前年比予想が+8.7%と前回+8.1%から上振れ見込みである。他国同様に南アでも供給不足が問題となっており、指数が予想通りであれば2014年4月の水準に並ぶことになる。SARB金融政策委員会(MPC)は先月、政策金利を3.50%から3.75%に引き上げたが、インフレの更なる加速が確認されれば、来年1月のMPC会合に向けて追加利上げ期待が高まる。ただし、米金融当局が引き締め姿勢を強めることは確実視されており、SARB利上げへの期待感だけで南アに資金が向かうと考えるのはやや早計かもしれない。

 

米国・メキシコ・カナダ協定内の貿易戦争へ発展する懸念も

メキシコ国内の材料としては、米上院で審議中の電気自動車(EV)税額控除法案に注目が集まる。メキシコのクルティエール経済相は法案が成立した際には報復関税などの制裁措置を課す方針を示唆していたが、今週に入ってカナダも異議を申し立てた。同国も問題の解決に至らなければ米国製品に対して関税を課す可能性を示しており、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)内の貿易戦争へと発展することも懸念される。

 

米11月PPIが過去最大の伸びとなり警戒感強まる

最新米11月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.8%となった。伸びは10月+0.6%から鈍化予想に反し拡大し7月来で最大となった。前年比では+9.6%と、10月+8.8%から予想以上に伸びが拡大して、過去最大を記録した。変動の激しいエネルギーや食品を除いたコアPPIは前月比+0.7%。10月+0.4%から予想外に拡大し7月来で最大の伸びを記録した。前年比では+7.7%と市場予想以上に拡大し、過去最大を記録した。

 

市場は2022年2月がインフレのピークと予想

CNBCが31人のエコノミスト、ストラティジスト、マネーマネジャーを対象に実施した調査によると、連邦準備制度理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、資産購入縮小規模をすでに発表している倍の月300億ドルに拡大し、来年3月での終了を予想している。最初の利上げは2022年6月と見ており、2022年、2023年に3回の利上げを実施し2023年末には政策金利のFF金利誘導目標1.5%を予想している。 利上げは2024年5月までに2.3%で打ち止めと予想した。また、インフレは2022年2月にピークをつけると予想しているが、依然4%に近い水準となる。2023年に3%に近づくと見ているものの、FRBの目標である2%は今後2年間上回る見込みで、FRBの舵取りは依然困難になると見られる。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)会合:量的緩和の縮小ペース加速

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日の米上院委員会での議会証言で、『資産購入を数ヵ月早く終了することを検討するのが適切』と述べており、量的緩和策の縮小ペースを加速することを今回のFOMC会合で議論し、正式に決定するとみられる。利上げ時期については、雇用と物価動向をしばらく観察する必要があるため、結論は次回以降に持ち越される見込み。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比4.8%)
○16:00      CPIコア指数(予想:前年比3.7%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比0.3%/前年比6.7%)
○16:45   11月仏CPI改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.8%)
○17:00   11月南アフリカCPI(予想:前月比0.4%/前年比5.4%)
○18:30   11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.7%/前年比8.7%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   11月カナダ住宅着工件数(予想:23.43万件)
○22:30   10月カナダ製造業出荷(予想:前月比4.1%)
○22:30   11月カナダCPI(予想:前月比0.2%/前年比4.7%)
○22:30   12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:25.0)
○22:30   11月米小売売上高(予想:前月比0.8%/自動車を除く前月比0.9%)
○22:30   11月米輸入物価指数(予想:前月比0.6%)
○24:00   10月米企業在庫(予想:前月比1.1%)
○24:00   12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:83)
○16日00:30   EIA週間在庫統計
○16日01:00   7-9月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比4.4%)
○16日02:00   マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○16日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○16日04:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○16日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○16日06:00   10月対米証券投資動向
○英中銀金融政策委員会(MPC、16日まで)

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