★日経平均株価:様子見ムード強く売り優勢
米FOMCを週内に控えているほか、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を巡る懸念から、引き続き買い見送りムードが強まった。マザーズ市場では、マザーズ指数が1000ポイントを下回り、8月18日に付けた年初来安値993.29ポイントを割り込んだことも、地合いの悪化を示す要因となった。結局、前営業日比207円安の2万8432円で反落して終了した。
★東京外国為替市場:様子見ムード強く113円台半ばでもみ合い
ドル/円は、米FOMCを控えて、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買いが先行し、113.67円付近まで上昇した。仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常より多く観測された。ただ、前日の欧州市場でつけた高値113.72円に接近すると上げは一服した。午後に入ると、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いが持ち込まれ、113.47付近げ下落した。しかし、様子見ムードの中下値追いの動きは限られた。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り113.60円付近へ持ち直した。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★顧客が米国株を2週連続買い越し:BofAセキュリティーズ
BofAセキュリティーズの14日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は6~10日の1週間に米国株を23億7100万ドル買い越した。2週連続の買い越しとなる。この週は南アフリカで新型ころなウイルスの新たな変異株オミクロン型への警戒感からやや薄らぎ、10日に発表された11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想並みとなったこともあり、S&P500指数が週間で3.82%高となって3週ぶりに上げた時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が11億3400万ドルの売り越しで、2週ぶりの売り越しとなった。機関投資家は11億200万ドルの買い越しで、2週連続の買い越しだった。個人投資家は2200万ドルの小幅売り越しで、2週ぶりの売り越しとなった。企業の自社株買いは24億2500万ドルで4週移動平均(24億7400万ドル)をやや上回った。傾向としてはオミクロン型を受けて不安定な相場展開の中、機関投資家と自社株買いに対してHFと個人投資家は売り越しとなった。企業の自社株買いが相場のサポート要員となっているが、年初来の累計ではコロナ禍前の2019年と比べて5%下回る状態だった。
★トルコの実質金利マイナス幅拡大がリラの重石
先週末に米大手の格付け会社がトルコの格付け見通しを『安定的』から『ネガティブ』に引き下げたことが更なる重石となった。また、ネバティ・トルコ財務相の発言『トルコは利上げしないと決めた』も下落圧力を強めた。ただその後、トルコ中銀が今月4回目となる為替介入を市場で直接実施し、8円台を回復した。エルドアン大統領、ネバティ財務相、そしてカブジュオール中銀総裁が緊急会合を開いたことが伝わり、16日の金融政策会合を控えて中銀総裁が金利据え置きを求めたとの憶測も一部で広がると、一時リラは反発した。カブジュオール中銀総裁が前述したような要求を本当にしたのならば、大統領が受け入れないにしても、中銀の良識が好感されてリラの買い戻しに繋がるかもしれない。ただし足もとのインフレ加速は逃れることはできず、トルコの実質金利マイナス幅が拡大するなかで、反発は調整の域を出ない。また昨日もトルコ中銀は外貨売り為替介入を実施しているが、中銀の外貨準備高不足は明らかであり、その効果を疑問視する声は高まるばかりである。
★南アでは消費者信頼感指数が発表:悪化するようならランドの重石
ラマポーザ南ア大統領が新型コロナウイルス検査で陽性と判定され、自主隔離に入ったことが報じられた。大統領はワクチン接種を完了しており、その症状は軽症のようである。今後1週間の大統領責任はマブーザ副大統領に委譲された。本日は10-12月期南ア経済研究所(BER)消費者信頼感指数が発表される。前回は-10と9四半期連続のマイナスを記録した。新型コロナ感染の第4波に襲われるなか、今回もプラス回復は期待できそうにない。市場インパクトはあまりないと思われるが、前回値を目安に悪化するようならば、ランドの買いづらさに繋がってしまう。
★「今年の人」はセンチメントのピークか
米誌タイムが2021年のパーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)に米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏を選出した。トランプ前大統領の各種SNSアカウントが削除される中、マスク氏は株式市場においても今年を代表する人だった言っても過言ではない。ただ、SNS上では99年の「今年の人」も前アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が選出され際、その後にITバブルが崩壊し、アマゾン株が大幅下落したことなどが指摘されている。同じ轍を踏むとは限りませんが、確かにセンチメントのピークとして判断出来ないこともないかもしれない。
★米上院は14日に債務上限引き上げ法案採決へ
米上院民主党トップのシューマー院内総務は13日、債務上限を現行の28兆9000億ドルから引き上げる法案の採決を14日に行う考えを表明した。米国債の『デフォルト回避に向け行動する』と述べた。議会は先週、上院の単純過半数での債務上限引き上げを可能にする別の法案を可決していた。与党民主党は上院議長を兼ねるハリス副大統領の票を入れて単純過半数の51票を持つ。債務上限引き上げ法案は上院を通過後、下院でも14日中に採決が行われる見通しで、可決されればバイデン大統領の署名を経て成立するとみられる。債務上限の実際の引き上げは公表されていないが、2兆‐3兆ドルの範囲内となる見込みで、財務省は少なくとも2022年11月の議会中間選挙まで支出を賄えるようになる。
★米国の長短金利差縮小の過熱反発から長期金利上昇ならドル支援
米国債市場は11月後半以降、FRB幹部による利上げ加速示唆などで政策金利FFに近い短期債金利は下げ渋りとなる一方、長期債金利は先行きの利上げに伴う景気・物価の下振れ懸念などで低下してきた。結果、『米10年債-2年債』の長短金利差は急縮小となり、前週までに昨年12月以来の低水準となっている。2015年2月の場合、短期金利に対しての長期金利の低下過熱には修正が入り、長期金利は下げ止まりや小幅な上昇へと移行した。為替相場でドル/円はドルがサポートされ、同月の116円前後から同年6-8月の125円までドル高が進行した実績を有している。それ以外での過去の長短金利差『縮小過熱』局面でも、その後に調整的な長期金利の下げ止まりとドル/円でのドル反発パターンが目立ってきた。
★FOMCで織り込んできた範囲内のタカ派なら材料出尽くし
米国では14-15日にFRBがFOMCを開催する。米国では前週末10日に11月のCPI(消費者物価指数)が前年比+6.8%もの大幅上昇となり、約39年ぶりの大幅な伸びを記録した。一方で事前予想の範囲内にとどまったことで、FRBの金融政策についても、当座の量的緩和の縮小(テーパリング)ペース加速や前倒し終了、来年にかけてのFRBの利上げ前倒しなどについて、『織り込み進捗』が示唆されている。こうした金融緩和の見直し加速については、11月後半からパウエル議長などFRB幹部が地ならしを進めてきた。その意味で14-15日のFOMCについても、すでに織り込んできた範囲内のタカ派(緩和見直し積極的)姿勢であれば、一旦の材料出尽くしもあって、米国債金利の低下(債券価格は上昇)や全般的なドル安が後押しされる。
★欧米市場イベント
○16:00 11月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 8-10月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○16:30 11月スイス生産者輸入価格
○17:00 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○17:30 11月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
コア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.4%)
○19:00 10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比1.2%/前年比3.2%)
○22:30 11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比9.2%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.4%/前年比7.2%)
○15日04:00 オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁、議会証言
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
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