FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:引けにかけて下げ幅拡大

前日の米国株式市場の下落を嫌気された。日経平均株価はハイテク株を中心に売りが広がった。また、中国恒大集団の株価下落を受け、アジア株では香港ハンセン株価指数、上海総合指数がともに軟調とになったことで、日本株の重石になった。さらに、週末要因に加え、今晩発表となる米国の消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたいとして取引を手控えるムードも見られた。大引けにかけては一部の投資家が持ち高調整の売りを膨らませたとみられ、下げ幅を一時300円超に拡大するなど一段安となった。結局、前営業日比287円安の2万8437円と大幅続落した。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強く113円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価のさえない動きがリスク回避の円買いを誘い、113.33円付近まで下落した。しかし、前日の海外市場でつけた113.27円が下値目処として意識されると下げは一服した。その後は、今晩発表される11月消費者物価指数(CPI)を控えて持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、113.50円台へ値を切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて113.45円前後で取引された。来週予定されている米FOMCのイベントを控えて様子見ムードが強まった。ユーロ/ドルは、1.1300ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国政府は密かに不動産会社の資金繰り支援へ:米WSJ

中国規制当局は、不動産開発会社が国内で資金を調達できるよう、密かに規制緩和にカジを切っている。開発会社は負債を通じた資金調達ができればサプライヤーへの支払いが容易になるが、その仕組みは一見不明瞭である。中国の不動産開発会社は4年前から、中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)や碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)も含め、『サプライチェーン資産担保証券』と呼ばれる元建て債務証券を日常的に利用していた。ウィンドのデータによると、不動産業者による2020年の発行残高は386億ドル(約4兆3800億円)超に上り、19年の124億ドルから急増した。サプライチェーン資産担保証券に分類されていない案件もあるため、実際の金額はさらに大きい可能性が高い。規制当局は今年に入り、こうした仕組み金融商品の発行を制限する方針を打ち出した。開発業者による借り入れに上限を設ける『三道紅線(3本のレッドライン)』と呼ばれるレバレッジ規制の一環である。

 

トルコ中銀は来週2%の利下げを予想:英大手銀行バークレイズ

英大手銀行バークレイズが昨日発表したレポートでは、トルコ中銀は来週2%の利下げを決定し、更に来年1月にも追加利下げに踏み切ると予想している。為替は、リラは対ドルで年内に14.50リラ、2022年第2四半期には16.00リラまで弱くなるだろうと述べている。また、足もとでは21%台まで上昇してきたトルコ・インフレ率も、今後数カ月のうちに30%に達するとも予想している。英バークレイズほどではないが、今のところ来週のトルコ中銀金融政策決定会合では、現行15%の政策金利が14%に引き下げられるというのが市場予想の中心値となっている。エルドアン大統領が『低金利!低金利!』と叫び続けており、大統領に支配された金融政策委員会(MPC)の追加緩和というのはある意味しょうがないのかもしれない。

 

南アでは感染者が昨年の第1波を上回りランドの重石に

南ア国内情勢では市場が大きく動くことは難しいが、南ア国内の新型コロナウイルスの感染が、昨年の第1波を上回っていることは、ランドの重しになる。現時点では重症件数は少ないが、オミクロン株が重症化が少ないと決めつけるのはまだ難しく、南ア医療関係者は警戒を怠らないようにしている。また、軽度・中度患者が多いとはいえ、南アの医療制度が再びひっ迫し始めていることにも目を向けておきたいところである。

 

メキシコ自動車産業が苦境

メキシコの自動車産業が足もとで苦境に陥っている。6日に発表された11月の自動車生産台数は24万8960台と前年同月比で20%減と大幅な落ち込みになった。世界的な半導体不足の影響が長引いており、生産台数の前年比割れはこれで5カ月連続となる。また、米上院で審議中の電気自動車(EV)税額控除法案もメキシコの自動車産業に大きな影を落としている。メキシコのクルティエール経済相は、米国での自動車部品生産を優遇する同法案は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)や世界貿易機関(WTO)の規定に違反するとして、成立した際には報復関税などの制裁措置を課す方針を示唆した。米国との貿易戦争へと発展する可能性もあるなか、米国への貿易依存度の高いメキシコにとって、どちらに転んでも大きな痛手となる。

 

米国の雇用は改善方向:失業保険申請件数は52年ぶりの低水準

米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(12/4)は前週比4.3万件減の18.4万件と、前回22.7万件から予想以上に減少し、1969年9月以降52年ぶり低水準となった。米失業保険継続受給者数(11/27)は199.2万人と、前回195.4万人から減少予想に反して増加した。

 

米国市場では11月消費者物価コア指数が公表:予想は前年比+4.9%

10月実績は+4.6%だった。最新の米地区連銀経済報告によると、支払い価格の上昇は全産業に広がっており、サプライチェーン問題はインフレの著しい要因となっている。11月時点でこの状況は改善されていないことから、コアの物価上昇率は10月実績を上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比5.2%)
○16:00   10月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.4%)
○16:00   10月英鉱工業生産(予想:前月比0.1%/前年比2.2%)
○16:00   10月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○16:00   10月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:141.00億ポンドの赤字/24.24億ポンドの赤字)
○16:00   11月ノルウェーCPI(予想:前月比0.3%/前年比4.6%)
○16:00   10月トルコ失業率
○18:05   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、バイトマン独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○19:00   パネッタECB専務理事、講演
○21:00   10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.0%)
○21:00   10月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.9%)
○21:00   11月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比10.88%)
○22:30   7-9月期カナダ設備稼働率(予想:83.0%)
○22:30   11月米CPI(予想:前月比0.7%/前年比6.8%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比4.9%)
○23:40   エルダーソンECB専務理事、講演
○24:00   12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:68.0)
○11日04:00   11月米月次財政収支(予想:1950億ドルの赤字)
○先進7カ国(G7)外相会合(英リバプール、12日まで)
○仏独首脳会談(パリ)

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