FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:値がさのハイテク株の買い強まる

前日の米国株式市場の上昇を好感して、好地合いを引き継ぐ形で堅調に推移した。ただ、戻り売りが警戒されており、さらなる上値追いには慎重な様子となった。ただ、後場では『オミクロン株』への警戒感から売られ過ぎていた銘柄が多く、買い戻しの動きが続いた。値がさのハイテク株を中心に買いが入った。結局、前営業日比405円高の2万8860円と続伸して終了した。信用評価損率は3日申し込み時点でマイナス10.83%と、前の週のマイナス9.66%からマイナス幅が1.17ポイント悪化した。悪化は6週連続となる。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から113円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売りが先行し、113.36円付近まで下落した。しかし、仲値に向けた国内輸入企業などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれると、113.55円付近へ値を切り返した。仲値発表後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて113.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、113.50円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)に関する続報や、米露対立が続くウクライナ情勢を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、海外時間に予定されているECB当局者の講演を前に、様子見を決め込む市場参加者が多く、1.1290ドル前後で小動きとなった。

 

中国恒大デフォルト不可避との見方:S&Pグローバル・レーティング

経営不振に陥っている中国の不動産開発会社、中国恒大は正式なデフォルト(債務不履行)宣言はなされていないものの、ドル建て債2本の保有者は遅れており、クーポン支払いを30日間の猶予期間が終了した時点までに受け取っていない。このことを鑑み、格付会社のS&Pグローバル・レーティングは7日、デフォルトは『不可避』との見方を示した。

 

人民元は対ドルで3年7ヵ月ぶり高値:輸出堅調で海外資金流入も活発

上海外国為替市場で、人民元の対米ドル相場が上げ幅を広げた。一時は1ドル=6.3515元まで買われ、2018年5月中旬以来、約3年7ヵ月ぶりの高値を付けた。中国の輸出は7日発表の11月分も含めて前年比2ケタの増加が続き、輸出から輸入を差し引いた貿易収支も黒字の基調となっている。企業などが貿易で得たドルを人民元に替える動きがみられ、元買い・ドル売りにつながった。中国当局の政策期待から海外勢の投資資金が中国本土の株式市場などに活発に流入していることも、元買いの流れを後押ししている。

 

中国の11月末の外貨準備高は予想外に増加

中国人民銀行(中央銀行)が7日発表したデータでは11月末時点の外貨準備は予想外に47億7000万ドル増加し、3兆2220億ドルとなった。ロイターがまとめたアナリスト予想は3兆2120億ドルと、10月の3兆2180億ドルから減少すると見られていた。11月の人民元は対ドルで0.6%高だった。11月末時点の金準備は6264万トロイオンスと前月末から変わらなかった。ドル建ての規模は1130億3000万ドルと、前月末の1108億3000万ドルから拡大した。

 

エルドアン大統領のカタール訪問でリラ買戻し

昨日は、トルコ中銀による外貨売り為替介入を思わせるような値動きだったが、中銀からは何の発表もなかった。エルドアン大統領が中東カタールを訪問したことを受け、同国からトルコへの経済支援に対する思惑でリラショートカバーに繋がったとの声も聞かれた。結局トルコとカタールは、貿易や投資・開発、文化や外交など様々な分野で12の協定を結んだ。昨日はリラの下値攻めは一服したが、リラ買いはあくまでポジション調整の域を出ないとの見方はまだ多い。エルドアン大統領は低金利政策について妥協しないことを明言しており、トルコ金融政策に対する投資家の不信感が拭えない限りはリラの本格的な上昇は難しい。

 

南ア小売売上高に注目:スタグフレーションが囁かれている

南アの7-9月期GDPは前期比年率-1.5%(予想:-1.0%)、前年同期比+2.9%(予想:+3.8%)と市場予想を下回る結果となった。GDPの落ち込みは7月暴動により、クワズールナタールを中心に貿易や製造業が予想よりも大幅に落ち込んだ。本日発表の経済指標では10月の南ア小売売上高が注目である。ここ最近の南アの小売売上高が落ち込んでいることで、インフレの中の景気停滞(スタグフレーション)が囁かれている。今回も市場予想を下回った場合はランドの重石になる。 10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.8%) 

 

米第3四半期の労働生産性は74年ぶり低水準に落ち込む

米労働省が発表した7-9月期非農業部門労働生産性改定値は前期比年率-5.2%となった。速報値から上方修正予想に反して下方修正され1947年10-12月期以降74年ぶり最低に落ち込んだ。同期単位労働コスト改定値は前期比年率+9.6%になった。速報値+8.3%から伸びが予想以上に上方修正され昨年10-12月期以来最大の伸びとなった。同指数は連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が景気動向を判断する上で注目していた指標である。賃金などコストの上昇で企業の生産性が落ち込んでいることが明らかになった。パンデミック関連のサプライチェーン混乱が落ち着き、コストが低下した場合、再び生産性が回復する可能性はあるが、混乱が長引いた場合、回復にも懸念が残る。FRBは焦点を高インフレに移した。高インフレが想定以上に長引くことに備え、量的緩和(QE)縮小を加速させ、計画していたよりも数カ月早く縮小を終了する可能性を示唆した。パンデミックの状況の改善で、緊急措置として導入されたQEの必要性は後退した。しかし、時期尚早の利上げは回復を損なう可能性が警戒される。

 

欧米市場イベント

○17:15   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:25   デギンドスECB副総裁、講演
○18:30   11月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.8%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.75%に引き上げ)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   10月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比▲5.6%)
○22:10   シュナーベルECB専務理事、講演
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○9日00:30   EIA週間在庫統計
○9日01:00   11月ロシアCPI(予想:前月比0.7%)
○9日03:00   米財務省、10年債入札
○9日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:9.25%に引き上げ)
○独連邦議会、新首相を選出

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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