FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日銀金融政策決定会合の結果について

日銀は国債買入れオペとETF購入の柔軟化を決定したが、現行の緩和的な金融政策を維持した。ただし、状況次第で長期金利がある程度上昇することを容認しており、将来的な金融正常化への思惑は後退していない。

 

日経平均株価:日銀会合の結果を受けてプラス圏に回復

前日の米国株式市場でハイテク株主導で下落したのを嫌気し主力株に売りが先行した。日6月鉱工業生産(速報値)が市場予想よりも悪化したことで景気減速を懸念した売りを誘い一時下げ幅を200円近くに広げた。しかし、日銀政策決定会合の結果公表を好感して一転上げに転じ一時上げ幅を134円まで広げた。結局、前日比8円高の2万2553円と小反発で取引を終了した。

 

東京外国為替市場:日銀会合を受けて円売り強まる

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が一時100円を超えたことが嫌気され、110.90円付近まで下げた。しかし、下値では国内輸入企業などから月末に絡むドル買い・円売りが入り、下げ幅は一服した。午後に、日銀金融政策決定会合の結果『国債買入れ額は80兆円を目処としつつ、弾力的な買い入れを実施する』との文言が公表されると、110.77円まで下落した。しかし、長期金利の誘導目標は現状の0%程度で維持することが決定された。緩和方針変更を見込んでいた市場参加者などからショートカバーが持ち込まれ、111.42円近辺まで急上昇した。国内の長期金利が急低下したことも、円売りを加速させた。しかし、黒田日銀総裁の会見を見極めたいとの雰囲気から上げ一服となり111円台前半でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラ相場を巡っては厳しい局面続く

先月の大統領選及び総選挙を経て、トルコの政治状況は表面上安定感が増した。他方、新政権の人事は金融市場の期待に反したほか、中銀の独立性を危ぶむ動きに加え、高インフレにも拘らず利上げに動けないなど、金融市場からの評判は地に落ちている。 ただし、米トランプ政権による米ドル高けん制などを受け、通貨リラ相場は上値が重い一方、底値も堅い奇妙な動きが続いているが、新たな懸念要因が表面化している。 同国では、2016年に発生したクーデター未遂事件に関連して米国人牧師が逮捕され、約2年近くに亘り収監状態が続き、米国との関係悪化の火種となってきた。こうしたなか、同牧師の身柄を巡って米トランプ政権は制裁発動を辞さない構えをみせており、エルドアン大統領も徹底抗戦を辞さない姿勢をみせている。仮に制裁が貿易に留まればトルコへの影響は限定的だが、金融制裁などに発展すればトルコ金融市場が危機的状況に陥るリスクが高まる。先行きのトルコリラ相場を巡っては引き続き厳しい局面が続くと予想される。

 

米国市場では6月の個人支出が公表

6月分の米小売売上高は前月比+0.5%となり、5ヵ月連続で増加した。金利上昇の一服もあり、自動車関連や建設資材関連などが底堅さを見せている。前週はアマゾンの決算発表で良好な内容が示されが、ネット通販関連も売上増加のトレンドは維持している。一方で、6月は画素rンなどの資源価格上昇や、通商摩擦懸念と輸入関税の増強による輸入物価の上昇警戒などが重石となった。6月は平均賃金が伸び悩んでおり、期待ほどには伸びない可能性もある。

 

米国市場では7月にシカゴPMI(購買部協会指数)が公表

7月にかけては、通商摩擦への懸念や世界景気減速のリスクが高まった。米国の製造業はドル高も逆風となっており、PMIも改善ペースの鈍化が警戒される。ただ、7月後半から過度な貿易戦争への警戒感が小休止となった。米国では減税効果のほか、トランプ政権による米国内外の企業に対する米投資の政策圧力も強まっており、PMIが打たれ強さを示す可能性もある。

 

米国市場ではコンファレンス・ボードによる7月の消費者信頼感指数が公表

7月分のミシガン大学消費者信頼感指数が97.9となり、前月の98.2から低下した。6ヵ月ぶりの低水準となっており、通商摩擦への警戒感やガソリンなど商品価格上昇の影響が打撃となっている。ただ、7月後半にかけて、過度な通商摩擦懸念が小休止となっている。米国では減税効果などで雇用の改善が続いており、金利上昇の抑制やトランプ政権の支持率上昇などもあって、消費マインドが打たれ強さを示す可能性もある。

 

欧米イベント

○15:00   6月独小売売上高指数(予想:前月比1.0%)
○15:45   7月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.3%/前年比2.2%)
○16:00   6月トルコ貿易収支(予想:55億ドルの赤字)
○16:55   7月独雇用統計(予想:失業率5.2%/失業者数変化▲1万人)
○18:00   6月ユーロ圏失業率(予想:8.3%)
○18:00   7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○18:00   4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.4%/前年比2.2%)
○21:00   6月南アフリカ貿易収支(予想:50億ランドの黒字)
○21:30   6月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.3%)
○21:30   6月カナダ原料価格指数
○21:30   5月カナダGDP(予想:前月比0.4%)
○21:30   6月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
         個人所得(予想:前月比0.4%)
         PCEコアデフレータ(予想:前月比0.1%)
○21:30   4-6月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.7%)
○22:00   5月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.5%)
○22:00   4-6月期メキシコGDP(予想:前期比0.3%/前年比2.9%)
○22:45   7月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:62.3)
○23:00   7月米消費者信頼感指数(予想:126.0)
○1日05:30   アップル第3四半期(4-6月期)決算
○日ロ外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2、モスクワ)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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