FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ先物の反落や中国安を嫌気した売り優勢

新型コロナウイルスの感染拡大が警戒された。そして、決算発表後にアマゾンが時間外取引で下落するとNYダウ先物が軟化したほか、中国株が反落したことなどが嫌気された。全体相場は引き続き上値が重いが、決算発表でサプライズのあった銘柄などが物色された。結局、前営業日比498円安の2万7283円と1月6日以来およそ半年ぶりの安値になった。

 

東京外国為替市場:109円台半ばでもみ合い相場が継続

ドル/円は、本邦輸入勢などから月末に絡むドル買い・円売りが持ち込まれ、19.60円付近まで上昇した。ただ、今晩の米国株動向を見極めたいとのムードもあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、日経平均株価の下げ幅拡大がリスク回避の円買いを誘い、1009.50円付近まで緩んだ。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら109.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。本日は米FRBが物価統計として重視している6月米個人消費支出(PCE)コアデフレーターの発表を控えているため、上下に動きにくかった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国当局は市場に配慮:投資家の警戒感は継続

中国ハイテク株は29日、当局がダメージコントロールに乗り出したことを受け、最近の急落から幾らか持ち直した。しかし投資家は、規制圧力の高まりが将来の企業収益を圧迫しかねないとの警戒を解いていない。中国の国営メディアは28日、中国株を盛んにもてはやした。一方、事情に詳しい関係者によると、規制当局トップは世界の金融機関に対し、中国政府は今後、政策を導入するにあたって市場への影響に配慮すると内々に伝えた。

 

欧州市場では4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が公表

1-3月期は前年比-1.3%だった。個人消費がさえない結果となったことから域内の経済成長率は前年同期比マイナスとなった。4-6月期については、ワクチン接種の拡大で個人消費の持ち直しが予想されていること、ユーロ圏製造業とサービス業購買担当者景気指数(PMI)の回復具合などを考慮すると、経済成長率は前年同期比でプラスとなる可能性がある。

 

トルコ中銀発表のインフレレポートではインフレ見通しを上方修正

昨日トルコ中銀が発表した四半期インフレレポートでは、年末インフレ見通しを従来の12.2%から14.1%に、2022年末も前回7.5%から7.8%に引き上げた。足もとのインフレ高止まりを考えると上方修正は当然ではあるが、6月消費者物価指数(CPI、前年比)は17%台とまだ現状とは開きがある。トルコ中銀は『年末には著しいインフレの低下が見込まれる』との見解も示したものの、政府の物価対策に手詰まり感があるなか、『期待通りに低下』にはどうしても疑問符がつく。まずは、来週発表される7月トルコCPIが注目される。

 

南ア大統領が内閣改造の可能性を示唆

昨日ラマポーザ南ア大統領が内閣改造の可能性を示唆した。これに対してムボウェニ南ア財務相は『積極的に若い人材を活用するべきだ』としたものの、『大統領が必要としてくれる限りは、財務相として働く』と述べている。また、財務相は自分が現職でいる限り『債務危機に陥ることはない』とも発言している。財政状況に非常に厳しいことで、財務相は国民や政権内から度々批判を受けているが、憎まれ役という立場を理解し今後も財政政策に対しては厳しい態度で臨みそうである。もし、大統領が人気回復のためだけで、財務相を交代させた場合は国際的には厳しい評価を受ける可能性がある。

 

メキシコは信用格付けを損なう可能性:ペソ相場にも影響

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは国営石油会社ペメックスの格下げを発表したが、メキシコのソブリン格付けについても『ペメックスへの政府支援は現時点で国内GDPの約1%分に達しており、ペメックスがさらなる支援を必要とする場合、メキシコの信用格付けを損なう可能性がある』と警告した。現時点でムーディーズはメキシコの外貨建て長期債務格付けを『Baa1(見通しはネガティブ)』としているが、今後格下げの可能性が高まればペソ相場にも大きな影響を与えることになる。

 

FRBの早期緩和縮小観測が後退

米商務省が発表した4-6月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+6.5%となった。伸びは1-3月期+6.3%に続き2四半期連続で6%台の成長となり、昨年7-9月期来で最大となったものの、予想+8.5%を大幅に下回った。1-3月期も+6.4%から+6.3%へ下方修正された。一方、同期個人消費速報値は前期比年率+11.8%と、1-3月期+11.4%から鈍化予想に反して伸びが拡大した。過去最大となった昨年7-9月期以降で最大となった。先週分新規失業保険申請件数も依然40万件台と減少ペースが遅い。経済活動の再開で需要が急増しているにもかかわらず、企業は人手不足やパンデミックの影響を受けた半導体不足などが影響し生産が思ったように進んでいない。成長ペースを妨げている新たな証拠となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は緩和縮小の条件として、物価安定と最大雇用というFRBの2つの責務達成に経済が一段と近づくことを挙げている。

 

欧米市場イベント

○14:30   4-6月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.8%)
○14:30   6月仏消費支出(予想:前月比1.4%)
○15:45   7月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.0%)
○16:00   7月スイスKOF景気先行指数(予想:130.0)
○16:00   6月トルコ貿易収支(予想:29億ドルの赤字)
○17:00   7月ノルウェー失業率(予想:2.9%)
○17:00   4-6月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比2.0%/前年同期比9.6%)
○17:00   4-6月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比9.6%)
○17:30   4-6月期香港GDP速報値(予想:前期比▲0.8%/前年同期比7.8%)
○18:00   6月ユーロ圏失業率(予想:7.9%)
○18:00   7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○18:00   7月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.7%)
○18:00   4-6月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比1.5%/前年比13.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   4-6月期メキシコGDP速報値(予想:前期比1.7%/前年比19.8%)
○21:00   6月南アフリカ貿易収支(予想:520億ランドの黒字)
○21:30   5月カナダGDP(予想:前月比▲0.3%/前年比14.8%)
○21:30   6月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.4%)
○21:30   6月カナダ原料価格指数
○21:30   6月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.7%)
       6月米個人所得(予想:前月比▲0.3%)
       6月米PCEデフレーター(予想:前年比4.0%)
       6月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.6%/前年比3.7%)
○21:30   4-6月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.9%)
○22:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○22:45   7月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:64.6)
○23:00   7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:80.8)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ