FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は円安と上海株高を好感

米長期金利上昇に1ドル=111円台前半の円安を受けヘッジファンド等海外投資家が自動車や金融株の買い戻しが入った。また、上海総合株価指数の上昇も買い安心感につながり一時上げ幅を150円に広げた。結局、前日比113円高の2万2510円と4日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:上海株上昇で過度な円買いは後退

ドル/円は、日銀が長期金利誘導目標の柔軟化を検討しているとの思惑や日経平均株価の上げ幅縮小で、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り一時111.06円まで下落した。中国人民銀行が人民元取引の基準値を人民元安・ドル高に設定したことも、米中貿易摩擦への警戒感を高めてドル/円の押し下げにつながった。しかし、111円割れが回避されると、本邦実需勢などがドル買い・円売りを持ち込んだことで切り返した。また、上海総合株価指数が上昇したことを受け、過度なリスク回避の円買いも後退した。ユーロ/ドルは、今週予定されている米欧首脳会談やECB理事会を控えて様子見ムードが広がり、1.16ドル台後半でもみ合いの展開となった。

 

欧州市場では7月ユーロ圏総合PMIが公表される

参考となる6月実績は54.9で5月実績を上回ったが、今年1月の58.8がピークと見られており、短期間で急上昇する可能性は低い。自動車の輸入関税などの影響が出てくるのは8月以降になるち見られている。ユーロ圏総合PMIは54程度で下げ止まる可能性があると見られている。

 

26日のECB理事会に注目:通商協議にも影響

通商摩擦への懸念や中国などの世界減速、物価伸び悩みなどにより、先行きの量的緩和縮小ペースや利上げ時期に慎重姿勢が示されるとユーロの下落要因となる。景気や物価の見通し下方修正なども、ユーロ安の材料となりやすい。一方で、トランプ米大統領は前週からECBの緩和政策などによるユーロ安の『為替操作』と批判し始めた。その直後にECBが利上げ慎重メッセージなどで間接的にユーロを押し下げると、米国からのユーロ安不満を助長し、米欧の通商協議に悪影響を及ぼす可能性がある。その意味でECB理事会については、過度なユーロ安をもたらさないような『通貨安競争配慮の市場との対話』も注目される。

 

日銀の指値オペは為替操作に抵触する可能性も

トランプ米大統領とムニューシン米財務長官は、中国人民元の下落に対して為替操作の疑いがある、と警告した。昨日、中国人民銀行は、米政権の警告を受けて人民元の対ドル基準値を元高に設定するという従順な対応を示したが、日本銀行は、長期金利の上昇を抑制するために、挑発的ともいえる2月以来となる指値オペを行った。日銀の指値オペは、日本国債買い・円売りとなることで、外国為替市場での米国ドル(米国債)買い・円売り介入という直接的な円安誘導ではないものの、間接的な円安誘導となる。米財務省が4月に発表した為替報告書では、円を監視対象リストに置き、円は『実質実効レート』だけではなく、日銀のイールドカーブ・コントロールでの日本国債買いにより『名目レート』でも円安に推移している、と指摘している。トランプ米政権が懸念している為替操作に抵触する可能性があることで、今月末の日米通商協議(FFR)では、対日強硬派のライトハイザー米通商代表部(USTR)代表から、関税政策だけでなく、為替操作疑惑に言及される可能性に要警戒する必要がありそうだ。

 

27日の米4-6月期GDP速報値の思惑などから米長期金利上昇

米長期金利は2.88%から2.95%まで上昇した。今週は米国財務省が国債入札を予定しているほか、27日に米商務省が発表予定の4-6月期国内総生産(GDP)が5.0%近くの成長率を示すとの思惑が広がったため、債券売りに拍車がかかった。市場エコノミスト予想では前期比年率+4.2%となっている。トランプ大統領が4.8%成長をほのめかしたとの報道が背景にある。また、日本銀行が金融政策を修正する必要が浮上するとの観測が広がったことも、米国債売りにつながったと思われる。

 

欧米イベント

○15:45   7月仏企業景況感指数(予想:107)
○16:00   7月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:52.4)
○16:00   7月仏サービス部門PMI速報値(予想:55.7)
○16:30   7月独製造業PMI速報値(予想:55.5)
○16:30   7月独サービス部門PMI速報値(予想:54.3)
○17:00   7月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:54.6)
○17:00   7月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:18.75%に引き上げ)
○22:00   5月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:45   7月米製造業PMI速報値(予想:55.4)
○22:45   7月米サービス部門PMI速報値(予想:56.5)
○22:45   7月米総合PMI速報値
○23:00   7月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:18)
○25日02:00   米財務省、2年債(350億ドル)入札
○欧州連合(EU)財務相理事会

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