FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:押し目買いが活発化

前日の米国株式の上昇、ドル/円は108円を挟んだ動きで、VIX指数も心理的節目の20を下回る17台だった。また、前日に日銀がETF買いに動いたことも『買い安心感につながった』とされ、押し目買いが活発化した。さらに、東京や大阪などで緊急事態宣言発令の方向となり、『悪材料がでそろってきた』とされるほか、今日から始まる国内企業の決算シーズンを前に、事前のポジション調整がある程度一巡したとの見方も聞かれた。結局、前営業日比679円高の2万9188円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.00円を挟んでもみ合い展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたドル買い・円売りが先行し、108.14円付近まで上昇した。しかし、米長期金利が低下すると、ドル売りが強まって107.95円付近まで下落した。その後は、日経平均株価や米長期金利を眺めながら、108.00円を挟んだもみ合いが続いた。午後は、日米金利差縮小を意識したドル売り・円買いに押されて107.91円付近まで下落した。原油安を嫌気した資源国通貨に対する円高が波及した面もあった。ただ、前日の東京市場で付けた安値107.88円に接近すると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きが見られ、108.00円付近へ値を持ち直した。ユーロ/ドルは、今晩予定されているECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.2030ドル付近へじり安となった。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会を開催

金利上昇はユーロ圏の景気回復を腰折れさせるリスクがあるとの見解は当面変わらないと予想されることから、ECBは市場動向に応じて資産購入ペースを大幅に加速する方針を維持する見込みである。ただし、ワクチン接種拡大はユーロ圏経済に好影響を与えるとみられており、やや楽観的な景気見通しが提示される可能性がある。

 

ヘッジファンドの第1・四半期は21年ぶりの好成績

ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のデータによると、3月の世界全体のヘッジファンド資産は3兆8000億ドル強に増加し、第1・四半期の運用成績は21年ぶりの高水準になった。第1・四半期の平均リターンは6%で、この間に2010億ドルが新規流入した。昨年同期は新型コロナウイルスのパンデミックが響き、総資産は3兆ドルを割り込んだ。暗号資産(仮想通貨)に投資するヘッジファンドは第1・四半期のリターンが120%に高まった。M&Aなどに賭ける『イベント・ドリブン型』投資のファンドのリターンは8.2%、株式専門ファンドは7.1%だった。資産増加規模はイベント・ドリブン型が854億ドル、株式投資が620億ドル、金利変動と債券の相対価値に基づく最低戦略を手掛けるファンドは390億ドルとなった。

 

トルコ中銀の為替介入に関する記載がない

過去2年間にリラが対ドルやユーロで売り込まれた際に実施された巨額な為替介入は、トルコ中銀や財務省のバランスシートに明確な記載がない。外貨売りリラ買い介入には特定の国営銀行が使用されたとされ、プロセスが不透明な中で不正への疑惑が高まっている。野党は『1280億ドルはどこに?』というスローガンのもと政権への攻勢を強めており、支持率低下に悩むエルドアン大統領にとっては早めに国民の疑念を取り除きたいところである。ただ、為替介入を進めた中心人物が大統領の娘婿だったということも人々が不信感を募らせている要因であり、今後も抗議の波が広がる可能性もある。また、エルドアン大統領は昨日、『トルコは、金利・インフレ・為替という悪のトライアングルと戦っている』『経済攻撃に対しトルコが黙っているはずはない』と発言した。持論である『物価低下のためには金利を引き下げ』を変えるつもりがないようであり、今後も中銀への金融緩和圧力が強まる。

 

ビットコインの大幅調整予想

グッゲンハイム・インベストメンツのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)は21日、ビットコイン相場は『フロス(細かなバブル)が目立つ状態』で『大幅な調整』を見込むと話した。米経済専門局CNBCが報じた。ブルームバーグが引用して伝えた。同氏は『私が思うに、ビットコインは2万-3万ドルまで下げる可能性がある。これは50%の下落を意味するが、ビットコインで興味深いのは、このような下落が以前にもあったということだ』、『ビットコイン価格はいずれ40万ドルから60万ドルに達するが、下落局面はその長期的な強気相場における、ごく普通の動きの一環ととらえている』などと述べた。

 

カナダ中銀のまさかのテーパリング

カナダ中銀(BOC)がまさかの『テーパリング』の開始を表明した。そのため、カナダドルの急騰というビッグサプライズとなった。BOCと言えば、市場では『FRBの子分』みたいな位置付けである。親分がアクションを起こす前に、市場のサプライズを狙うような政策はこれまで行ってこなかった。そんな力学もあってか、BOCの会合では、通常、声明文の文言変更などが話題となる程度だった。アジア勢にとってはカナダドルのポジションをキープしている向きも少なく、『割とスルーすることが多い』のも事実だが、昨日は一気に主役の座に上り詰めることになった。『世界、カナダ経済の見通しが改善している』ことから、『債券買入れ額を週40億カナダドルから30億カナダドルに減額する』ことを表明した。加えて、現行の金利水準を維持する前提となっている『経済のスラック(緩み)が吸収される時期の見通しを2023年から2022年後半』に前倒しした。0.25%の利上げ時期が早まったとの憶測が台頭することになった。来週の27‐28日に予定されているFOMCに相当な注目が集まることになる。

 

米国市場では3月中古住宅販売件数が公表

2月実績は622万戸だった。3月については、在庫水準に大きな変動はないと予想されており、雇用情勢の改善や景気回復の影響はあるものの、2月実績を大幅に上回る可能性は低いと予想される。

 

欧米市場イベント

○未定   4月月例経済報告
○15:45   4月仏企業景況感指数(予想:95)
○20:00   3月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.20%)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:61.7万件/366.7万人)
○23:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲10.8)
○23:00   3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.0%)
○23:00   3月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.8%/年率換算619万件)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

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