FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:ウイルスワクチンに関して楽観的な見解を好感

NYダウは217.08ドル高の25812.88、ナスダックは184.61ポイント高の10058.77ポイントで取引を終了した。ウイルス感染拡大への懸念や、6月シカゴ購買部協会景気指数が予想を下回ったことで下落して寄り付いた。しかし、6月消費者信頼感指数が予想以上の改善を示したことに加え、国立アレルギー・感染症研究のファウチ所長が議会証言で、ウイルスワクチンに関して楽観的な見解を示したことが好感された。またフロリダ州のウイルス感染者数の増加率が、先週の平均を下回ったため安心感も広がった。パウエルFRB議長とムニューシン財務長官の議会証言後、追加支援策への期待も高まり引けにかけても堅調推移となった。大型ハイテク株などに買いが集まり指数を押し上げた。VIX指数は31.78から30.43へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル買い優勢も108.00円目前で足踏み

ドル/円は、対ポンド中心にドル売りが先行すると一時107.50円と日通し安値を付けたものの、6月米消費者信頼感指数が98.1と予想の91.1を上回ったことが分かると買い戻しが優勢になった。前日の高値107.88円を上抜けて一時107.98円と9日以来3週間ぶりの高値を付けた。ロンドン・フィキシングに絡んだ円売りや、米長期金利の上昇に伴うドル買いも観測された。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、米下院金融委員会で『われわれは重要な新段階に予想より早く入った』と述べた一方、『経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される』『人々が幅広い活動を再開しても安全と確信するまで、完全な回復の可能性は低い』との見解を示したが、前日に証言原稿が伝わっていたこともあり相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが出て一時1.1262ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利の上昇に伴うドル買いが出ると1.1227ドル付近まで押し戻された。なお、欧州連合(EU)はこの日、7月1日から渡航を解禁する域外14カ国の『安全リスト』を公表。日本が含まれた一方、焦点となっていた米国は外れた。米国のほか、ロシアやブラジル、トルコも渡航解禁が見送られた。 

 

NY原油先物市場は弱含み:利食い売り優勢で伸び悩む

NY原油先物市場は38.85ドル-40.08ドルのレンジ相場となった。関係者筋の『OPEC(石油輸出国機構)やロシアが減産規模を縮小する可能性』との見解が伝わり、圧迫要因となった。需要回復への期待を背景とした買いを支えに持ち直す場面を挟みつつも、強い反発力を示せなかった。米国株式の不安定な動きを嫌って利食い売りが優勢となり、伸び悩んだが、通常取引終了後の時間外取引では株価反発を好感して39.66ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は続伸:心理的節目の1,800ドル上回る

NY金先物市場は1774.80-1804.00ドルのレンジ相場となった。コロナ感染拡大の第2波への懸念や、米中対立など地政学要因を背景としたリスク回避から、安全資産とされる金への買いが続いた。対欧州通貨などに対するドル安も、ドル建て金価格の押し上げに寄与した。ロンドン市場で1774.80ドルまで売られたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて節目の1800ドルを突破し、1804.00ドルまで買われた。

 

米国債券市場は反落:米国株高に伴る売り優勢

米国債券市場の長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.65%で終了した。月末特有のデュレーション(保有債券の平均残存期間)長期化目的の買いが先行したものの、そのあとは米国株の上昇に伴う売りが出たため失速した(金利は上昇)。

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