FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利の低下や大型公共投資報道で買い優勢

NYダウは103.23ドル高の32731.20ドル、ナスダックは162.31ポイント高の13377.54ポイントで取引は終了した。予想を下回った2月中古住宅販売件数やシカゴ連銀全米活動指数を嫌気し寄り付き後、下落。しかし、米長期金利が低下したことで、ハイテクなど高PER(株価収益率)株に押し目買いが入った。マイクロソフトやアップル、インテルなどが上昇し、指数を押し上げた。半面、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株は売られた。19日に米連邦準備理事会(FRB)が銀行の資本規制の緩和を延長しないと方針を示したことで、業績への影響を懸念した売りが続いた。ただ、バイデン政権が最大3兆ドル規模の大型公共投資を検討していると報じられると、景気回復への期待が一段と強まり、引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は20.95から18.88へ低下した。

 

NY外国為替市場:対ユーロに対してドル安傾向

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下などながめユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前週末の高値1.1937ドルを上抜けて一時1.1947ドルまで上値を伸ばした。米国株相場が上昇したことで、リスク選好のドル売りも観測された。なお、独シュピーゲル誌は『ドイツはロックダウン(都市封鎖)を4月18日まで延長する』と報じたものの、相場の反応は限られた。

 

ドル/円は、対ユーロなどでドル安が進んだ影響を受けた半面、ユーロ/円などクロス円の上昇につれた買いが入ったためドル円自体は方向感が出なかった。NY時間の安値は108.65円付近、高値は108.86円付近で値幅は21銭程度だった。なお、ニューヨーク・タイムズ紙は『バイデン政権は3兆ドル規模のインフラ投資計画を検討している』と報じたものの、米ホワイトハウスはこの報道について『時期尚早でありホワイトハウスの考えを反映していない』との見解を示した。 

 

トルコリラは、先週末にエルドアン・トルコ大統領が金融引き締め政策を推し進めるアーバル・トルコ中銀総裁を更迭したことを受けて、週明け早朝取引では一時12.80円と昨年11月以来の安値まで売り込まれた。ただ、欧米市場では値動きが細り、方向感に乏しい展開となった。なお、米格付け会社ムーディーズは『トルコ中銀が政策金利を再びインフレを下回る水準まで引き下げる可能性』『エルドアン大統領による中銀総裁の解任で信用圧力が高まる』『トルコへの資本流入が逆行する可能性は高い』との見解を示した。 

 

NY原油先物市場は小幅続伸:株高を意識した買いも上値は重い

NY原油先物市場は60.35ドル-62.04ドルのレンジ相場となった。18日の大幅下落後から見られた安値を拾う動きは本日も継続され、60ドル台では下げ渋った。ニューヨーク勢の本格参入後はリスク選好地合いの強まりと共に61ドル後半まで強含んだ。もっとも、欧州の一部でロックダウン(都市封鎖)が延長され、世界経済の早期正常化への期待が後退しつつあることが原油相場の重石となった。アジア市場では伸び悩み60.35ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて反転し、株高を意識して62.04ドルまで買われた。ただ、その後は再び伸び悩み、61.09ドルまで弱含みとなる場面があった。

 

NY金先物市場は小幅に反落:ポジション調整売りも一巡

NY金先物市場は1726.40-1747.00ドルのレンジ相場となった。時間外では、為替相場のドル高を眺めながらドル建ての金先物は利食い売りが先行した。もっともニューヨーク勢が本格参入すると一転ドル売りが優勢となり、金相場も下げ幅を縮小して終えた。アジア市場の序盤で1747.00ドルまで買われた後、1726.40ドルまで売られたが、ポジション調整的な売りは一巡した。ニューヨーク市場で1740.20ドルまで戻した。

 

米国債券市場は5営業ぶりに反発:ポジション調整目的の買い

米国債券市場で長期ゾーンは5営業日りに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.69%で終了した。今週予定されている2・5・7年債入札を前にポジション調整目的の買いが入った。ただ、『バイデン政権は3兆ドル規模のインフラ投資計画を検討している』との報道を受けて、国債増発による需給懸念が強まり売りが出る場面もあった。 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ