FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高とNYダウ先物の下落に連れ売り優勢に

外国為替でドル/円が一時104円台後半まで下落したこともあり、朝方は輸出関連株を中心にさえない展開となった。日経平均は売り一巡後は、円高が進まなかったことで下げ幅を縮小したが、NYダウ先物が軟調だったことで再び弱含んだ。日銀の禁輸政策決定会合の結果発表を控えており、様子見ムードも出ていた。16日米FOMC後の会見でパウエルFRB議長が量的緩和強化などを示さなかったことから、NYダウ先物が下げ幅を拡大したことに連れ日経平均も下げ幅を拡大した。結局、前営業日比156円安の2万3319円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株安でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いが先行し、104.88円付近まで下落した。ただ、前日のNY時間でつけた約1ヵ月半ぶりの安値104.80円が意識され、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.10円台へじり高となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、小幅値を下げて105.00円付近でもみ合う展開となった。今晩の米国株動向や米経済指標を見極めたいとのムードもあり、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、ECB当局者によるユーロ高けん制発言を警戒したユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.1738ドル付近まで下落する場面があった。また、数人のECBメンバーが、さらなる景気刺激策の導入に前向きな姿勢を見せていることもユーロの重石となった。

 

トルコはギリシャだけでなくキプロスとの関係も悪化

OECD(経済協力開発機構)がトルコの20年成長率見通しを前回予測から上方修正(4.8%減から2.9%減)したが、市場の反応は限定的だった。東地中海に関してエルドアン・トルコ大統領とメルケル独首相が話し合ったと報じられたが、トルコはキプロス沿岸でのエネルギー資源探査は継続している。キプロス共和国を国として承認していないトルコが行動を改めるとは思えず、キプロスが加盟する欧州連合(EU)とトルコとの亀裂の深まりが懸念され る。

 

南ア準備銀行の金融政策委員会に注目

本日南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が行われることで、結果次第の値動きになる。市場では3.25%に引き下げと3.50%で据え置きが拮抗している。ここ最近はドルに対してランドが強含んでいることもあり、ポジティブサプライズに市場は大きく反応しそうである。なお、南アは今週末20日0時からロックダウンの水準が1へ引き下げになる。

 

メキシコ労働市場の回復は道半ばであることを確認

メキシコ社会保障研究所がまとめたところによると、メキシコの労働市場は8月に9万2390人の雇用増となった。雇用増となったのは2月以来で半年ぶりだが、新型コロナウイルスの感染拡大によって3-7月の5カ月間で失われた雇用者は111万人を超えており、今回の雇用増は過去5カ月間の失職数のうち8%強に過ぎない。さらに8月分の雇用増9万2390人のうち、半数は非正規雇用者となっており、労働市場の回復は道半ばであることが改めて確認された。 ロペスオブラドール大統領は今月の国民向け演説の中で『景気のV字回復がすでに始まっている』と述べ、今後の雇用増についても自信を示した。一方で、多くのアナリストは政府から民間への支援が限られていることを考慮すると、景気の回復は非常に遅いものになるだろうと懸念を示している。

 

ゴールドマン・サックス証券は景気の現状判断を上方修正

日銀が16-17日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。上場投信信託U(ETF)の買入上限も12兆円で据え置かれた。菅新政権発足後、初めて金融政策決定会合だったが、声明文で特に政府との関係について記述はなかった。ゴールドマン・サックス証券は17日付のレポートで「景気の現状判断は『きわめて厳しい状態にある』から『持ち直しつつある』へと上方修正された。項目ごとにみると、設備投資が下方修正された一方、輸出、生産、個人消費が上方修正された。先行き判断は『ベントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、改善基調をたどる』で据え置かれた」と指摘した。その上で「菅新首相は、安倍政権下と同様に、日銀と緊密な関係を維持し、雇用維持・企業存続に必要と判断すれば金融緩和をさらに進めたいと述べている」としながら、「特に、菅氏は為替安定を自身の危機管理の重要分野と位置付けている。従って、円高急進時には、日銀に対して追加緩和を促す可能性があるため一定の注意が必要だろう」とみていた。

 

米国株上昇の恩恵は富裕層が中心

米国株価の上昇により恩恵を受けている米国人は多くない。Pew Research Centerによると、米国で株式投資をしている家庭は52%で、そのうちの多くが401k(確定拠出年金)や他の退職年金が占めている。株式市場に直接投資をしているのは14%のみとなっている。また米連邦準備理事会(FRB)によると2020年1-3月期では米国の10%の富裕層が、株式の87%の株を所有しているとしている。これは2009年の82%から更に上昇している。一方で中間層と言われる全体の20%から80%の所得層は6.6%しか株式を保有していないとされている。このような状況下のため多くの米国の中間層も、株価上昇の恩恵を受けていない。人種別では株式の92%を白人家庭が保有し、黒人とヒスパニックはそれぞれ1.6%しか株式を保有していない。このような状況をみると連日史上最高値を更新しても、負の連鎖から抜け出ることができない多くの米国民がデモに参加することが理解できる。

 

米大統領選の表面上支持率はなおバイデン氏が優位

16日公表のロイター/イプソスの世論調査によると、米大統領選の野党・民主党候補バイデン前副大統領の支持率は与党・共和党の現職トランプ大統領を9%ポイント上回り、依然としてバイデン氏が優位に立っていることが分かった。トランプ氏が取り込みを狙う郊外地域の有権者の間で、『法と秩序』強調のメッセージは十分な共感を得られていない。調査は11-15日に実施した。投票に行く可能性が高いと答えた有権者のうち50%がバイデン氏支持を表明した。トランプ氏は41%にとどまった。態度未定ないし双方とも支持しないが9%残っており、これらの人々の動向が選挙の行方を左右する可能性もある。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:00   7月ユーロ圏建設支出
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比▲0.2%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.4%)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは7450億ポンドで据え置き)
○20:00   英MPC議事要旨
○21:30   8月米住宅着工件数(予想:147.8万件、前月比▲0.9%)
        建設許可件数(予想:152.0万件、前月比2.3%)
○21:30   9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:15.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:85.0万件/1300.0万人)
○22:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:3.25%に引き下げと3.50%で据え置きが拮抗)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

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