FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高や米国株先物安を嫌気した売り優勢

金融政策据え置きとなった米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて円高が進んだことを嫌気した売りが優勢となったが、売り一巡後は徐々に様子見ムードが広がり全体的に下げ渋った。しかし、後場になると、特段の売り材料は見当たらないものの下げ幅を広げた。市場からは、『週末のメジャーSQ(特別清算指数)算出を前に短期筋が思い切って仕掛け的な売りを出している』との指摘があった。後場にNYダウ先物やNY原油先物の下げ幅拡大に連れ安を辿り、結局、前日比652円安の2万2472円と大幅反落で終了した。

 

東京外国為替市場:ドル売り一巡後は買い戻しで107円台回復

ドル/円は、東京市場では約1ヵ月ぶりの106円台に突入したことで、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、107.10円付近へ上昇した。しかし、FRBのゼロ金利政策が長期化するとの観測から、上値を追う動きは限られた。その後は、米国で新型コロナウイルスの感染者が200万人を突破したため、感染拡大の『第2波』を警戒したドル売りに押されて106.90円付近へ値を下げた。午後は、WTI原油先物価格の下落を眺めた資源国通貨に対するドル高が波及、107.20円付近へじり高となった。このところの一本調子の下げが続いていることから、利益確定のドル買い・円りが入りやすい面もあった。ユーロ/ドルは、高値警戒感から利益確定や持ち高調整のユーロ売り・ドル買いが入り1.1330ドル台まで下落した。

 

コモディティー市場の上昇は過剰:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスはコモディティー(商品)市場全般の上昇はファンダメンタルズに見合っておらず、現時点でロングポジションの推奨はためらわれるとの見解を示した。農産物とエネルギー市場については、膨大な在庫と需要の落ち込みを考えると最近の上昇は驚きの状況で、下押しリスクがあると警告した。『バランスのシフトがなければ、現物商品市場のいかなる上昇も維持できない』とし、原油の上昇は規模とペースが行き過ぎと指摘した。一方、金属については状況が異なると分析している。同社のアナリストは、金属市場はタイトな状況で、5月は建設とインフラ部門を中心とした中国からの需要が『非常に大きく』、最も楽観的な予想ですら上回ったと指摘した。

 

OECDの2種類の世界経済見通し:第2波があると成長率は下方修正

経済協力開発機構(OECD)は、新型コロナウイルスの感染拡大が第1波で収束した場合と、第2波が起きた場合の2種類の世界経済見通しを発表した。
 以下、世界全体と主要国・地域の2020年と21年の成長率。括弧()内は第2波が起きた場合とする。※▲はマイナス。
・世界全体 20年▲6%(▲7.6%)、21年5.2%(2.8%)
・米国 20年▲7.3%(▲8.5%)、21年4.1%(1.9%)
・ユーロ圏 20年▲9.1%(▲11.5%)、21年6.5%(3.5%)
・中国 20年▲2.6%(▲3.7%)、21年6.8%(4.5%)

各国政府による大規模な財政支援や各中銀の積極的な金融緩和により、21年の成長回復は規定路線となっている。ただ、新型コロナ感染の第2波に襲われてしまうと成長率は下方修正される。

 

米FOMCでは政策金利据え置き

米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.00-0.25%に据え置くことを決定。声明ではフォワードガイダンスで2022年まで実質ゼロ金利政策を維持する見通しを示し、回復支援で全ての手段を活用していくと公約した。FRBは2020年の経済が6.5%のマイナス成長に落ち込むと見ている。

 

米5月コア消費者物価指数(CPI)が9年ぶり低水準

米労働省が発表した5月消費者物価指数(CPI)は前月比-0.1%と、予想外に3カ月連続のマイナスに落ち込んだ。前年比では+0.1%と、4月+0.3%から予想外に低下した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している変動の激しいエネルギーや食品を除いたコアCPIは前月比-0.1%と、やはり予想外に3カ月連続でマイナスとなった。前年比では+1.2%と、予想+1.3%を下回り、4月+1.4%から低下し、2011年3月以降ほぼ9年ぶり低水準となった。インフレの低迷はFOMCの大規模緩和を正当化する。

 

支持率上がらずトランプ大統領に大統領選挙への焦りも

大統領ツイートには、秋の大統領選挙まで5カ月を切ったが支持率がまったく上がらない焦りも感じられる。ウエブサイトRealClear Politicsでは、主要なメディアや調査会社が出した大統領支持・不支持率を平均した数値を出している。トランプ氏が大統領に就任した2017年から、ほぼ一貫して支持率平均は不支持率平均を下回っており、今月8日時点での支持率平均は42.6%、不支持率平均が54.4%とその差は11.8ポイント開いていた。今年3月末には新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた経済への支援策が好感され、差が2ポイント程度まで縮まったのも今となっては遠い昔である。たしかに、現在の12ポイント弱ほどの差は今まででもあった(最大は17年12月の約21ポイント差)。ただし、今回は中国叩きもやり、株価もナスダック総合などは史上最高値を更新と、これまで支持に繋がっていた材料の効果が薄くなっている。

 

米CNNは昨日、最新の世論調査を発表し、トランプ大統領への支持率が38%と19年1月以来の最低水準となったことを明らかにした。この時期での40%割れは、再選を果たせなかったカーター大統領やブッシュ大統領(父親)と同じとしている。同調査は2-5日に行われており、昨日の大統領ツイート(デモ参加負傷者に対し、陰謀論を主張)への非難は含まれていないため、更に支持率は下がっている可能性はある。

 

欧米市場のイベント

○16:30  5月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比▲0.4%)
        コア指数(予想:前月比0.3%/前年比▲0.4%)
○20:00   4月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲15.1%)
○21:30   5月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比▲1.2%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比▲0.1%/前年比0.4%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:155.0万件/2000.0万人)
○12日02:00   米財務省、30年債入札
○ユーロ圏財務相会合
○ポーランド(聖体祭)、ブラジル(キリスト聖体祭)、休場

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