FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外勢による先物の買い戻しが下支え

前日NYダウとS&P500が反落し、為替市場でややドル安・円高が進んだことを受け日経平均は安く寄り付いた。しかし、2万3000円より下で始まったものおん、2万2900円は割り込むことなく、海外勢による先物の買い戻しが下支えとなり、下げ幅を縮小しプラス転換した。結局、前日比33円高の2万3124円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:FOMCを控えた持ち高調整のドル売り

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、107.87円付近まで上昇した。しかし、前日の米長期金利低下で、日米金利差が縮小していることから上値を追う動きは限られた。その後は、上海総合株価指数の反落を眺めたドル売り・円買いに押され、107.65円付近まで下落した。午後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いは入り、107.40円付近へじり安となった。ユーロ/ドルは、FOMCでイールド・カーブコントロールが議論される可能性が浮上し、米金利の上昇が抑制されるとの思惑からユーロ買い・ドル売りが進み1.1370ドル付近まで上昇した。

 

中国の5月貿易収支:既に海外受注に対応したことによるプラス

中国の税関総署が7日に発表した5月の貿易収支は629.3億ドルの黒字と、市場予想の黒字額を大きく上回り、統計開始以来の最高を記録した。中国5月貿易収支が大幅黒字になったものの、中身は良くない。輸出は前年比-3.3%の2068億ドルで、4カ月ぶりにプラスに転じた4月から再びマイナスに沈んだ。欧米を中心に新型コロナの感染拡大が深刻になり、世界的な需要が減退したのが要因である。輸出は1-2月に-17.2%に悪化し、4月は中国国内で企業活動が再開し、既に受けていた海外受注に対応したことで一時的にプラスになった可能性が高い。輸入は-16.7%と、4月の-14.2%から落ち込み幅が拡大した。1-5月累計では、前年比で輸出が-7.7%、輸入が-8.2%となり、このうち米国からの輸入は-7.6%となった。米中関係が悪化すれば、米中が1月に『第1段階』で合意した『米農産品の大量購入』を中国が破棄するのではないかとの懸念が強まっている。

 

メキシコは格下げならペソ安の引き金となる可能性も

国内の新型コロナウイルスの感染状況は悪化を辿るばかりで、改善の兆しが見られない。経済状況にしてもリセッションに直面しており、一部では米格付け会社がメキシコの格下げを検討しているとも言われている。仮に投資不適格となるジャンク級に引き下げられた場合、メキシコ国債および国内社債も売り浴びせとなり、ペソ安の引き金となる可能性があるため、注意が必要である。

 

全米に広がった抗議デモへの対応でトランプ大統領の支持率急落

米中西部ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受け、全米に広がった抗議デモに強硬姿勢を示したトランプ大統領の支持率が急落した。新型コロナウイルスを巡っても政権の甘い対応が感染拡大を招いたとの批判が強い。11月の大統領選まで5カ月を切る中、与党共和党重鎮も再選不支持を表明。トランプ氏は失地挽回に躍起となっている。米CNNテレビの8日発表の全米世論調査では、支持は事件前の前回5月から7ポイント下落して38%、不支持は57%に上った。軍動員示唆やデモ敵視を繰り返したトランプ氏の対応を『有害』とした人は65%に上った。

 

米4月では労働市場の脆弱さが表面化

米労働省が発表した4月JOLT求人件数は504.6万件と、3月601.1万件から急減し、2014年12月以降で最小となった。おおよそ、2100万人が失業しており、1つの求人に対する倍率は4.6倍。3月の1.2倍から急伸し2011年1月来で最高となった。前回の景気後退時2009年7月の6.4倍に近づく勢いとなった。
4月の解雇者数は770万人と3月の1120万人から減少も依然高水準。退職(173万人)や解雇(770万人)を含む離職(separation)は989万人。ウイルスによる経済閉鎖を受けて、過去最大を記録した3月の1464万人からは減少したものの過去2番目に高い水準となる。4月解雇率(Layoffs/discharges rate)も5.9%と、3月7.6%に続き高水準となった。
労働市場の健全性を見極める上で重要な退職率は1.4%と、3月1.8%からさらに低下し2011年4月来の低水準となり、労働者市場の脆弱さが明るみに出た。昨年同月の2.3%、2008年の金融危機前の 2.1%も下回っている。労働市場が最善の状況だった年初は過去最高を記録していた。
採用者数は352万人と、3月の511万人から減少。採用率は2.7%と、3月3.4%からさらに低下し、それぞれ過去最低を記録した。5月長期失業率(15週以上)は10.7%と、2019年36.2%に比べ低い。ただ、5週から14週の失業率は70.8%と、4月の30.4%から跳ね上がった。昨年5月時点は26.9%。今後、長期の失業者が増加するとさらなる懸念材料となる。

 

米国市場では5月消費者物価コア指数が公表

4月実績は前年比+1.4%だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、旅行関連と衣料品への支出が減少した。5月については、4月に続いて旅行関連と衣料品の支出減少が予想されていることから、インフレ率は4月実績をやや下回る可能性がある。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合最終日

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は5月29日開催のイベントで『まず行動し、それから答えを出すというのが現在置かれている状況だと、私は強く確信している』との見方を示した。現行の金融緩和策は妥当な措置であることを示しており、FOMCメンバーも同じ見解であることから、今回の会合では金融政策の現状維持が全会一致で決定される見込み。この会合では次の緩和の手段としてイールドカーブコントロールが検討されると見ており、9月会合にも導入し、FRBの意向が反映されやすい2年物が対象になると予想されている。

 

欧米市場のイベント

○15:00   5月ノルウェーCPI(予想:前月比0.1%/前年比1.1%)
○15:45   4月仏鉱工業生産指数(予想:前月比▲20.0%)
○16:00   3月トルコ失業率
○16:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○19:00   4-6月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   5月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比▲0.47%)
○21:30   5月米CPI(予想:前月比横ばい/前年比0.2%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比横ばい/前年比1.3%)
○22:30   デギンドスECB副総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○11日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○11日03:00   5月米月次財政収支(予想:6000億ドルの赤字)
○11日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

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