FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株価指数が軟調地合いで売り優勢

日銀資金供給の材料出尽くしや、米中対立の激化懸念などで、リスク回避の圧力が持続して前日のNYダウ101ドル安の反落をを受けた香港や上海株などアジア株価指数の軟調推移を嫌気し売り優勢となった。中国の全国人民代表大会(全人代)で、香港での国家分裂行為などを禁じる『香港版国家安全法』が議論されることになり、中国政府の管理強化による域内情勢の悪化懸念から香港ハンセン指数が一時5%を超える大幅安となったほか、NYダウ先物もつれ安したことも嫌気された。結局、前営業日比164円安の2万0388円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:材料出尽くしと株安でリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ107.76円付近までじり高となった。しかし、トランプ米大統領が連日で中国に対する批判を繰り広げていることから、上値を追う動きは限られた。その後、日銀は臨時の金融政策決定会合で新型ウイルスの影響を受けている中小企業に対して、新たな資金供給策を発表した。事前に報道された内容だったため、材料出尽くし感が広がるなかでドル売り・円買いに押されて107.55円付近まで下落した。香港ハンセン指数の急落も、リスク回避の円買いを誘った。午後も、この流れは続き、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めてさらにドル売り・円買いが進み、107.41円付近まで下落した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、107.45円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、ユーロ/円の下げにつれ安となり、1.09ドル台半ばから1.09ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

世界的には新型コロナの感染拡大が継続

新型コロナウイルスの世界の感染者数は22日、505万人と500万人を突破し、最も多い米国で156万人、ロシア32万人、ブラジルが29万人と続く。新興国の感染拡大が深刻で、死者数は世界で33万人にのぼり、直近では1日5000人近くが亡くなっている。世界保健機関(WHO)テドロス事務局長は20日の会見で、1日の新規感染者数が過去最多の10万6000人になった。

 

否定的だったイングランド銀行もマイナス金利政策に前向き

最近BOE(イングランド銀行)高官からマイナス金利政策に前向きな発言が相次いでおり、現在0.1%にある政策金利を近くマイナス圏に引き下げるとの観測が高まっている。コロナ危機対応でBOEは、利下げ、資産買い入れ、銀行への流動性供給策などの金融緩和策を矢継ぎ早に打ち出してきた。
 今後も金融・財政政策の総動員で景気を下支えする必要がある。国債増発の安定消化を支えることからも、資産買い入れの強化がBOEにとって優先順位の高い政策ツールとなる。ただ、アフタコロナの戦いは長期化が予想される。様々な政策ツールを確保する観点からも、BOEはマイナス金利政策に否定的だった従来の見解からの軌道修正を図っていると考えられる。

 

トルコリラは断食明け祝日を控え注意が必要

24日から26日の断食明け祝日(ラマザンバイラム)を控え、積極的な取引は控えられる可能性が高い。流動性が薄くなることが予想され、スプレッドが広がりやすくなるので注意が必要となる。 トルコ中銀がカタール中銀と通貨スワップ枠を拡大したが、カタールの通貨リヤルがドルと自由に交換できないため、市場の評価はそれほど高まっていない。依然として、話し合いを進めているとされる日英中の判断待ちとなっている。 なお、中国からトルコに避難してきたウイグル人男性について、トルコ政府は中国の引き渡し要請を受け入れるとの報道が伝わっている。これも、中国から通貨スワップ枠の拡大を得るための機嫌取りなのかもしれない。

 

メキシコの経済活動再開は綱渡り状態

メキシコでは3月以降の感染拡大を受けて、政府は3月末に非常事態宣言による企業活動の制限に動いたが、足下では感染爆発が懸念される状態に直面している。こうした状況にも拘らず、政府は自動車産業等を対象に経済活動再開の動きを前倒しさせている。隣国米国での経済活動再開に伴いサプライチェーンで繋がりの深い同国への『圧力』が強まり、結果的に経済活動の再開を余儀なくされた。通貨ペソ相場は一時最安値を更新したが、その後の国際金融市場の動揺一巡に加え、米国の経済活動再開や原油相場の底入れが下値を支えている。新型肺炎の行方も不透明な上、景気及び財政の行方も見通しが立たず、さらなる格下げリスクもくすぶるなど、メキシコは『綱渡り状態』にあると言える。

 

中国叩きは米国世論の反中感情の高まり

トランプ政権と共和党は感染拡大への中国『責任論』を喧伝し中国政府に損害賠償を求める訴訟の提起など『中国たたき』が得票につながるとみて強硬姿勢に傾斜している。かかるトランプ政権の『中国叩き』には米国世論の反中感情の高まりが影響している。米世論調査機関『ピュー・リサーチセンター』が4月21日公表した調査結果によると、中国に対し『好意的でない』と答えた米国民の割合が前年調査比6pt増え05年の調査開始後で最高の66%だった。貿易戦争や軍事分野での競合に加え、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、対中感情が急激に悪化していることを示した。
『好意的』とする回答は過去最低だった前年と同じ26%。12年までは『好意的』が『好意的でない』を上回る年が多かったが、トランプ政権が発足した17年から3年間で『好意的でない』が20pt近く増加した。好意的でない人の割合は支持政党や年齢層を問わず高いが、特に共和党支持者で72%、50歳以上で71%を記録した。習近平国家主席に対する信頼度は、前年まで大きな変化がなかったが、今回調査では『信頼できない』が前年比+21ptの71%に上った。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲15.5%/前年比▲21.2%)
       英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲15.0%/前年比▲18.6%)
○20:30  欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月30日分)
○21:30  3月カナダ小売売上高(予想:前月比▲10.5%/自動車を除く前月比▲4.8%)
○23:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○中国全国人民代表大会(全人代)開幕
○米債券市場は短縮取引(メモリアルデーの前営業日)

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