FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:対中貿易摩擦激化と円高を嫌気した売り

前日の米国株式市場で、トランプ米大統領が新たな対中関税の第4弾の発表を受けてNYダウが連日大幅安となったこや、ドル/円は一時6月25日以来となる107円割れとなったことを嫌気し、主力銘柄を中心に総じて売られる展開となった。上海株やNYダウ先物が軟調に推移し、投資家心理を圧迫した。ランチタイム中に日経先物に売りが出て現物指数が一段と下落した。一時下げ幅を550円超へ広げた。結局、前日比453円安の2万1087円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル安は一旦後退し107円台を挟んでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の大幅安を嫌気して下値を模索する展開となり、107円台半ばから106.86円付近まで下落した。トランプ米大統領が『中国と合意するまで、徹底的に関税を課す』と発言したことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、6月25日に付けた106.78円が下値サポートとして意識されると、ショートカバーが入って107円台を回復した。午後は、日経平均株価が一時的に節目の2万1000円を下回ると、再び107円を割り込んで106.95円付近へじり安となった。しかし、今晩公表される米7月雇用統計を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り107.10円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で小動きの展開に終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米7月ISM製造業景況指数は3年ぶり低水準

米供給管理協会(ISM)が発表した7月ISM製造業景況指数は51.2と、上昇予想に反して、6月51.7から低下した。活動の拡大と縮小の境目である50を依然上回ったものの、2016年8月以降3年ぶり低水準となった。貿易摩擦や世界経済の成長減速を受けた輸出の鈍化が響いた。事前に民間マークイットが発表した7月製造業PMI改定値は50.4と速報値50.0から上方修正され、予想50.1を上回った。しかし、少なくとも2016年7月以来で最低となった。

 

サムスン電子4-6月期半導体部門の営業利益が激減

韓国サムスン電子は31日、4-6月期半導体部門の営業利益が-71%の激減と発表した。日本政府が7月4日にフッ化水素など3品目の輸出規制を強化、半導体生産に欠かせない部材の機動的な調達リスクと共に競争力の源泉である大量受注モデルへの信頼が揺らぎ、大幅減益となった。英調査会社IHSマークイットによれば、サムスンは処理速度が速く電源を落とすとデータ消失するDRAMが43%、電源を消してもデータが残るNAND型フラッシュメモリー38%の世界首位のシェアを誇る。特に、サムスン、韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジー3社で寡占状態のDRAMは18年売上高営業利益率が7割に達した。しかし、日本に9割を依存する高純度フッ化水素の輸入規制を日本に受けるため規模の生産が危うくなるという。サムスン電子がフッ化水素を調達できなければメモリーは生産できず、顧客はサムスンとの取引リスクを認識せざるを得ない。韓国経済の心臓サムスンの取引減少は、同国経済にとって瀕死の重傷となる。

 

米国市場では6月貿易収支が公表

5月実績は、▲555億ドルで貿易赤字は4月との比較で拡大した。輸入・輸出ともに増加したが、財の対中赤字は301億ドルに拡大した。6月については輸入額の減少が予想されることから、貿易赤字幅はやや縮小する見込みとなっている。

 

米国市場では7月雇用統計が公表

市場予想は失業率が3.6%。6月3.7%から低下し、ほぼ50年来の低水準を維持すると見られている。また、非農業部門雇用者数は前月比+16.5万人と、6月+22.4万人から伸びの鈍化が予想されている。さらに、平均時給は前月比+0.2%、前年比+3.1%と、6月と同水準の伸びが予想されている。先行指標の中でも労働省が発表する雇用統計と相関関係が最も強いとされている民間の雇用統計となるADP雇用統計の7月分は前月比+15.6万人と、持続可能な水準での伸びが続いた。6月分は+11.2万人と、+10.2万人から上方修正されており、労働省が発表する雇用統計でも順調な雇用の伸びが示唆される可能性が強い。ただ、製造業の雇用は減速が見込まれる。全米の製造業景況を示すISM製造業景況指数の7月分は予想外に6月分から悪化し、3年ぶり低水準に落ちこんだ。パウエルFRB議長が指摘していた通り、世界経済の鈍化や関税が、米国の製造業にも悪影響を与えている証拠となった。トランプ政権は9月から残り3000億ドルの中国輸入品に10%追加関税を課すと発表した。そして、交渉に進展が見られなければ関税率を25%まで引き上げる可能性も指摘した。そうなると製造業に一段の打撃を与えることが懸念される。雇用統計が予想を下回った場合は、年内の追加利下げ観測をさらに強め、さらなるドル売りに繋がりやすい。

 

欧米イベント

○15:30   7月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.3%)
○16:30   7月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:46.5)
○17:00   7月ノルウェー失業率(予想:2.3%)
○17:30   7月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.0)
○18:00   6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%/前年比0.8%)
○18:00   6月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○21:30   6月カナダ貿易収支(予想:3億カナダドルの赤字)
○21:30   6月米貿易収支(予想:546億ドルの赤字)
○21:30   7月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.4万人/失業率3.7%/平均時給、前月比0.2%/前年比3.1%)
○23:00   6月米製造業新規受注(予想:前月比0.8%)
○23:00   7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:98.5)
○日米閣僚級貿易協議(ワシントン、最終日)

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