FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株安と円高進行を嫌気した売り

前日の米国株市場で主要3指数やフィラデルフィア半導体指数が下落した流れを引き継ぎ、朝方から売りが先行した。その後、米長期金利の低下を受けて円高基調が進行すると、為替に連動する先物売りが出て下げ幅を拡大し、一時200円近くまで下げ幅を広げた。今晩の米30年債入札の需要が旺盛との思惑から、米金利に低下圧力がかかったとの見方が出ていた。結局、前日比97円安の2万1032円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:内外株安と米長期金利の低下でリスク回避の円買い

ドル/円は、内外株安や米長期金利の低下をながめてドル売り・円買いが進み、108.17円近辺まで下落した。低調な5月号雇用統計を嫌気した豪ドル/円の急落が波及したことも材料視された。ただ、下値では値ごろ感からのドルの押し目買いが入り、下げは一服した。午後は日経平均株価の下げ幅縮小や上海総合株価指数の持ち直しに支えられ、108.40円近くまで値を切り返した。しかし、トランプ大統領の不規則発言が警戒されているため、ドル買い・円売りは続かず、108.35円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1295ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の人民元安誘導懸念:制裁関税効果を相殺

中国人民銀行は、2015-16年の資本流出を回避するため、1ドル=7元、をレッドライン(換えてはならない一線)に設定しているのではないか、との警戒感が根強くあった。 しかし、2019年6月7日、易綱中国人民銀行総裁が、『人民元に換えてはならない一線(レッドライン)があるか?』との質問に対して、『数学的な物差しで見て特定の数字が他の数字よりも重要だとは思わない』と述べたことで、ドル・人民元は、1ドル=7元に向かってドル高・元安が進んでいる。総裁は、『貿易戦争が一時的な元安圧力になる可能性があるが、そうしたノイズの後は元が引き続き安定し、新興国通貨、交換可能通貨と比較しても強くなるだろう。元は非常に力強い通貨だ』とも述べている。経済協力開発機構(OECD)の購買力平価モデルによると、ユーロはドルに対して20%程度、人民元は48%程度、円は10%程度過小評価されている。
 中国は、米国から25%の制裁関税を課された場合、ドル・人民元が25%、ドル高・元安になれば、関税効果が相殺されることになる。

 

トルコ中銀は現行の政策金利据え置きでリラの下支え要因

トルコ中銀は前日、政策金利である1週間物レポ金利を現行の24.00%に据え置いた。中銀はその声明で、インフレの低下傾向を強化するために引き締め政策を堅持することを明らかにしている。前回はハト派姿勢に転換とも捉えられた声明だが、今回は(エルドアン大統領からの圧力にもかかわらず)引き締め維持となったことで、ひとまずリラの支え要因となっている。

 

英国の合意なきEU離脱への可能性が高まってきた

欧州連合(EU)の欧州委員会は12日、英国が合意のないままEUを離脱する可能性に関する緊急対応策を更新し、EU加盟国、企業、市民に対し、こうした離脱に備えるよう伝えた。欧州委は声明で、英国の合意なき離脱は依然として起こり得る結果で、経済への悪影響が見込まれると指摘。緊急時に向けたこれまでの準備は『引き続き適切で目的にかなっている』と付け加えた。

欧州委員会は、英国の『合意なきEU離脱』への対応をめぐって声明を出し、『合意なし』の場合も英国はEU予算分担金などの『手切れ金』を支払う必要があるとの見解を改めて示した。英国でメイ首相の後任を決める与党・保守党党首選の議員投票が13日から始まるのを前に、強硬離脱派をけん制した格好にある。

英下院は、野党・労働党が提出したEUからの『合意なき離脱』を阻止するための動議を反対多数で否決した。採決結果は賛成298、反対309だった。

 

米5月コア消費者物価は予想外に低下

米労働省が発表した5月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%と、市場の予想通り4月の+0.3%から低下し、1月来で最低となった。前年比では+1.8%と、4月+2.0%から予想以上に低下し、2月来で最低となった。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比+0.1%と、上昇予想に反して4月来と同水準を維持した。前年比では予想外に+2.1%から低下した。 市場予想を下回ったインフレで、米債利回りは低下し、米10年債利回りは2.14%から2.11%へ低下した。ドルも下落し108.45円から108.26円近辺まで下落した。米FRBの早期利下げの可能性が現実味を帯びた。

 

欧米イベント

○15:00   5月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.4%)
○15:30   5月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.1%)
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○18:00   4月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比▲0.5%)
○19:00   4-6月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:28)
○21:30   4月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○21:30   5月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.6万件/168.0万人)
○14日02:00   米財務省、30年債入札
○英保守党党首選、第1回投票
○ユーロ圏財務相会合(ルクセンブルク)
○日米閣僚級貿易協議(ワシントン、15日まで)

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