FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:短期的な過熱感から売りに押される展開

前日の米ハイテク株高を好感し半導体や電気機器関連に買いが先行した。ただ、内需関連への売りや短期的な過熱感を警戒したヘッジファンドなど海外短期筋の売りに押される展開となった。結局、前日比11円安の2万1724円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日経平均株の伸び悩みでドルの上値も限定的

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りの支えられ一時111.52円まで上昇した。しかし、前日に付けた111.57円が上値目処として意識されると、利食い売りも見られ111.45円近辺まで下落した。黒田日銀総裁が『粘り強く現在の金融緩和を続けていく』『金融政策運営は、金融情勢も十分に勘案して進めていく』などと発言したものの、目新しいものはなく、市場の反応は限定的だった。午後は日経平均株価の伸び悩みや米長期金利の低下をながめて、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り111.35円付近へ下落した。ただ、米中通商協議の行方を見極めたいとの雰囲気もあり、下値は限定的となった。ユーロ/ドルは、1.1240ドル前後で方向感の欠いた展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の経済政策不確実性指数(EPU)は高止まり

中国当局の猛烈な信用拡張策に米中貿易協議の進展期待、さらに緩和的な金融政策などを背景に個人投資家中心に上海株の先行き『強気』ムードが醸成され、しかるべき『資産効果』が減税効果と相まって景気底入れを後押すと期待されている。もっとも中国の投資家心理は一方向に傾きやすく、金融当局が信用取引の規制強化などに乗り出さなければ上昇基調が続く可能性が高い。一方、前述NY金融筋の『中国構造不況論』が景気底入れ後の回復力の鈍さが危惧させる。その最たる要因が、すでに日本のバブル期と同じ200%を超えた中国の民間債務比率の大きさである。リーマン危機以降の財政大判振る舞いにより、世界の債務増加額67兆ドルのうち、中国が27.5兆ドルと全体の4割を占める。米ブルームバーグによれば、2017年の中国全体の負債額は32.5兆ドル(GDP比266%)を超え、10年間で4.4倍(GDP比で1.6倍)に膨れ上がった。とりわけ、企業負債の中で突出しているのがドル建て債務である。2011年頃から急増し、2017年10-12月期には450億ドルに迫る膨張となり、底入れ後の回復力を減殺しそうだ。さらに、中国経済の先行き不透明感を象徴するのが市場を取り巻く『不確実性』の物差し『経済政策不確実性指数』(EPU)の高止まりである。

※経済政策不確実性指数(EPU)とは、経済政策の不確実性に関する新聞記事の数、将来的に控える税制の変更による金額的影響度、エコノミストによる経済予想のバラツキ度合いの三項目から構成され、先行きの不透明感を示すもの。

 

英国は12日まで綱渡りの様相:ポンドの不安定が続く

12日のEU離脱期限に向け英下院は3日夜、12日に合意なくEU離脱することを阻止しるために、メイ英首相に離脱延期を要請する議案を313対312の僅差で可決した。可決報道を受けて市場の反応はポンド買いとなった。延期については、英大衆紙サンが『来週の臨時EU首脳会議で首相は9カ月の離脱延期(中断条件項目付き)を求める』と報じた。しかしながら離脱強硬派の反発は必至であり、メイ内閣の離脱派の多くが辞任する可能性も同紙は伝えている。もし英政権の混乱が深まるようであれば、ポンドの上値は再び重くなる。

 

トルコリラは下げ止まるも上値追いの勢いはない

3日に発表された3月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比+19.71%と前回・予想を上回った。食料品の上昇率が31%と高く、医療品なども20%前半から後半に上昇した。指標結果を受けてトルコリラ円は19.90円台から19.70円割れと1%超下落するも、その後は19.80円を挟みもみ合う展開となっている。もっとも米トルコ関係悪化の懸念もあり、上値追いの勢いはない。 昨日3日の講演でペンス米副大統領は、露からミサイルシステムを購入するトルコを無謀だと強く非難した。露側に歩み寄るトルコの姿勢に、同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟継続についても疑問を呈している。昨夏のトルコショックは米国との溝の深まりが大きな要因であり、両国の関係がこのまま改善しなければトルコリラの下向きバイアスが強まる可能性が高い。

 

米国市場では4月5日に3月雇用統計が公表

市場予想は、失業率が3.8%とほぼ50年来の低水準を維持している。非農業部門雇用者数の伸びは前月比17.8万人と、2月の2.5万人から改善が予想されている。
ただ、先行指標の中でも労働省が発表する雇用統計との相関関係が最も強いとされている民間雇用の統計であるADP雇用統計の3月分は前月比+12.9万人となり、市場予想+17.5万人を下回り2017年9月以降1年半ぶりで最小を記録した。そのため、米3月の雇用統計にも警戒感が浮上した。 2月の低調な結果は政府機関閉鎖など特別かつ一時的要因が影響したと見られている。万が一、3月分もネガティブサプライズとなった場合は、労働市場の兆候をあらわし、今後の成長減速見通しを裏付けることになる。

全米の製造業動向を示すISM製造業指数の3月の雇用は57.5と、11月来で最高に達し、全体指数を押し上げた。米国経済の7割を消費が占めるため民間雇用動向を判断する上で重要視されるISM非製造業の3月分の雇用は55.9と2月55.2から改善も、6カ月平均57.0を下回り、全般的な消費の減速が確認された。

 注目の平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.4%と、前月比では伸びの鈍化が予想されているものの、前年比では2009年4月来10年ぶりの大幅な伸びを維持すると見られている。

 

欧米イベント

○15:00   2月独製造業新規受注(予想:前月比0.3%/前年同月比▲3.1%)
○15:15   インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.00%に引き下げ)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(3月7日分)
○20:30   3月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.6万件/175.0万人)
○23:00   3月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:51.1)
○5日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○5日02:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

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