FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:根強い米中貿易摩擦懸念した売り優勢

米中貿易摩擦の根強い懸念や英国のEU離脱を巡る混迷など、外部環境の不透明感を背景にした売りが優勢となった。特に中国など世界景気の減速懸念を映し、素材や電子部品、半導体など景気敏感株の下落が目立った。結局、前日比71円安の2万1148円で続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株やアジア株をにらんだ展開

ドル/円は、前日の海外時間に急伸した反動から利益確定などのドル売り・円買いが持ち込まれ、』一時112.99円まで軟化した。日経平均株価の下げ幅が100円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら113.10円を挟んだもみ合いとなった。今晩の米国株価動向を見極めたいとの雰囲気から、積極的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易摩擦激化で注目される中国経済指標

中国に関しては、今週14日に主要な11月指標が公表される。貿易摩擦や世界減速による低迷が濃厚ながら、すでに一定の悪化リスクは織り込みが進んできた。最新11月分のPMIでは中国政府による内需刺激策や緩和的な金融政策などを受けて、『懸念ほどには悪化せず』という結果も見られている。同じ11月分の中国PPI(生産者物価指数)は前年比+2.7%となり、前月の+3.3%から5カ月連続の低下となったが、チャイナ・ショック時の2014-2015年にかけては-0.9%から-5.9%方向への急低下が観測されていた。当時に比べると、中国の生産部門での過剰供給や過剰在庫などによるデフレ圧力は抑制されている。ちょうど中国の経済動向や資源相場に先行性のあるバルチックドライ海運指数は、8月6日が直近最高となって先行急落となってきたが、11月20日を直近安値としてテクニカルな自律反発へと転じてきた。

 

ユーロ売り材料多く上値の重い展開

フランスの反政府デモがが同国景気を押し下げるとの見方が出てきているうえ、英国のEUからの『合意なし離脱』への懸念が再燃している。ECBのドラギ総裁が日本時間13日夜に予定している理事会後の記者会見で金融政策の正常化に慎重な姿勢を示せば、一段とユーロ売りが進む可能性が高い。

フランスのマクロン大統領は10日、19年1月から最低賃金を約8%引き上げると発表した。ただ、フランスでは今年1月の『富裕税』廃止以降、『金持ち優遇』といった政権批判がくすぶり続けており、最低賃金の引き上げ程度では、『批判をおさえるには不十分』と見られている。英国は10日、EUからの離脱案の議会採決を先送りすることを決め『合意なし離脱』への懸念が再び台頭している。19年予算案を巡るイタリアのコンテ政権のEUとの対立落ち着きどころが見えていない。ECBは13日の理事会で量的緩和の年内終了を確認する見通しだが、景気の先行き不透明感が強まっているため、ドラギ総裁が記者会見で金融政策の正常化に慎重な姿勢をみせればユーロには下押し圧力がかかりやすい。

 

欧州市場では13日にECB理事会が開催予定

現在は米FRBの利上げ停止観測でドル安の圧力が掛かっており、13日にかけては米欧の政策方向『乖離縮小』観測がポジション調整的なユーロ買い戻しを促す余地をはらんでいる。もっとも欧州経済は現在、英国のEU離脱混迷やイタリア予算案の迷走、仏政府批判デモと政治不安定化などで先行き不透明感が高まっている。ECB理事会では景気や物価への慎重見通しが示されるとともに、来年の利上げについても微妙な遅延が示唆される可能性が無視できない。前週には欧州の金融機関支援のため、『ECBが条件付き長期資金供給オペ再開の可能性を検討』といった報道もあり、緩和ペースの鈍化が根強いユーロの戻り売り要因として警戒される。

 

米国株の不安定から政策期待が高まる

米国では11月の中間選挙で民主党が議会下院の過半数を奪還しており、民主党が前向きなヘルスケアや、インフラ、低所得者支援などの整備・改革に関して政策期待が高まってきた。一方でトランプ米大統領による通商強硬姿勢には不安感が覆い続けるものの、2年後の米大統領選と議会選を踏まえると、『トランプ氏、民主党ともに、失業増加や年金運用に打撃となる株安を一段と煽るような政策ミスや政権攻撃はしない』という期待感は消えていない。すでに米FRBは、景気配慮による先行きの利上げ鈍化や休止を視界に入れ始めた。来年にかけては慣性的な景気減速の加速リスクが残るものの、これまでの記録的な高成長と企業収益増加のスピード調整的な『巡航速度化』にとどまる余地がある。IT・ハイテク株バブルは反動続落余地が残る一方、長期スパンで持続的な収益と安定配当で実績のある『配当貴族』関連の銘柄は、経済の安定成長化に即した安定的な収益と配当余力が期待される。

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ経常収支(予想:25億5000万ドルの黒字)
○17:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:30   11月英雇用統計(失業保険申請件数推移/失業率)
○18:30   8-10月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○19:00   12月独ZEW景況感指数(予想:▲25.0)
○19:00   12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30   11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比横ばい/前年比2.5%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○12日03:00   米財務省、3年債入札
○12日04:15   オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁、議会に出席

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